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更新日:2024年7月18日
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Toyama Prefectural Museum of Art and Design
発表日 2024年7月18日(木曜日)
富山県美術館では、2024年7月18日(木曜日)から11月4日(月曜日・振替休日)まで、3階の展示室5と展示室6において「デザイン・コレクション展 第2期」等を開催しておりますので、ご案内いたします。
会期:2024年7月18日(木曜日)~11月4日(月曜日・振替休日)まで
場所:富山県美術館3階 展示室5、6
休館日:毎週水曜日(8月14日は開館)、9月17日、9月24日、10月15日
身の回りのモノとポスター
今期は、当館企画展「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」(会期:2024年7月13日~9月23日)に寄せて、「衣・食・住」に関連する、私たちの身近に在る、あるいは、かつて在ったモノを取り上げたポスターを中心にご紹介します。
器や道具、お菓子や飲料、化粧品、着物、靴、家具、等々。商品の広告のようにこれらのモノ自体が主役として登場しているポスターもあれば、背景を彩る脇役的存在として用いられているポスターもあります。大橋正《明治ミルクチョコレート》では、レトロな外観の路面電車の側面が、板チョコに見立てられています。誰もが目にしたことのあるチョコレート色の地に金文字のパッケージは、明治時代に走っていた木造の電車を彷彿とさせ、文明開化のかほり(チョコレートの香り?)を漂わせています。浅葉克己《おいしい生活》では、背景に登場する家具調度が、日本の暮らしや文化を象徴的に表す装置として機能しています。鑑賞者は、ポスターの前に立つと、変わりゆく時代の流れを感じつつ、未来へと継承したい日本らしさや伝統といったものについて、漠然としたイメージを共有することでしょう。
身の回りにあるなじみ深い品々が、モティーフとしてどのようにポスターに登場しているのか。アーティストの眼とアイディアを通して解釈されたモノたちの姿を、お楽しみください。
「瀧口修造 夢の漂流物」
瀧口修造(1903-1979)は、現在の富山市に生まれ、1921年、18歳になる直前に上京したのち、当時最新の芸術思潮であったシュルレアリスム(超現実主義)に出会い、その影響を受け、詩作の実験を試みるとともに、優れた詩論や美術論を次々と執筆し、日本におけるシュルレアリスムの論理的支柱となった人物として知られています。また戦後は、この思潮のなかから独自の視座を生み出し、若き芸術家たちに囲まれながら、新たな時代の美術を標榜する気鋭の美術評論家として活躍するとともに、自ら制作を手掛けた作家でもありました。
瀧口修造の書斎には、交流のあったアーティストから贈られた作品やオブジェ、自身が見つけたお気に入りのものなど、入手経路も内容もさまざまな品々が集まりました。今回は、「瀧口修造 夢の漂流物」と題し、国内外の作家たちの作品や無名のオブジェなど、これらのコレクションのダイジェスト版を第1期に引きつづき、展示作品を入れ替え紹介します。
ゴールドベルクとアスペン
アスペン音楽祭とフェスティヴァル・クァルテット
ポーランドに生まれ、2度の大戦を体験し、富山で亡くなるまで激動の20世紀を生きたヴァイオリニストにして指揮者のシモン・ゴールドベルク(1909-1993)。戦後しばらくしてアメリカ国籍を取得したゴールドベルクと、彼が1960年代までほぼ毎年夏のひとときを過ごしたロッキー山脈山間の都市アスペンの関わりをご紹介します。
1949年、学者、芸術家、音楽家といった異なる分野のリーダーたちが集い、共に考え学ぶ「場」として、また、次世代のリーダーを養成する理想の「場」として、コロラド州のアスペン市に人文科学研究所が設立されました。翌年には、世界を牽引する音楽家たちが集う音楽祭が創設され、毎年夏に開催されるようになります。ゴールドベルクも、1951年より約15年間、このアスペン音楽祭にリーダーの一人として加わり、音楽を志す若者を指導してきました。
1951年、ゴールドベルクは、アスペンに集った演奏家のウィリアム・プリムローズ(ヴィオラ)、ニコライ・グラウダン(チェロ)、ヴィクター・バビン(ピアノ)とピアノ四重奏団を結成します。音楽祭にちなみ、「フェスティヴァル・クァルテット」と名付けられたこの四重奏団は、4人の演奏日程を調整し、音楽祭後も各地に演奏旅行に出かけました。互いに補い合い、尊重し合っていた個性豊かな友人4人からなるクァルテットは、1964年、グラウダンが急逝すると、新たなメンバーを迎えて活動を続けることなど論外として、その活動に終止符を打つことになります。
ゴールドベルク夫妻が遺した美術作品を眺めつつ、アスペンで過ごす音楽家たちの、音にあふれた夏の日々に思いを寄せてみてください。
コレクション展:一般300円(240円) ( )内は20名以上の団体料金
【次の方はコレクション展の観覧無料】
(※)詳しくは、富山県美術館ご利用案内(外部サイトへリンク)をご覧ください。
富山県美術館のコレクション展では、前身の富山県立近代美術館から現在までの収蔵作品を展示しています。年4回程度さまざまなテーマによる展示替えを行い、多彩なコレクションを紹介。当館2階の展示室1では絵画・彫刻を中心とし、3階の展示室5と展示室6ではポスターや椅子、富山県ゆかりの瀧口修造やシモン・ゴールドベルクのコレクションを展示しています。
部局・担当名 |
電話番号 |
担当者 |
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生活環境文化部 富山県美術館 |
076-431-2711 |
【広報について】川浦【本企画について】麻生、遠藤、江尻 |