富山県企業立地ガイド
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富山県の魅力は?
・新しくチャレンジする方にとっては、富山はまだまだ余白が多くチャンスが多い地域
富山ではどんな企業が活躍出来る?
・自分のやりたいことをイキイキとやりながら、世の中のためや周りを幸せにしたいなど、純粋に前向きに志している人
外部の企業が地域に根付くには、その地域の信用・信頼が非常に重要になります。
今回お話しを伺った坂東さんは、自身が立ち上げた家印株式会社と若手起業家を増やす活動として、みらいまちラボを運営しています。
起業したては、ボランティアで空き家の回収や移住者のアテンドなど、信用信頼を得るために活動されていたそうです。
今回は、そんな家印株式会社の坂東さんにインタビューをしました。
富山県の朝日町出身で、先祖代々商売をしてきた家系でして、米屋、芝居小屋用品屋、呉服屋そして、私の代で建築の仕事を始めていて、15代目になります。
まず、家印株式会社の「家印」の名前の由来は同じ方向を向いて一致団結するという方向の矢印と私たちは幸せの家のしるしを地域に点在させていき、地域全体の幸せに貢献していくという意味での家印という名前になりました。
もともとは、17年前に個人で坂東建築設計室という会社を立ち上げて9年間設計の仕事をしていました。
そこから工事の相談も増えたことで設計から施工までできる会社として家印を立ちあげ、今期で8期目になります。
主な業務内容はリフォームやリノベーション、古民家再生、住宅の新築業務のほか、店舗や企業の新社屋を作ったりもしております。
当社は、木造建築に強みを持っているため、木造に関する仕事をメインとしてやっており、その傍らで、地域の空き家対策として空き家活用もやっています。
まず、起業家を増やすため活動しているジャパンチャレンジアワードという団体がありまして、その団体と連携して若手の起業家輩出の取り組みをしております。
▼みらいまちラボ
https://www.miraimachilab.or.jp/
まず仕事についてですが何か計画があって興したわけではないんです。
建築が好きで理想の仕事をやりたいという思いだけで、まだ見習い時に勢いで起業をしたため、最初の9年はうまくいきませんでした。
改めて冷静に考えてみると建築は、最も高い買い物であり、それなりの実績や信用信頼がないと依頼が来ないということに気づきました。
会社や個人の信用や実績、さらには知名度や看板があるからこそ、問合せがあるわけですよね。
そんな中、「バンドウヒデアキ」を知っている人なんてほとんどいないですし、起業してから事業の難しさに気づきました。
とにかく自分の信用信頼がなかったので、ボランティアで空き家を使った地域コミュニティーを作ったり、移住者のお世話をしたり、イベントのお手伝いをしたり様々な地域貢献をやっていました。
そうですね、まずは自分で汗を流して何か世の中のためとか地域のためのことをして自分を知ってもらうことから始めました。
ただ、始めたきっかけは地域を良くしたいとか、そう言った素晴らしい想いではなく、まず自分の仕事のために、信用信頼を作ろうというのが本音でした。
当時は、自分にもほとんどメリットがないし、辛いなって思う時期もありました。
よく考えたらいつ返ってくるか分からないことを色々とやってきたなと思います。
ただ、やり続けているうちに、新聞、雑誌、テレビなどで自分の取り組みを取り上げてくれるようになってきました。
そうすると、地元の高齢者の方とか、地元の人たちに知ってもらうきっかけになり、ボランティアを重ねていくうちに、応援してもらえるようになり、町長から救世主だ!と冗談交りで言ってもらえるまでになりました。
当初は、自分の仕事のためではありましたが、根底には地域を良くしたいって気持ちや人が困っていたり、人に喜んでもらったりすることが好きなんだと思います。
地域のコミュニティーもそうですが、みんなが笑顔になって楽しそうにしているから、自分が主催者になって場所を提供して毎回運営していたり、空き家に関しても皆さんは結構困っているんですよね、その悩み解決みたいなことをしてあげるとありがとうって言われたり、感謝してもらえるから、そうしたことが嬉しかったのだと思います。
また地域の人に感謝や応援されることで本当にこの地域をよくしていきたいという気持ちに途中から変わっていったんです。
冒頭に話した通り、地域の信用信頼がないまま起業をしたので、まずは地域貢献のために空き家の活用や地域のコミュニティー作り、移住者のお世話などもしていました。
しかし、町の人口はどんどん減っていくわけです。
今から、10年前に朝日町が消滅すると聞かされ、現在は人口約1万人で高齢化率は45%。
そんな朝日町をなんとかしなければと思い、色々な活動をしましたが、一向に人口減少は止まりませんでした。
そんな時に、ある移住者から「移住者を増やしたくても、朝日町は難しい。なぜなら働く選択肢が少なすぎる」と言われました。
確かに、朝日町の大きな就職先といえば役場か役場が運営している病院くらいで求める働き先の選択肢は限られていて、町内の企業を見ても小さな会社がほとんどで、その中でも若い人が働きに行きたいような会社はわずかであり選択肢がない状況でした。
これは自分一人では出来ないし朝日町内だけでは難しいと思い、どうしたら実現できるかを考えていた時にたまたまテレビを見ていたら、レオス・キャピタルワークスの藤野さんが出演されていました。
藤野さんが経営されているレオス・キャピタルワークスは、都市部の大企業を成長させるのではなく、地方でこれから伸びる会社に投資して地域を元気していく投資をされていました。
しかも、藤野さんは富山県出身で私の友人がいる企業さんにも出資していることを知り、この人に会ってみたいと思ったんです。
その後、何度もメールを送り講演会に参加しては名刺をお渡しして、朝日町に来てください。
と口説き続けた結果、一緒に地方創生をやろうと言ってくれました。
そんな背景があり、一般社団法人みらいまちラボが立ち上がりました。
最初は、藤野さんが代表という形でしたが将来的には自走出来る状態を作るために、藤野さんと私とで共同代表として運営していくことになりました。
朝日町はコンパクトの中に海も山も川も全部あって、海・山それぞれにキーマンとなる面白い人達がおります。
以前、朝日町の地域おこし協力隊の方に「人が来る理由は人ですよ」と言われたことがあります。
そういった意味では、面白い人達がいるのは朝日町にとってすごく価値だな、と思います。
また、事業者として富山はすごくチャンスだとは思います。
富山には、全国的に有名な企業や大きな製造業もあるのですが、起業率が低い県なので、新しいビジネスが生まれる割合が少ない県です。
そういった意味では、チャンスがまだまだある県だと思います。
だからこそ、富山にはこれから起業しようと考えている人達に来て欲しいです。
新しくチャレンジする方にとっては、まだまだ余白がある富山県は今がチャンスだと思います。
朝日町では少しずつですが魅力を感じ拠点を出してくれる企業や、町と提携し課題解決に取り組む企業も増えつつあります。
自分でやりたいことをイキイキとやりながら、明るい未来を創造し、世の中のためとか周りを幸せにしたいとか、純粋にそういったこと前向きに志している人たちにきて欲しいですね。
是非いろんな町に行っていろんな人に会ってもらいたいですね。
なぜかというと、人によって合う町って異なると思います。
その人の感性的に、遺伝子的に求めている町や、刺激を受ける人に出会うことが大事だと思います。
この人がいるところで一緒に事業をやっていきたいとか、この人達と一緒に暮らしたいとか、そういった人達に出会えたら、そこで事業をやるのが僕は一番いいと思っています。
何でそんなことを言うかというと、楽しいか楽しくないかの度合いで人間の幸福度は大きく変わってくるからです。
その人にとって一番幸せな所で好きな人たちと事業をするのが一番だと思っています。
富山県も朝日町も沢山魅力があるのでよかったら是非遊びに来て下さい。