安全・安心情報
更新日:2025年3月19日
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近年、全国各地で線状降水帯等による集中豪雨が多く発生しています。富山県においても例外ではなく、1時間に50㎜
以上の豪雨の回数がここ20年で1.4回/年(H6~H15)から3.1回/年(H16~R5)と2倍以上に増加しています。
田んぼダムとは、田んぼがもともと持っている水を貯める機能を有効活用し、大雨が降った際、一時的に田んぼに雨水を貯めることで、 排水路やその下流にある河川の水位が急に上がるのを抑える取組です。排水口に田んぼダム専用堰板を設置する方式の場合、ピーク時の流量が約70%カットされるという試算もあります。
大規模な施設を造成する必要なく、比較的安価なうえ、すぐに効果を発揮できることが特徴です。
これまでの治水対策は、河川工事やダムを建設したりすることで、河川に集まる雨水を安全に下流に流すという考えのもとに行われてきました。
しかし、近年は集中豪雨による災害が頻発化・激甚化していることから、従来の河川整備中心の治水対策を見直し、河川流域のあらゆる関係者が協働で水害に挑む「流域治水」の考え方を治水対策に取り入れてきています。
こうしたなかで、流域に広がる田んぼの雨水貯留機能に注目した「田んぼダム」の取組が全国的に広がってきています。
雨水を田んぼに貯めるといっても、河川や排水路から水を引き入れるものではありません。田んぼの排水口を完全に閉じるのではなく、大雨時に排水口の流量を抑えることによって、雨水の量より排水される水の量を小さくし、その差分を田んぼに貯めて少しずつ流していきます。こうすることで一気に排水路や、河川に水が流れ込むのを抑えることができます。
県では、R3年度から県営農地整備事業において機能分離型の「田んぼダム対応型排水桝」を設置しています。
富山県では、手間が少なく、通常の雨では貯留せず、中干し期や稲刈り期などの時期に設置していても、営農への影響を小さくすることができる「機能分離型」を推奨しています。
富山県では、「田んぼダム」の取組面積拡大に向けた関係者への理解促進と普及推進のため、チラシを作成しました。
各種イベントでは、県民の方々に田んぼダムについて理解していただくために、「田んぼダム」のチラシの配布と「田んぼダム」のブース展示を行いました。
・「田んぼダム」で地域を水害から守ろう!!(チラシ)(PDF:886KB)
・「田んぼダム」の手引き~田んぼを活かし地域を守る~
令和7年2月18日(火)に「田んぼダム」キックオフ研修会を開催しました。研修会には、国、県、市町村及び土地改良区職員がオンラインによる聴講も含めて約100名参加しました。
研修会では、新潟大学農学部 農業水利研究室 教授 吉川 夏樹氏のほか、北陸農政局や山形県の方々を講師として、「田んぼダム」の取組みに必要な知識や技術等について説明や意見交換などを行い理解を深めました。
・田んぼダムのすゝめ(新潟大学農学部 )その1(PDF:6,678KB)
・田んぼダムのすゝめ(新潟大学農学部 )その2(PDF:3,323KB)
・田んぼダムのすゝめ(新潟大学農学部 )その3(PDF:3,301KB)
・山形県の田んぼダムの取組み(山形県)(PDF:7,146KB)
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