室牧ダムの概要

室牧ダムの概要

一級河川神通川支流である井田川（大長谷川、室牧川含む）は県中央部に位置し、その源を岐阜県楢峠に発し、富山市八尾町近郊で野積川、別荘川、久婦須川の諸支川と合流、婦負の穀倉地帯を流下し、さらに山田川と合流して神通川に流れる、流路延長44.9km、流域面積435.8k平方メートルの河川です。
井田川流域は、ひとたび氾濫すれば富山市八尾町、婦中町の5,600haに被害をもたらし、また、渇水となると流域農地3,000haの大半が恒常的な水不足となっていました。

このため、富山県は井田川総合開発計画の一環として室牧ダムを計画し、洪水調節・既得取水の安定化・発電を目的とした多目的ダムを築造することとなり、昭和33年から4年の歳月をかけて完成しました。

この計画では、井田川本川のほか、隣接河川である百瀬川からも水を取り入れ、本川水量と合わせて発電や渇水補給に有効利用し、百瀬川から取水した分は再び山田川へ戻しています。

室牧ダムは、昭和36年に竣工して以来、洪水や渇水に対して効果を発揮し、流域の人々の生活を守っています。

諸元

ダム諸元

位置（右岸） （左岸）	富山県富山市八尾町蒲谷 富山県富山市八尾町小谷北原
竣工年	昭和36年10月
調査・建設期間	（調査）昭和27年～32年 （建設）昭和33年～36年
目的	洪水調節、既得取水の安定化、発電
総事業費	1,380,000千円
型式	ドーム型アーチ式コンクリートダム
堤高	80.5m
堤頂長	153.1m
堤頂巾	4.0m
堤体積	54,500立方メートル
ダムサイト地質	安山岩

放流設備

コンジットゲート	ローラーゲート　2.88m×4.11m×2門
クレストゲート	ローラーゲート　4.60m×12.0m×2門
コースターゲート	ローラーゲート　3.67m×3.81m×2門

貯水池諸元

集水面積	直接　85.2k平方メートル 間接　43.1k平方メートル　128.3k平方メートル
湛水面積	0.71k平方メートル
総貯水容量	17,000,000立方メートル
有効貯水容量	13,500,000立方メートル
堆砂容量	3,500,000立方メートル

洪水調節

洪水調節容量	6,000,000立方メートル
治水安全度	40分の1
氾濫防止面積	5,570ha

既得取水の安定化

容量	6,000,000立方メートル
かんがい面積	2,100ha（富山市八尾町・婦中町）

発電

発電容量	13,500,000立方メートル
発電所名	室牧発電所（県企業局）
発電方式	ダム水路式

貯水池容量配分図