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更新日:2024年4月23日
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令和6年度版より電子データで発行することとなりました。
ニホンカモシカ保護の手引き(令和6年度版)(PDF:1,104KB)
以下の記載内容は「ニホンカモシカ保護の手引き」から作成したものです。
ニホンカモシカ(以下「カモシカ」と呼ぶ)は、昭和9年(1934)にその学術的価値が認められ、当時の「史蹟名勝天然記念物保存法」により天然記念物の指定を受けた。しかし、第2次世界大戦による社会の混乱と良質な肉と皮を目的とした密猟によって、昭和20年代にその分布域の縮小と生息頭数の減少がおこったとされている。このため密猟の取り締まりを強化する一方、昭和30年(1955)に現行の「文化財保護法」により特別天然記念物に昇格指定され、富山県においても昭和50年(1975)に県獣に指定され、カモシカ愛護思想の普及を図るなど大切に保護されてきた。これにより最近では、その個体数が増加し、分布域が拡大するなど山麓部周辺や平野部でもカモシカが見られるようになっている。また、山形県、長野県、岐阜県などでは、カモシカの増加によりその生息地に隣接するヒノキの造林地や農地で、カモシカによる食害が増えており、一部では大きな社会問題になっている。なお、本県の造林形態は、スギが主体であることから食害の報告は現在のところ極めて少ない状況にある。一方、カモシカが増え人目にふれることが多くなったことで、ケガや病気のカモシカ、幼獣のカモシカが保護される事例が多くなってきている。
分類 | ニホンカモシカは、偶蹄目ウシ科ヤギ亜科の動物である。本種は、北海道と中国地方を除いた本州、四国、九州に生息する日本固有の種である。 |
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形態 | 成獣は一般的に、頭胴長約130cm、尾長約10cm、体高約75cm、体重30~40kg。体色は黒褐色や灰褐色が多いが、灰白色や橙黄色のものまで様々である。雄雌ともに12~15cmくらいの角を有しているが、雄の角は比較的長く先が鋭い。雌の角は太目である。基部に輪があり、年令とともに増加する。輪の節は、毎冬に形成される。歯はウシ、ヤギ等と同じく32本で、上顎の門歯と犬歯を欠いている。眼下腺には組織学的に性差と個体差がみられ、分泌物は個体間のコミュニュケーションの役割があるとされる。また、乳房も4乳頭であることもウシと同じ。性比は1時01分。最高齢の記録は、飼育下のカモシカで推定33才である(立山博物館カモシカ園、クロ、雌、1992年死亡)。 |
習性 | 反芻性、草食の動物で、岩場や急傾斜の斜面のある森林に好んで生息している。低木の葉、芽、小枝、花、実、それにササや草木を食べる。主に早朝と夕方に採餌し、座り込んで休息しながら反芻していることが多い(衰弱していると間違えやすい)。人が山の中で仕事をしていると岩角など見晴らしのよい場所に何時間も立ち、じっと見ていることがある(動けなくなっているわけではない)。成獣の行動範囲は定まっており、定着性が強く、同じ場所でよく見られる。木の幹や枝にツノトギや眼下腺からの分泌物をこすりつけるといったマーキングをする。排泄物は、ロールベアリングを思わせるような長円形で一か所にフンを溜める習性がある(1回分のフンは、200~300粒以上のフン塊) |
繁殖 | 発情期は10~12月で、妊娠期間は約7か月、4~6月頃に1仔を産む。通常、単独で行動しており、仔は出生の翌年の春まで母親と行動をともにする。2.5~3才で性的に成熟する。 |
生息地 | 昭和48年(1973)、昭和52年(1977)の両年に環境庁が実施した調査では、本州では茨城、千葉、兵庫、中国地方を除く各県に、四国では徳島と高知に、九州では大分、熊本、宮崎等、全国で30都府県で生息が確認されている。全国的な傾向としては東日本、中部地方と紀伊半島に多く、西日本に少ない。本県では、神通川以東の森林帯と県西部の白山山系の山地に生息している。近年、神通川~庄川間の森林や小矢部南部丘陵にも分布が拡散してきた。生息数は、昭和40年(1965)頃から増加しており、低山帯への下降現象が著しい。 |
まず,あわてず,状況を確認する。
カモシカの状態 | 周囲の状況 | 対応 |
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ア 怪我や病気もなく自力で立っており、元気な場合 | a 人家密集地や車等の往来の激しいところに出現した場合 |
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b 畑などの農作物等があるところに出現した場合 |
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c 上記以外の場合(付近に自然があるところ、河川敷等) |
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d ダム、堰堤、用水等に落ちたりして動けなくなっている場合 |
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イ 近づいても座ったきりなど,怪我や病気を負っていると思われる場合 |
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ウ 死亡している場合 |
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エ 子供のカモシカの場合 |
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ア 手続きの仕方 | 市町村教育委員会及び市町村鳥獣行政担当課で対応する。
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イ 死亡個体の処理について |
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文化財行政担当→教育委員会の生涯学習課,社会教育課など
鳥獣保護行政担当→農林課,産業課など
文化財行政担当→生涯学習・文化財室 076(444)3456
鳥獣保護行政担当→自然保護課 076(444)3397
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