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更新日:2021年2月24日
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彫刻には、最も数の多い仏像や神像のほか、変わったところでは、狛犬や厨子・仮面なども含むみます。名の通った仏師が製作した仏像などは実に美しい造形を見せてくれます。しかし、仏像や神像の多くは、現在も寺院や神社の御本尊や御神体でありますので、拝観する場合にはその宗派のしきたりに従い、敬意をもって接するようにしなければなりません。また、秘仏や秘宝となっているものもあり、無理に拝観を強要しないことも、文化財そのものの持つ歴史的価値を尊重することになります。
制作時代の区分は政治史に準じますが、仏像の場合、代表的な年号をとって、飛鳥時代である670年頃からの仏像を白鳳仏、奈良時代のものを天平仏、平安時代初期のものを弘仁・貞観仏と呼んだりもします。平安時代後期の制作ならば藤原仏ともいいます。
仏像は題材として大きく分類して「如来」「菩薩」「明王」「天部」に分けることができます。
神社の御神体であることが多く、秘宝として長く秘蔵された場合は製作年代が古いものがあるのが特徴です。主に人の形をしている事が多く、男神、女神と呼ばれるものがあります。
主に高僧や始祖の姿を現したものです。寺院や集落に祀られていることが多いものです。
ちょっと変わったところでは神社の入り口に立つ狛犬があります。左右で阿吽(あうん)をあらわし、新しいものでは石造が多いのですが、古いものは木造のものがあります。
仮面類には、獅子舞の頭や芸能に用いる仮面があります。古い獅子頭は箱獅子と言って箱形の形状をしているのが特徴です。
外型(雌型)と中型(雄型)の隙間に溶かした金属を流し込んで製作する、鋳造によるものが大半です。大きいものでは奈良や鎌倉の大仏のようなものから、手のひらに乗るような小型のものまで様々なものが作られました。
粘土を用いて盛り上げたり削ったりしながら成形していくものです。比較的造形しやすいものですが、反面脆いという特性があります。小型のものは焼き上げるものもあります。
最終成形を漆を用いて仕上げる手法です。芯に何を用いるかによって下記のとおりやり方が異なりますが、総じて重量が軽く、細かい造形が可能です。
最も一般的で量的にも多いタイプです。材質は檜が多く、ほかに楠、カヤ、桂、桜、桐などもあります。最も単純なのは一つの木から切り出していく一木造りですが、次第に複数の材を組み合わせていく寄木造が多く見られるようになります。これによりより大きな像を作る事ができるうえ、内部を空洞にできるので重量も軽くする事が出来ます。
最高の悟りに達した仏です。髪の毛は螺髪(らほつ)という巻き貝風で、頭のてっぺんが肉髻といって、大きく盛り上がって表わされています。1枚の大衣を着て、飾りもつけません。多くの人を救うため、両手の指の間に水鳥のような膜があります。釈迦の出家後の身なりを基本としています。
常福寺に安置されている寄木造りの像で、鎌倉時代初期の作。
悟りをめざして、懸命な努力している仏です。また、多くの人々を救うことを目的としています。長い髪を束ねて、冠をかぶり、体にはネックレスやブレスレットなどの飾りをつけた、インドの貴族の姿をした仏像です。出家する前の王子時代の釈迦の姿を基本としたものです。
帝龍寺に安置されている寄木造りの像で、鎌倉時代後期の作。
明王は、どんな力にも打ち勝つ強い仏で、教えに従わない人々を導くために、如来から強い力を与えられた仏です。邪魔をするものを恐れさせる怖い顔と恐ろしい姿をしています。手には武器を持っています。
東薬寺に安置されている一木造りの像で、矜羯羅童子像(こんがらどうじぞう)、制迦童子像(せいたかどうじぞう)を伴う。不動明王の見本的な像で、鎌倉時代初期の作。
天とは、仏あるいは仏法を守ったり、福をもたらす仏で、元はインドの神様でした。その姿は貴人や武将に表されたりします。また、男女の区別があり、吉祥天や弁財天のように女性形に表されるのは、天の独特といえます。
馬瀬口の天満宮に安置されている寄木造りの像で、鎌倉時代の作。県内最古で最も美しい天部である。
二山射水神社の安置されているケヤキの一木造りの像。平安時代中期の作と考えられている。顔面には丸ノミ、身体には平ノミの痕跡が残る。これはナタ彫りと呼ばれるもので、関東地方に広く分布する技法である。
不動堂の正面が岩壁であり、その壁に浮掘りした3m程の不動明王坐像がある。不動明王の右には阿弥陀如来坐像、矜羯羅童子像(こんがらどうじぞう)、左には僧形坐像、制たか迦童子像(せいたかどうじぞう)が浮掘りされている。平安時代の作で、県内最古で最大で美しい石仏である。
芦峅寺の雄山神社境内の開山堂に安置されている坐像。立山を開き、後に慈興上人となった佐伯有頼の肖像といわれる。立山杉からなる6つの部材を組合わせた高さ90cm余りの寄木造りの像で、鎌倉時代の傑作である。
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