表紙。 障害のある人もない人もみんなが安心して暮らせる富山県にするために。 〜障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例〜。 障害のある人のことをもっとよく知ろう!! P1。 何のためにあるのでしょう? 誘導ブロック(点字ブロック)。 障害者用駐車スペース。 多目的トイレ。 電車やバスの優先席。 障害のある人が使いたいときに使うことができなくなっていませんか? 「つい」「ちょっとだけ」のつもりでも、障害のある人の生命にかかわることもあります。 日ごろの生活の中で、他にどんなことに気を付けるといいか考えてみましょう。 街の中の配慮。 高さを低くした自動販売機。 書類や看板などの漢字にふりがな。 駅などのトイレの前での音声案内。 家電製品などのボタンの場所に点字。 銀行などの窓口に表示してある耳マーク。 デパートやスーパーの入り口に車いすの貸出しと車いす用のカート・かご。 P2。 障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例。 この条例は、障害や障害のある人のことを理解することで、障害のある人に対する差別をなくし、障害のある人の人権を守るために作られました。 〜県条例はこんなふうにできました〜 2006年(平成18年) 障害者権利条約(障害がある人と障害がない人とを、平等に扱うことを決めた世界の国々の約束)が国連総会で採択される。 国内の法整備。 平成23年、障害者虐待防止法制定。 平成23年、障害者基本法改正。 平成24年、障害者総合支援法。 ※障害者自立支援法を改正したもの。 平成25年、障害者差別解消法制定。 ※障害者基本法第4条障害者差別の禁止を具現化。 平成25年、障害者雇用促進法改正。 平成25年、障害者差別解消法制定を受けて策定したのが、 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)と富山県条例(平成26年12月17日 公布)。 2016年(平成28年)4月1日施行。 P3。 この条例で定められていることは、障害を理由とする差別をしないこと。 この条例を守るのは、障害のある人・ない人、役所や会社、お店など富山県内にいるすべての人。 「障害のある人」とは、身体、知的、精神その他の体や心のはたらきに障害がある人で、その障害や社会的障壁によって、 毎日の生活や活動に相当な制限をうけているすべての人のことをいいます。 ※障害者手帳を持っている人のことだけではありません。 「社会的障壁」とは、障害のある人が毎日の生活をしたり、外で活動したりするときなどに妨げ(バリア)となるものをいいます。 たとえば、通行や利用がしにくい施設や設備、障害のある人を制限するような仕組みやきまり、 障害のある人のことを考えていない慣習や文化、障害や障害のある人への誤解や偏見、があります。 バリアを取り除くことで「障害」をなくすことができます。 P4。 差別をなくすためにしてはいけないこと。 不利益な取扱い。 障害があることを理由に、障害のない人と違う対応をすること。 たとえば、障害がある、車いすや杖を使用している、補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)と行動している、 というようなことを理由に、次のような取り扱いをすることです。 拒否(店や建物に入ること、病院・医院での診察、仲間に入れることなどを断る)。 必要がないのに付き添いを求める。 必要があるのに付き添いの同伴を許可しない。 障害のない人にはつけない、日、時間、場所などの条件を付ける。 順番を後回しにする。 公共の乗り物(バス、タクシー、電車、飛行機など)に乗せない。 P5。 たとえば、こんなことはありませんか? 避難訓練に参加(聴覚障害がある人の場合)。 四コマ漫画。 1.町内会の避難訓練の掲示を見た女の子。「聞こえないからいざというときのために参加しておこう」と思う。 2.避難訓練当日、係員が「学校に着いたら地区ごとに並んでください」と話している。 3.係員の話していることが聞こえない女の子は、どこに行けばいいのかわからずうろうろしている。 4.うろうろしていた女の子は、近くにいた人に「じゃまになるから帰ってください!」と言われる。 耳に障害(聴覚障害)のある人は。 手話を使ってくれるとありがたいわ。 順番を待っているとき、順番が来たら、メモに書いたりして教えてもらえると助かるわ。 私は手話がわからないから、筆談でお願いしたいわ。 言葉が聞き取りにくいとき、わかったふりをしないで、聞きなおして下さいね。 聴覚障害のある人のコミュニケーション方法には、 手話、指文字、口話、筆談などがあります。相手に通じやすい方法を組み合わせましょう。 また、外見では聴覚障害があることがわかりにくいこともあります。 P6。 盲導犬同伴で外出(視覚障害がある人の場合)。 四コマ漫画。 1.盲導犬を連れた男性が出かけている。「盲導犬が一緒にいてくれると安心して出かけられる」 2.公共の乗り物の中で、「バスや電車にも乗ることができるし」 3.デパートや八百屋で、「買い物にも行ける」 4.でも、お店に入ろうとすると、「盲導犬が一緒だからとレストランで食事をすることを断られた」 目に障害(視覚障害)のある人は。 急に身体を触らないで、まず声をかけて下さい。 文字は点字で書いてあると助かります。 私は点字が読めないので、文字は読んで聞かせてほしい。 あれ、これ、それ、といった言い方ではわからないので、右、左、正面、後ろなど、具体的な方向を教えて下さい。 盲導犬などの補助犬(介助犬、聴導犬など)は、きちんと訓練されていて、吠えたり、人に危害を加えたりしません。 視覚障害のある人は、周りの状況がわからない場合があり、困っていても助けを求めることができないことがあります。 「何かお困りですか」などと、こちらから声をかけましょう。 P7。 差別をなくすためにしなければならないこと。 合理的配慮。 障害のある人から、助けてほしい、手伝ってほしいと伝えられたときに、負担が重すぎない(自分のできる)範囲で手助けをすること。 伝われば、どんな方法でもOK。本人でなくても見てわかるときも(杖・車いすなど)。 たとえば、 手話や筆談(コミュニケーションや情報の伝達)。 点字や読み上げ(なにが書いてあるか伝える)。 誘導(進む方向や、止まる、上がる、下るなどを伝えながら移動する)。 人力(人の力で持ち上げたり支えたりして移動を助ける)。 言い換え(難しい言葉をわかりやすい言葉にして伝える)。 絵・図(絵や図を使って、わかりやすくする)。 ふりがな(漢字にふりがなを付けて、読みやすくする)。 危険を知らせる(危ないことがわからない人や気づかない人に声をかけたり身体に触って引き止めたりする)。 P8。 こんなふうにできたらいいと思いませんか? ライブに参加(車いすを使用している人の場合)。 四コマ漫画。 1.男の子「人気バンドのライブがあるんだ。一緒に行こうよ!」車いすの女の子「うれしい!」 2.車いすの女の子「でも、車いすで会場に入れるかな?」男の子「会場に聞いてみるよ」 3.ライブ会場で案内の人「お待ちしていました。ご案内します。」 4.会場でライブを見る2人。車いすの女の子「楽しい」男の子「よかった」 車いすを使用している人は、 エレベーターや自動販売機のボタンを押すのが大変です。 高いところの物を取るのが大変です。 物を落とすと拾うのが大変です。 通路が狭かったり、物が置いてあったりすると通れません。 電車やバスでは、乗るときにスペースを空けてくれるとうれしい。 ドアのノブを回して戸を開けることが大変です。 車いすを使用している人と話す場合は、かがんで目線を合わせて話すようにしましょう。 また、介助をする場合には、まず声をかけ、その人がどのような支援を必要としているのか確認しましょう。 P9。 本屋に出かけたとき(知的障害のある人の場合)。 四コマ漫画。 1.男の子が本屋で本を探している。「広いし、たくさんあってわからない」 2.店員さんが男の子に声をかける。「どんな本をお探しですか?ご案内しますよ」 3.店員さんに声をかけられた男の子はうまく説明できず困っている様子。   その様子を見ていた同級生は「あ、K君だ。きっとあの本を買いに来たんだ」と思う。 4.同級生は「K君、僕と一緒に探そう」と声をかける。   男の子は「M君!よかった!うん、ありがとう」という。 知的障害のある人は、 難しい言葉で話をされてもわかりません。 早口で話をされると困ります。 漢字にふりがなをつけてくれると助かります。 危ないときは、優しく教えて下さい。 絵などを使ってゆっくり説明してくれるとうれしい。 知的障害のある人と接するときには、穏やかな口調で声をかけましょう。 一度にたくさんのことを伝えるのではなく、短い言葉で話しかけましょう。 ゆっくり、はっきり、丁寧に、そして繰り返し伝えましょう。 P10。 待ち合わせの時間や場所の伝え方(発達障害のある人の場合)。 四コマ漫画。 1.男の子4人が遊ぶ約束をしている。「あとで一緒に遊ぼうぜ」「じゃ、例の所に集合な」「うん、いいよ」 2.1人の男の子は「あとで」「例の所」がわからず混乱している。 3.混乱していることに気づいた友達がフォローをする。「昼ごはんを食べた後、鉄棒のところだよ」 4.無事に集合することができた。「おーい、早くおいでよ。サッカーしようぜ」 発達障害(自閉スペクトラム症)のある人は、 いつもと違う、予定が急に変更になるとどうしていいかわからなくなる。 たとえ話やあいまいな言い方はわからない。 発達障害のある人は、じっとしていることが苦手だったり、一方的に話したりするなど行動に特徴があります。 集中できる時間が短いことがあるので、できるだけ短い言葉や文章、絵や写真などを使い、ゆっくり話しましょう。 「あそこ」「さっき」などのあいまいな表現を避け、具体的に説明しましょう。 P11。 ヘルプマークを知っていますか? 見た目だけでは、障害があることや手助けが必要なことがわかりづらい人等(義足や人工関節使用者、内部障害や難病患者、妊娠初期の妊婦など)が、 周りの人に障害があることや手助けが必要なことを知らせるマーク。 ヘルプマークの例、1。 四コマ漫画。 1.電車の中で具合悪そうにしている女の子がいる。「あれ?あの子、なんか気分が悪そう」 2.女の子のカバンにはヘルプマークがついている。「あ!ヘルプマークだ!」 3.ヘルプマークがついていることを見て、席を譲る。「ねえねえ、ここに座りなよ。」 4.「席譲ってくれてありがとう」「ううん、いいのよ。他にも何か手伝えることがあったら言ってね」 P12。 ヘルプマークの例、2。 四コマ漫画。 1.電車の中で、「強風のため、しばらく停車します」とアナウンスがかかる。   「え?止まるんだ!やだなあ」と思う女の子。 2.女の子の近くには、そわそわした様子のヘルプマークを手にした子がいた。「何か困っているみたい。どうしたのかなあ」 3.ヘルプマークには「私は耳が聞こえません」と書いてある。「ああ、放送が聞こえなくて、なんで止まったのかわからないんだ」 4.「強風で電車がとまっているんだよ」と紙に書いて教えてあげると、「そうだったんですね、ありがとう」とほっとした様子になった。 ヘルプマークの裏面には、必要な手助けや、してほしいこと、連絡先などが書いてある。 P13。 わたしたちにできること。 まずはお手伝いしましょうか?の一言から。 身体障害のある人。 肢体不自由。 手や足を思うように使うことが難しいので、移動や、細かい作業などが苦手。 そのため、時間がかかってもせかさない。移動や機械の操作などを手伝う。 内部障害。 病気に感染しやすい人、疲れやすい人などがいるが、見た目でわからないことが多い。 そのため、風邪などの感染する病気をうつさないようにする。 電車やバスでの携帯電話使用のルールを守る。 盲ろう。 目と耳の両方に障害があるため、移動やコミュニケーションが難しい。 そのため、移動の手助けをする。 コミュニケーションは、手のひらに指文字を書く、その他に触手話などがある。 精神障害のある人。 ストレスに弱い。社会から孤立しやすい。環境が変化することが苦手。 そのため、人の多い場所や、ざわざわしている場所で、つらそうにしていたり、緊張したりするなど、 落ち着かない様子のときは、静かな場所に誘導する。 高次脳機能障害のある人。 病気や事故で脳の一部が傷ついたことで、感情のコントロール、記憶や注意、計画的な行動が難しくなる、などの症状が出る。 そのため、1つの行動ごとに声をかける。予定を紙に書く。急な予定変更をしないようにする。 難病のある人(令和6年2月1日現在、338種類の病気が指定されている)。 原因不明で有効な治療法が見つかっていない。 知られていない病気が多く、周りの人にわかってもらえない。 そのため、病気の治療でつらい思いをしていることを理解する。 気を付けなければいけないことなどを聞く。 発達障害のある人。 人とのコミュニケーションが苦手。 周りの変化や予定の変更があると混乱する。 特定の音や触られることを極端に嫌がる。 一度に多くのことを言われると混乱する。 特定の学習(読むこと、書くこと等)が苦手。 そのため、他の人と同じようにできないことでつらい思いをしていることを理解する。 できないことを責めたり、からかったりしない。 どの障害でもそれぞれに個人差があるので、どんな方法がいいか聞きましょう。 P14。 「障害」や「差別」で わからないとき、困ったときは、 住んでいる市町村の障害福祉担当課に相談することができます。 いろいろな情報。 1.障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例。 富山県厚生部障害福祉課ホームページ。 リンクを開く、httpsコロンスラッシュスラッシュwwwドットprefドットtoyamaドットjpスラッシュ1209スラッシュkurashiスラッシュkenkouスラッシュshougaishaスラッシュjigyoushaスラッシュkj00013327スラッシュkj00013327ハイフン002ハイフン01ドットhtml。 条例本文、ガイドライン、チラシ、パンフレット、ブックレットなどをダウンロードすることができます。 2.スマイリータウンとやま。 公式フェイスブック。 リンクを開く、httpsコロンスラッシュスラッシュwwwドットfacebookドットcomスラッシュsmileytownドットtoyama。 3.障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)。 内閣府ホームページ。 リンクを開く、httpsコロンスラッシュスラッシュwww8ドットcaoドットgoドットjpスラッシュshougaiスラッシュsuishinスラッシュsabekaiドットhtml。 法律本文、基本方針、対応要領・対応指針、リーフレットなどをダウンロードすることができます。 合理的配慮等具体例データ集「合理的配慮サーチ」のページにもリンクしています。 県の相談窓口。 場所、郵便番号930-8501。富山市新総曲輪1番7号。 富山県厚生部障害福祉課相談室(富山県庁本館1階)。 受付時間、午前8時30分から午後5時まで(土日、祝日、年末年始を除く)。 電話番号、076-444-3959。ファックス、076-444-3494。 メールアドレス、mlハイフンsabetsuハイフンsoudan@prefドットtoyamaドットlgドットjp。 P15。 障害のある人にかかわるマーク。 障害者のための国際シンボルマーク。 障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマーク。 身体障害者標識。 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク。 聴覚障害者標識。 聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク。 盲人のための国際シンボルマーク。 世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマーク。 耳マーク。 聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマーク。 ヒアリングループマーク。 補聴器や人工内耳に内蔵されているTコイルを使って利用できる施設・機器であることを表示するマーク。 オストメイトマーク。 人工肛門・人口膀胱を造設している人(オストメイト)のための設備があることを表したマーク。 ハート・プラスマーク。 身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害がある人を表したマーク。 補助犬マーク。 身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)同伴の啓発のためのマーク。 白杖SOSシグナル。 白杖を頭上50cm程度に掲げた視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようというマーク。 ヘルプマーク。 外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマーク。 障害者雇用支援マーク。 障害者の在宅障害者就労支援並びに障害者就労支援を認めた企業、団体に対して付与する認証マーク。 内閣府ホームページ。 「障害者に関係するマークの一例」参照。 リンクを開く、httpsコロンスラッシュスラッシュwww8ドットcaoドットgoドットjpスラッシュshougaiスラッシュmarkスラッシュmarkドットhtml。 公益財団法人ソーシャルサービス協会ITセンターホームページ「障害者雇用支援マーク詳細」参照。 リンクを開く、httpsコロンスラッシュスラッシュwwwドットsocialドットorドットjpスラッシュitcenterスラッシュworksスラッシュmarkドットhtml。 発行。 富山県厚生部障害福祉課。郵便番号、930-8501。富山市新総曲輪1−7。 電話番号、076-444-3211。ファックス、076-444-3494。 このブックレットは、「障害者理解のためのブックレットプロジェクト2019」として、 富山福祉短期大学社会福祉学科社会福祉専攻 鷹西 恒教授と富山コミュニティー論ゼミ生の協力のもと作成しました。 4コマ漫画の事例は、富山福祉短期大学の学生が作成したものです。 2024年2月発行。 このブックレットは、障害者就労施設で印刷しました。