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「SUSHI collection TOYAMA」スペシャルランチメニュー

2024年7月23日

~従来の握りだけではない富山の寿司文化から着想を得た独創的な提案~

会場(PC) 会場(SP)

①鯖のAUBE風かぶら寿し

「かぶらずし」は、塩漬けにしたかぶに切り込みを入れブリなどを挟み、糀を使いじっくり発酵させた、酸味と旨みのバランスが絶妙ななれずしの一種です。この富山の伝統食である「かぶらずし」をイメージして「鯖(サバ)のAUBE風かぶら寿し」を表現いただきました。氷見の鯖(サバ)の干物とえごまの実で作ったXO醤、生姜や葱、山椒油(さんしょうあぶら)のピュレを1口大に切った蕪で合わせました。

上に添えられている花は、マイクロペリーラ、アリッサムです。

 

②バイ貝のフィンガーフード

富山県民の方は、バイ貝のことを「バイ」と略して呼んでいらっしゃる方が多く、好きなスシネタアンケートではブリに次いで2位となるなど県民にとってとても馴染み深い食材で、お寿司屋さんではバイ貝の握りをはじめ、バイ貝を使った様々な一品料理もみかけます。

目黒シェフはこの食文化からインスピレーションを得て、バイ貝を細かく切って、火を入れた肝の絹ごしと木の芽のソースで味付け、山椒のスパイスを効かせてトーストにした自家製パンに盛り付け、木の芽のかたちに似せたチップを乗せることで「バイ」のフィンガーフードを仕立てました。

 

③フクラギの湯葉巻き

フクラギは、ブリの幼魚(ようぎょ)のことです。関東圏では「イナダ」と呼ばれています。

 「フクラギ」という名前は大漁で港がにぎわい「福が来る魚」と呼ばれたことが由来とされています。そのフクラギと、クレソン、みょうがの甘酢漬けをガリに見立て、翡翠茄子(ひすいなす)、スダチ果汁、青山椒油(あおさんしょうあぶら)や、少量のよだれ鶏のタレなどを、湯葉で包み込みました。お寿司屋さんのツマミとして出てくる、青魚の巻き寿司をイメージしたお料理です。

 

④白海老の殻のジュレドクリュスタッセ

富山の名産である白えびは、新湊漁港では「プール制」というルールで漁獲量をコントロールしています。「プール制」とは、白えび漁の解禁期間に、2班に分かれて1日おきに漁に出かけ、全体の水揚げ量を調整しながら、水揚げ金額をプールし、各船に均等に分配する仕組みです。この方法で過度な漁獲競争を抑え、資源を最優先に考え、持続的な漁業を目指しています。

大切な資源である白えびですが、みなさまが口にする時には殻が剥かれていることがほとんどです。剥かれたカラは富山の名物「白えびせんべい」などに活用されて、余すことなく楽しんで頂いておりますが、目黒シェフは、その殻に着目し、新たな活用のアイディアを示してくれました。ズワイガニの身にエシャロットと成政らっきょうを細かく刻んだものを合わせてオリーブオイルで味付けし、器の1番下に。その上に空豆の冷たいクリーム、一番上に、白えびの殻からとったスープをクラリフェしてジュレに仕立て、ハーブの花を飾りました。茶碗蒸しのような、コースのアクセントになる一皿です。

料理1_アミューズ4品

器:①、②、③:木工(Shimoo Design)/④:ガラス(富山ガラス工房) 

 

サクラマスのabysse風かぶら寿し

冬の郷土料理のかぶら寿しですが、他の季節でもかぶら寿しを食べていただけるよう大根を使った大根寿司を提供しているお店もあります。

定置網漁で水揚げされた天然のサクラマスを柵にして表面だけグリルをしてたたき、自家製塩麹と昆布出汁で作るスープにディルオイルと合わせたソースをかけます。アスパラガスやきゅうり、富山の伝統野菜である新川(にいかわ)だいこんのスライスや色とりどりのハーブを飾った目も美しいabysse流のかぶらずしです。

料理2_冷前菜(とやまガラス)

器:ガラス(富山ガラス工房)

 

⑥岩牡蠣の蒸し寿司

蒸し寿司とは、ぬくずしとも呼ばれる関西より西に伝わる温かいバラ寿司の事です。

関西に拠点を置く、東シェフならではの寿司の発想から生まれたお料理は、富山湾の岩牡蠣をサッと茹で氷水に落とし、鰤(ぶり)の豆板醤を裏面に塗り込みました。

富富富のシャリに角切りの新生姜の浅漬けを合わせる牡蠣、青葱の角切りを重ね笹の葉で包み、蒸した、暖かいお寿司です。蒸篭(せいろ)にクロモジを仕込むことで、蓋を空けた瞬間のクロモジの香りと共にお楽しみいただける一品です。

料理3_蒸し寿し_オープン(技のこわけと能作)

器:漆芸(アルベキ社)、ガラス(廣瀨 絵美) ※写真は漆芸(アルベキ社)

 

⑦ゲンゲのリゾット

ゲンゲは、富山県民にとっては一般的な食材ですが、他県の方からすると、なかなか口にしない食材だと思います。富山湾には、海岸から水深1000メートル付近まで急激に落ち込む海底谷(かいていこく)があります。300メートルを超えると、水温0度に近い日本海固有水の海洋深層水があり、そこには多様な生物が存在しています。ゲンゲは、体長20センチほどで細長く、身は白く透明感があります。全身がヌルヌルとした分厚いゼラチン質で覆われおり、大きなおたまじゃくしのような印象です。身は適度な脂がのっており、漁村では昔から味噌汁の具や吸い物の種として使われていました。

そのゲンゲの新しい食べ方の提案として、目黒シェフは米と合わせリゾットに仕立てました。

「富富富」でリゾットを作り、一度冷蔵庫でしめてから、表面を香ばしくソテーにして焼きリゾットに。ゲンゲも同じくソテーにし、ミズや根曲り竹などの山菜、成政らっきょうを添え、富山ニンニクと松の実のソースで仕上げました。

料理4_ゲンゲのリゾット(GAKU Ceramic)

器:陶芸(GAKU ceramics)

 

⑧放牧牛の焼きしゃぶとホタルイカの熟鮓

昨今、寿司のカタチも多様性で、賛否はありますが「肉寿司」なる魚介を使わない寿司も登場しております。グローバルに考えるとシャリに魚介を乗せるものだけが寿司という考え方も固定観念に囚われているかもしれません。富山県の世界的にも稀な地形が育む恵み、山も、大地も、川も、そしてもちろん海の食材も「すし」でまるごと味わい、堪能する食体験。それが「SUSHI collection TOYAMA」です。

今回使用する放牧牛は、出産という役目を終えた経産牛を、立山の素晴らしい自然環境の中で放牧し育てられました。その立山放牧牛に焼き目をつけてしゃぶしゃぶにし、稲積梅(いなづみうめ)のソースで炒め、麹で発酵させたホタルイカの熟鮓(なれずし)のピュレと花椒油(ホアジャオユ)と花椒粉(ホワジャオフェン)を添えました。となりには、富富富のシャリに木の芽、上にシブレットの花、ソルトウォートを添えた、新川胡瓜(きゅうり)の押し寿司をお供に。

しゃぶしゃぶは一口サイズになっておりますので、まずは一口そのまま食べていただき、ふたきれ目は、胡瓜の押し寿司に巻いて、肉寿司としてお召し上がりいただけます。

料理5_立山放牧牛の焼しゃぶとホタルイカなれずしと押し寿司(能作)

器:金工(能作)

 

⑨富富富のリオレ

「岩牡蠣の蒸し寿司」や「ゲンゲのリゾット」でも登場した富富富は、富山県のブランド米です。富富富はおいしさの持続性が高く、災害に強いお米として、生産者にも寄り添った強い品種のお米です。昨今の自然災害の影響で、他の品種のお米がのきなみダメージを受けている中、特に猛暑に強く、近年の猛暑でも美味しく収穫量も安定しているお米です。今後の未来を見据え、シェフ達が積極的に活用しました。リオレは、お米を使ったフランスのデザートです。

シャリぐらいのリオレを盛って上にイチジクのスライス、その上に煎茶のシート、仕上げに地元の酒、「満寿泉」の貴醸酒を使ったサバイヨンソースをかけました。米を使い、最後にも寿司をイメージしたデザートで締めくくりました。

料理6_富富富のリオレ(HiHillお猪口_ガラス)

器:金工・ガラス(HiHill高岡市デザイン・工芸センター×富山ガラス工房)

※写真はガラス(富山ガラス工房)