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更新日:2024年8月6日
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既存住宅は省エネ化が進んでおらず、国土交通省の推計では、平成30年(2018年)時点で既存住宅約5,000万戸のうち省エネ基準適合住宅は約1割とされています。(参考:第1回脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会資料)
また、平成30年住宅・土地統計調査によると、全国の約7割の住宅の窓が単板ガラスの窓のみとなっており、省エネ性能が不十分な住宅が多く存在していることを示しています。
人口減少や空き家が問題になってきている昨今では、住宅を新築するだけでなく、積極的に既存住宅を活用していく必要があり、今後省エネ改修の必要性がさらに増していくものと思われます。
既存住宅を省エネ改修する方法を3つ紹介します。
住宅全体を改修して省エネ化を図る方法です。壁、床、屋根や天井などに断熱材を設けたり、より断熱性能の高い窓に交換したり、高効率な機器を導入したりします。住宅全体を改修するので、高いレベルの省エネ性能を目指すことが可能です。しかし、その分コストがかかりますので、改修後に長く住みたい場合におすすめの方法です。住宅を新築するよりも空き家を取得して全体改修したほうが経済的な場合もあります。
居間、寝室、浴室、トイレなど、普段生活するエリアのみを区切って改修する方法です。富山県の住宅は全国と比較して一戸あたりの床面積が大きいのが特徴です。住宅全体を改修するのがコスト的に難しい場合は、ゾーン改修を検討してみてはいかがでしょうか。
窓だけを改修するなど、特定の部位のみを改修する方法です。比較的手軽にできますが、一部分のみの改修となりますので、全体改修やゾーン改修と比べると省エネ性能の向上は限定的です。しかし、後述のように窓の断熱改修をするだけでも効果があるので、あまりコストをかけたくない場合におすすめの方法です。
部位ごとの断熱改修についてご説明します。
予算に限りがある場合、まずは窓の断熱改修がおすすめです。
住宅の最大の弱点は窓です。冬の暖房時は58%の割合で開口部(窓やドア)から熱が流出し、夏の冷房時は73%の割合で開口部から熱が流入するとも言われており、窓を断熱化することで大きな効果が見込めます。(参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)
また、窓は比較的簡単に工事ができますので、短時間で工事を完了させることができます。
窓の断熱改修には、窓ガラスのみ交換する方法、サッシごと交換する方法、内窓を設置して二重サッシにする方法などがあります。
写真は、サッシごとトリプルガラスの窓に交換したものです。
床の断熱性能が低いと、冬に床や足元が冷たくなるなどの問題が生じます。
床の断熱改修には、床下から断熱材を施工する方法と、床の張り替えにあわせて断熱材を施工する方法があります。
写真は、床下から断熱材を吹き付けたものです。
屋根や天井の断熱性能が低いと、夏に屋根や天井を通して熱が侵入するなどの問題が生じます。
屋根の断熱改修には、屋根の内側に断熱材を施工する方法などがあります。また、天井の断熱改修には、天井の上側に断熱材を施工する方法などがあります。
写真は、屋根の内側に断熱材を吹き付けたものです。
壁の断熱改修には、壁の外側から断熱材を施工する方法や、壁の張り替えにあわせて柱の間に断熱材を施工する方法などがあり、いずれも大掛かりな工事になります。
耐震改修をする場合は、耐震改修の際に壁を張り替えることになるので、あわせて行うのがおすすめです。
写真は、外壁に断熱材を施工したものです。
省エネ改修に対し補助金を交付する制度がありますので、改修の際はご確認ください。契約・事業着手の前に交付申請などの手続きをしなければならない場合もありますので、早めに相談することが必要です。また、多くの補助制度で併用不可(同一の工事について複数の補助制度を使って重複して補助金を受け取ることはできない)となっておりますので、ご注意ください。
現在実施されている代表的な補助制度を紹介します。詳しくは、各補助制度のホームページ等をご確認ください。
環境省が行っている補助事業で、窓のガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換に対し補助金を交付しています。
国土交通省が行っている補助事業で、開口部の断熱改修、外壁、屋根・天井又は床の断熱改修、エコ住宅設備の設置などに対し、補助金を交付しています。
経済産業省が行っている補助事業で、一定の性能を満たす高効率給湯器の導入等に対し、補助しています。
公益財団法人北海道環境財団が行っている補助事業ですが、全国を対象としています。住まい全体での断熱改修と、窓を用い居間をメインに断熱改修するものに対し、補助金を交付しています。
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