ウマヅラハギ標識放流調査の実施について
発表日 2025年1月16日(木曜日)
水産研究所では、令和3年度からウマヅラハギの回遊生態等に関する調査研究に取り組んでおり、富山湾に来遊するウマヅラハギの回遊範囲や遊泳行動を明らかにするため、本年度2回目の標識放流調査を実施します。
目的
水温低下期におけるウマヅラハギの回遊範囲を把握するとともに、遊泳深度や水温などの知見を得ることを目指しています。
調査日時
令和7年1月20日(月曜日)
- 取材対応(水産研究所):8時30分~
- 標識魚の搬出作業(水産研究所):9時00分~
- 沿岸漁業調査船「はやつき」の出港(滑川漁港):9時30分~
(※)上記の時刻は作業等の進捗状況により、多少前後することがあります。
(※)荒天の場合は調査を延期することがありますので、当研究所にお問い合わせください。
放流場所・放流方法
朝日町沖合において、調査船「はやつき」の船上から標識魚を放流します。
(※)調査船に乗船しての取材はできません。
(※)海況により、放流場所を変更する可能性があります。
標識魚の放流尾数
遊泳深度と水温を記録する電子タグを装着したウマヅラハギを14尾放流する予定です。
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これまでの標識放流調査から得られた知見
- 令和4年1~2月に魚津市沖で標識放流した30個体のうち、同年7月までに16個体が富山湾内の定置網で再捕され、1個体が中越沖(新潟県寺泊沖)の刺し網で再捕されました。
- 標識魚の多くは放流後1か月以内に富山湾中西部で再捕されましたが、5月に新潟県中越沖で1個体、7月に新潟県境で1個体が再捕されたことから、ウマヅラハギは冬季に水温が低下すると、富山湾に南下(避寒)回遊し、春季になり水温が上昇すると北上回遊していると考えられます。
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- 令和4年5月2日に氷見市沖で再捕された個体は、電子タグに記録された水温が9.5~11.0℃であった2月中旬から4月中旬にかけては深度100m前後で滞留したことから、水温が11℃を下回ると深場で越冬していると考えられます。
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富山県におけるウマヅラハギ漁獲量等
- 富山県におけるウマヅラハギ盛漁期は冬季で、主に定置網で漁獲されます。
- 富山県におけるウマヅラハギの過去10年間(2015~2024年)の平均年間漁獲量は340トンですが、2022年は253トン、2023年は95トン、2024年は75トンと、近年は不漁傾向にあります。
- ウマヅラハギは、魚津漁業協同組合において「魚津寒ハギ 如月王」としてブランド化されています。
- ウマヅラハギの肉質はクセがなく触感はぷりぷりと歯ごたえがあるとともに、肝には濃厚な旨味があります。
お問い合わせ先
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農林水産部 農林水産総合技術センター水産研究所 |
076-475-0036 |
瀬戸、小善 |