更新日:2024年11月26日
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本日の定例県議会に提出しました案件の説明に先立ちまして、ひとこと申しあげます。
去る10月27日、衆議院議員総選挙が行われました。この選挙におきまして、県民の衆望を担ってめでたく当選されました国会議員各位に、心からお祝いを申しあげます。今後のご活躍を期待申しあげますとともに、県政につきましても積極的なご尽力を賜りたいと存じます。
また、同日に執行されました県議会議員補欠選挙におきまして、当選されました横田誠二議員には、あらためて、心から当選のお祝いを申しあげます。
つぎに、当面の諸問題について申しあげます。
まず、令和6年能登半島地震からの復旧・復興につきましては、県ではこれまで、復旧・復興ロードマップに基づき、住宅の復旧や被災者の生活支援、中小企業等の生業支援、公共土木施設や農林水産業施設等の速やかな復旧、北陸全体の復興などに、スピード感を持って対応してきました。特に被害の大きい液状化対策については、住宅や地盤の復旧など被災市と連携しながら進めてきており、先月からは支援制度に関する個別相談会を実施するなど、被災された方々の生活再建を後押ししています。一方で、今もなお、県民生活や事業活動に影響が生じていることから、ロードマップの点検・見直しを図りつつ、引き続き、市町村等とも連携し、被災者に寄り添った支援に努めてまいります。
また、今回の地震を教訓とし、防災体制の充実・強化を図るため、9月に実施した総合防災訓練においては、ドローンなど新たな手段による物資輸送訓練や住民参加の津波避難訓練を実施したほか、一昨日の原子力防災訓練では、自宅が全壊した場合を想定した一時集合場所における屋内退避訓練や地震等の複合災害を想定した広域避難訓練を実施したところです。来月には、災害対応検証会議における議論をふまえ検証報告書を取りまとめる予定であり、引き続き、早期の復旧・復興とともに、さらなる地域防災力の強化に、市町村等と連携し、取り組んでまいります。
次に、本県経済につきましては、生産は持ち直しの動きが一服していますが、個人消費は底堅い動きとなっています。また、雇用情勢は、有効求人倍率が1.36倍となるなど、景気は一部に弱い動きがみられるものの、底堅い動きとなっています。一方で、物価上昇や金融資本市場の変動等による下振れリスクに注意する必要があるほか、引き続き地震の県内経済に与える影響に留意する必要があります。
こうしたなか、国においては、今月22日に、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保を柱とする「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を閣議決定し、その内容を盛り込んだ補正予算の年内成立を目指すこととされています。
県としては、こうした状況をふまえ、昨日、石破茂内閣総理大臣に対して、所得税の基礎控除額引上げ等に関する地方財政への影響に対する十分な配慮、政府関係機関等や企業の本社機能等の地方移転をはじめとする新たな地方創生施策の展開、国土強靱化と地方創生のための社会資本の整備促進、能登半島地震等からの復旧・復興及び災害に備えた取組の推進について要望を行ったところです。引き続き、国の動向を注視するとともに、県内にも早期に経済対策の効果を波及させるため、積極的な活用を図ってまいります。
本県の成長戦略につきましては、先般、県内外から各分野の先駆的な事業者や専門家などを招き、「つながり、うごかす、ウェルビーイングの実験場」をテーマとしたカンファレンスを開催しました。引き続き、「幸せ人口1000万 ウェルビーイング先進地域、富山」の実現に向け、新たな施策の創出につなげてまいります。
人口減少やそこから生じる課題への対応につきましては、「人口未来構想」の策定に向けて部局横断的に議論を進めているほか、先月には、成長戦略会議において、「人口未来戦略」提言が取りまとめられました。県としては、提言をふまえ、関係人口・交流人口の拡大に向けた施策を検討してまいります。
こども・子育て施策の推進につきましては、こどもの権利に関する条例(仮称)の制定に向け、これまで2回有識者会議を開催し、考え方や素案について議論いただいたところです。今後、こどもをはじめ、市町村や関係機関等から幅広くご意見をお聴きし、今年度中の策定に向けて取り組んでまいります。また、新川こども施設については、去る9月にPFI事業者を選定したところであり、今後、基本設計等を行い、令和9年8月の開館に向けて着実に整備を進めてまいります。
教育の振興につきましては、魅力と活力ある県立高校の実現に向け、去る20日に総合教育会議を開催し、令和20年度までに実現を目指す県立高校の姿について議論したところです。引き続き、地域の様々なご意見をお聴きしながら、丁寧に進めてまいります。また、夜間中学については、8月に公表したニーズ調査の結果や協議会でのご意見をふまえ、県立での設置に向け、検討を行ってまいります。
観光の振興につきましては、現在、北陸三県およびJR等が連携した北陸デスティネーションキャンペーンが実施されており、今月、氷見市で開催した北陸三県の食をテーマにしたイベントには、県内外から多くの方々に参加いただきました。また、イギリス・ロンドンにおいて、伝統文化の体験会や展示、観光PRを実施し、本県の自然や文化、食などについて高い評価を得たところであり、この成果を欧米豪からの誘客促進に繋げてまいります。
スポーツの振興につきましては、今月3日に富山マラソンを開催したところ、国内外から1万4600人余の参加をいただき、震災からの復興を願うランナー、ボランティア、協力企業等の方々が一体となった素晴らしい大会となりました。また、富山県武道館については、基本設計を取りまとめ、今後、速やかに実施設計等に着手することとしており、令和9年度中の開館を目指して着実に整備を進めてまいります。北陸新幹線につきましては、去る14日に、関西広域連合等の関西四団体による建設促進大会に北陸新幹線建設促進同盟会も初めて参加し、総決起大会として開催しました。また、北陸新幹線建設促進同盟会等の五団体合同で、敦賀以西の着工に向け、政府・与党に対して要請を行ったところです。今後とも、一日も早い大阪までの全線開業に向け、沿線自治体や経済界などと連携し、国会議員や県議会議員の皆様のお力添えもいただきながら、政府等に対し強力に働きかけてまいります。
国際経済交流の促進につきましては、来月、私を団長とする経済訪問団が、経済成長が著しいインドを訪問し、現地企業や教育機関、政府機関等との交流や本県の観光PRを行うなど、本県産業のビジネス機会の拡大等を図ってまいります。
スタートアップ支援につきましては、先月、若者によるビジネスプランの発表会や高校生によるブース販売を行う「ワカモノ・サミット」を開催したところであり、引き続き、新たなビジネスの創出に向け取り組んでまいります。
高岡テクノドームにつきましては、県議会でのご議論や関係者のご意見もふまえ、産業展示等を重視する方向で整備することとしたところであり、令和10年度中の開館を目指し準備を進めてまいります。
農業の振興につきましては、高温耐性品種の生産拡大と品質向上対策に、生産農家や関係機関等と連携して取り組んだ結果、1等米比率は、9月30日現在で91.1パーセントと昨年度から大幅に改善しました。また、先月の日本橋とやま館を皮切りに大阪、名古屋でも新米フェアを開催しており、富富富をはじめ富山米のさらなる消費拡大に取り組んでまいります。
ブランディングの推進につきましては、「寿司といえば、富山」のブランド確立に向け、全国各地を代表するご当地回転寿司店が一堂に会し、地域色豊かな寿司を提供するイベントの開催を支援するとともに、「とやま県民家庭の日」に合わせたキャンペーンを展開しました。今後、ロゴマークを活用しPRを強化するなど、さらなる認知度向上に向け、取り組んでまいります。
近隣県との広域連携につきましては、今月12日に黒部市で北陸三県知事懇談会を開催し、防災人材の育成や地域防災力の向上、脱炭素に向けた取組みなどについて合意しました。引き続き、具体的な連携策を進め、三県の更なる発展につなげてまいります。
つぎに、令和7年度予算編成方針について申しあげます。
本県財政につきましては、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加や高い水準で推移する公債費に加え、エネルギー価格・物価高騰の影響のほか、震災からの復旧・復興も道半ばであり、厳しく予断を許さない状況にあります。一方で人口減少への対応をはじめ様々な課題にスピード感をもって対応していくことが必要です。
このため、限られた人的・財政的資源を効果的に活用することを基本的な考え方とし、既存事業の抜本的見直し・再構築の徹底をより一層進めるとともに、優先度を意識した重点分野へのメリハリある配分を進め、これらを両輪とした一層の選択と集中により、改革を前進させるとともに、持続可能で未来への希望をもてる県政運営を推進できるよう予算を編成してまいります。
まず、能登半島地震からの早期の復旧・復興に引き続き最優先で取り組みます。また、人口未来構想本部での議論や「人口未来戦略」提言をふまえ、人口減少対策と適応策、関係人口の創出・拡大に向けた事業に重点的に予算を配分します。さらに、「未来に向けた人づくり」と「新しい社会経済システム」の構築に向け、こどもまんなか社会の実現のための子育て支援や教育改革をはじめ、新産業戦略やDX・GXの推進など、斬新で効果的な事業に対し、優先的に予算を配分することとしています。加えて、引き続き、すべての部門においてウェルビーイング向上効果等を勘案して施策を検討してまいります。
厳しい財政状況ではありますが、新しい富山の未来を実現するための予算となるよう努めてまいります。
つぎに、今回提出しました案件について申しあげます。
議案第131号から第136号までは、一般会計、特別会計および企業会計の補正予算です。
補正予算の規模は、一般会計8億1,970万円となっています。
以下、補正予算の概要について申しあげます。
能登半島地震に係る復旧・復興ロードマップへの対応につきましては、地震により被害を受けた農林水産業施設の復旧に対し、関係市と連携して支援します。また、能登半島地震の教訓を活かし、県民の防災意識の向上と知識の習得を促進するため、四季防災館のリニューアルに向け基本設計に着手します。
新たな総合計画につきましては、令和7年中の策定に向けて、有識者による審議会や関係団体との意見交換会を開催し、検討を進めてまいります。
未来への投資・地域経済の活性化につきましては、現在、実施設計を進めている富山児童相談所等について、令和8年度末頃の完成を目指して着実に整備を進めます。また、県立大学情報工学部の研究機材の整備を進めるほか、とやま農業未来カレッジにおいて、令和7年4月からの園芸経営実践コースの開講に向け環境整備を行うなど、人材の育成を図ってまいります。
医療・介護の充実につきましては、認知症施策推進計画の策定に向け検討を開始するほか、介護ロボットやICT機器の導入等に対する支援を増額し、介護現場における負担軽減を進めてまいります。
国際交流の推進につきましては、国内外の本県ゆかりの皆さんが集う「富山県人会世界大会」の令和7年秋頃の開催に向け、実施計画の策定など準備を進めます。
このほか、冬期に損傷した道路の補修や農業農村整備等の工事に早期に着手するため、県単独建設事業等に関する債務負担行為を設定し、年度間の切れ目のない発注と計画的な執行に努めてまいります。
以上が補正予算の概要となります。
つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県新川こども施設条例」など2件を、改正するものとして、「富山県手数料条例の一部を改正する条例」など6件を提案しています。
条例以外の議案としましては、工事請負契約の締結に関するものなど18件を提案しています。報告案件につきましては、地方自治法第179条および同法第180条の規定による専決処分について報告しています。
以上をもちまして、今回提出しました諸案件の説明といたします。
なにとぞ、慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。
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