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更新日:2024年2月8日

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富山県美術館-TAD Press ReleaseToyama Prefectural Museum of Art and Design

富山県美術館―デザイン・コレクション展第4期について

発表日 2024年2月8日(木曜日)

富山県美術館では、2024年2月8日(木曜日)から4月23日(火曜日)まで、3階の展示室5と展示室6において「デザイン・コレクション展 第4期」等を開催しておりますので、ご案内いたします。

概要

会期:2024年2月8日(木曜日)~4月23日(火曜日)まで

場所:富山県美術館3階 展示室5、6

  • 展示室5:デザイン・コレクション
  • 展示室6:瀧口修造コレクション
  • 展示室6:シモン・ゴールドベルク&山根美代子コレクション

休館日:毎週水曜日(3月20日は開館)、2月13日(火曜日)、3月21日(木曜日)

展示内容と見どころ

展示室5 デザインコレクション

「IPT2024がやってくる!Part2 1980年代の世界ポスタートリエンナーレトヤマ

「IPT」の略称で世界に知られる「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」。このポスター展は、当館の前身である富山県立近代美術館で1985年から始まり、現在にいたるまで3年に一度開催している、日本で唯一の世界公募のポスター展です。今回の展示では、第1回(IPT1985)と第2回(IPT1988)の入選作品などを中心に紹介します。

「なぜ富山でポスターの公募展を?」と思う方は多いと思います。近代美術館では、1981年の開館当初から、絵画や彫刻などと同様に時代を映す表現の一つとしてデザインの領域を位置づけてきました。企画展のポスターを一貫してデザイナーの永井一正が手掛けることも、地方の公立館としてはユニークなことでした。近代美術館開館の頃から、同時代のグラフィックデザインなどの展覧会を開催していく中で、第一線のデザイナーであった亀倉雄策、田中一光、福田繁雄などとの縁が結ばれていきます。当時は、ワルシャワなど海外の公募展において日本のポスターデザインへの評価が高まっていた時期でした。次は日本でポスターの国際公募を、そして富山でと、日本の巨匠デザイナーたちの後押しもあり、IPTは始まりました。2017年に富山県美術館として移転開館後も、IPTの開催を継続しています。

今回の展示では、約40年前の入選作品などからのポスターとともに、IPT2024の自主制作テーマ「Think ( )」のもとIPT2024の実行委員や審査員を務める第一線のデザイナーが制作した新作ポスターも紹介いたします。展示室を巡りながら、今秋の開催予定のIPT2024の展覧会への期待も高めていただきたいと思います。

展示室6 瀧口修造コレクション

「瀧口修造の修技と造形

富山県出身の詩人、美術評論家として知られる瀧口修造(1903-1979)は、造形作家としても知られています。

瀧口は、1958年にヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表・審査員として渡欧し、ヴェネツィアでの公務のあと約4か月にわたりパリを中心に欧州各国を巡り、サルバドール・ダリやアンドレ・ブルトン、アンリ・ミショーらを訪ね、面会を果たしました。帰国後は、次第に「ジャーナリスティックな評論を書くことに障害を覚え始め」、美術評論と距離をおき、執筆は友人らに宛てた詩や文章が多くを占めるようになります。そして、その頃から創作に力を注ぎ制作に没頭し、やがて評論家としては異例となる個展を開き作品を発表していきます。1960年、南天子画廊で開催された個展のリーフレットには、「数ヵ月前に一冊のスケッチ・ブックを買ってきたのが始まりでした。私は万年筆で線をひきました。そして原稿用紙の文字ではない何ものかをそこに求めました。それは、書いているのか、描いているのかわかりません。その不分明のところが私には問題なのですが。」とあります。

瀧口は、戦前から造形活動を実践していましたが、それは瀧口のあらゆる活動の根底にある「実験精神」からくるものと思われます。そして、それらの多くは自身の文章や翻訳で紹介した作家たちが生み出し提唱した技法を、自らも体験し創作するという形で行われました。

シュルレアリスムの代表的な技法のひとつで、オスカル・ドミンゲスにより提唱された転写法の「デカルコマニー」。マルセル・デュシャンの《回転ガラス板》や《ロトレリーフ》に触発され、それを応用した「ロトデッサン」。ジャン・フォートリエやジョルジュ・マチューらアンフォルメル作家たちのドローイングを想起させる水彩画。そしてとりわけ、1958年に瀧口が渡欧した際に訪ねたアンリ・ミショーの、文字や記号にも絵にも見える「ムーヴマン」や無意識に線を走らせたドローイングを実践、応用したような作品などを短期間に多数制作しています。

このたびの展示では、瀧口の造形に注目して、書くだけの評論家ではなく、実践者、実験者としての一面を感じていただければ幸いです。

展示室6 シモン・ゴールドベルク&山根美代子コレクション

テーマ:「ソリストとしてのシモン・ゴールドベルクとピアニスト(2) 山根美代子

20世紀を代表するヴァイオリニストで指揮者であったシモン・ゴールドベルク(1909ー1993)がソリストとして演奏するときに共演したピアニストに焦点を当て、二人の演奏活動の様子を示す資料を二期に渡ってご紹介します。

シリーズ第1回のラドゥ・ルプーに続き、今回、シリーズ第2回として、ピアニストであり、ゴールドベルクの晩年を共に過ごした夫人の山根美代子(1939ー2006)を取り上げます。14歳のとき、当時最年少の日本人留学生としてパリ国立高等音楽院に学んだ彼女は、その後渡米し、アメリカ、ヨーロッパ、そして1977年に帰国してからは日本で、精力的に演奏活動を展開します。

1988年にゴールドベルクと結婚、二人は92年に日本に居を移し、93年にゴールドベルクが亡くなるまで立山山麓にある立山国際ホテルに滞在します。夫人はその後も富山に留まり、2006年、自身が音楽監督を務めた「こしのくに音楽祭」の開催中に急逝しました。

芸術に囲まれた在りし日の二人の姿を想像しつつ、生涯を通して音楽に熱意を傾けた夫妻の活動の軌跡をたどってみてください。

観覧料

コレクション展:一般300円(240円) ( )内は20名以上の団体料金

【次の方はコレクション展の観覧無料】

  • 小・中・高校生と大学生、70歳以上の方
  • 学校教育、社会教育活動としての児童・生徒の引率者
    (観覧料免除申請書の提出が必要)
  • 各種手帳をお持ちの障がい者の方
    (手帳所有の方1名につき付き添い1名まで無料)

(※)詳しくは、富山県美術館ご利用案内(外部サイトへリンク)をご覧ください。

コレクション展について

富山県美術館のコレクション展では、前身の富山県立近代美術館から現在までの収蔵作品を展示しています。年4回程度さまざまなテーマによる展示替えを行い、多彩なコレクションを紹介。当館2階の展示室1では絵画・彫刻を中心とし、3階の展示室5と展示室6ではポスターや椅子、富山県ゆかりの瀧口修造やシモン・ゴールドベルクのコレクションを展示しています。

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

生活環境文化部 富山県美術館

076-431-2711

【広報について】川浦【本企画について】稲塚、八木、江尻

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