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更新日:2023年1月16日
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長谷川部会長が守屋特別委員を職務代理者に指名した。
事務局が富山県大気環境計画(ブルースカイ計画)の改定の趣旨等を説明し、質疑が行われた。質疑応答の概要は次のとおりである。
(委員)
環境基準設定物質に有害大気汚染物質のジクロロメタンが追加されたこと、さらに、アクリロニトリル等4物質の有害大気汚染物質に指針値が設定されことについては、ブルースカイ計画に当然盛り込まなければいけない。
全国における光化学オキシダント注意報等の発令日数が昭和50年代レベルまで悪化しているとのことであるが、他の物質が改善されてきているのに、光化学オキシダントだけが悪化してきている原因は何か。
(事務局)
0.120ppmという基準を超える注意報等の発令延べ日数が、全国的に昭和50年代と同程度となってきたということである。しかしながら、被害の届出人数はあきらかに減ってきている。
光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)が混合している状態に、紫外線が照射されて生成されるものである。NOxについては、従来はNOx自体が有害であり、また光化学オキシダントの原因物質であることも考慮して、工場・事業場と自動車の双方に対して厳しい規制が行われてきた。一方、VOCについては、自動車排出ガス対策として昭和49年以来、VOCの主成分である炭化水素の排出規制が行なわれてきているが、工場・事業所からの排出規制は行われていなかった。
今回の大気汚染防止法の一部改正により規制が行われることになっている。
(委員)
県政モニターによるアンケート結果が示されているが、「黄砂・酸性雨について」が大気汚染と感じたというが、何をもって大気汚染と感じたのか。
(事務局)
広告効果もあると思われる。昭和40~50年代は苦情件数から見ても、工場・事業場からの煙を大気汚染ととらえることが圧倒的に多かったが、黄砂によって車や洗濯物が汚れるなど身近な大気汚染として感じるのだと考えられる。
(委員)
自動車排出ガスの結果が出ているが、富山県は自動車の保有率は高いのか。
(事務局)
1世帯あたりの自家用車保有台数は全国2位と非常に高い。
(委員)
VOCについて外国ではどのような規制が行われているのか。
(事務局)
欧米各国、韓国、台湾においてもオゾン対策の観点から対応をとっている。環境省でも、原料等の低VOC化への転換や処理装置の開発を実施するとしている。VOCの排出事業者には中小の企業も多いため、低価格で効率のよい処理装置の開発が必要である。
(委員)
硫黄酸化物の濃度が環境基準の10分の1程度というのは、日平均値であるが、1時間値での数値でもこのような状況なのか。10分の1だとずいぶん低いと思うが、3分の1や4分の1ではブルースカイ計画の方針を替えていいのか疑問である。後日、数値について詳細資料を提出願いたい。
硫黄酸化物の削減指導において硫黄酸化物排出量算式中に地域係数が4地域に区分されているがどのようなものか。
(事務局)
富山、高岡等の工場・事業場が集積している地域ほど硫黄酸化物排出量が厳しくなるよう地域区分し、工場・事業場の排出量の低減指導を行っている。
(委員)
硫黄酸化物については確かに環境基準の10分の1程度で推移している。ただ、事業者側での規制で十分守られていくのかどうかについては、もう少し議論の必要性があると思う。例えば事業所ではどういう規制が行われており、それがしっかり守られれば現状の環境が維持できる等データの収集を行う必要がある。(委員)
化学物質の把握について、国として具体的取組み方針は検討中なのか。例えば塗装業種等の業者側の改善方法まで議論されているのか。
(事務局)
事業者の規制については大気汚染防止法の範疇である。
化学物質の把握については、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法)で規定しており、この法律のPRTR制度とは事業者が自主的に化学物質排出量を把握し届出する制度である。国が目指しているのは、化学物質の健康リスク評価を行い、リスクコミュニケーションを進めていくということである。また、化学物質アドバイザー制度を取り入れ、事業者と国民との間に立ってリスクコミニュケーションを行う人材を民間で育てようとしている。
化学物質の取扱いに関する措置については、主務大臣が化学物質の管理指針を定めることになっている。今年から取扱量1t以上の事業所が届出対象となったため、今後、事業者から届出される排出量の集計などが必要であり、もうしばらく時間がかかる。
(委員)
物質毎の健康リスク評価は難しいのではないか。
その評価は国が行うのか。
(事務局)
NPO等からは、環境リスクを明らかにすべきだといわれており、国では排出濃度ではなく曝露量で健康リスク評価を行う。
(委員)
本計画の中に健康リスク評価を盛り込むのか。
(事務局)
本計画だけではなく、今後、策定を検討している化学物質管理指針の中で、県としての特異的な物質をとらえて、国の健康リスク評価があった化学物質から事業者側の協力を得ながら排出量の削減していきたい。また、リスクの大きいところで環境モニタリングを行うという監視体制の確立を目指す。
(委員)
PRTR制度により、事業者の化学物質に係る自主管理意識も向上しており、また公表された結果により県民の意識も向上していくものと考えられる。そのためのサポートは当然していく必要がある。
PRTR制度に基づく事業者からの届出結果をみると、大気中に大変多くのVOCが排出されている。既に諸外国で規制が行われているところがあったわけだから、国も光化学オキシダントの原因物質であるVOCの規制をもう少し早くから取組むべきであった。VOCに対する規制については計画にしっかり取り入れていかなければならない。
(委員)
二酸化窒素の濃度は、昭和48年と比べてあまり変わらないが、これは、車の量は増えているが1台あたりのNOx排出量は減っていると考えていいのか。
(事務局)
車の視点から見ると、車両台数は増えているが車両から排出されるNOxなどの大気汚染物質の規制強化により排出量の削減が図られているため、自動車からの排出量は減っている。これらの相乗効果ではないかと考えられる。
自動車排出ガスのNOx規制については、昭和40年代から段階的に進められており、新たに製造される自動車の排出ガスは昭和40年代に比べると大幅に低減されている。
(委員)
これまでのブルースカイ計画の推進において様々な施策が実施され、その評価としてある種の効果が見えているのか。
(事務局)
工場・事業場に対する規制の効果は見えている。例えば、工場・事業場からの寄与が大きい二酸化硫黄については、過去と比較するとずいぶん減少しており、現在は、環境基準の10分の1程度で推移している。
(委員)
各種施策を行った結果、環境濃度が横ばい、あるいは減少していれば、施策を推進すればよいが、効果が見えないのであれば、意味がない。
自動車排出ガスについて、どのように取組んでいくかは非常に難しい。富山県は、首都圏のように環境基準を超えているといった深刻な状態ではない。そのような地域に首都圏並、または、それに近い規制を行うことは問題があるし、国でも地域的に分ける考え方をしている。富山県ではどのような排出ガス対策ができるかということについて検討が必要である。
(委員)
「かおり環境」というのも新しい考え方である。かおり風景100選に富山県からも3件選定されており、この考え方も計画に盛り込むべきである。
(委員)
改定のポイントとして何を実施していけばよいか。意見等については今後以降、第2回目の会議までに電子メールなどで委員の意見を寄せていくなど過程を踏んでいきたい。
(事務局)
今後、委員からの提言等を電子メールなどでいただき、その結果について、個別に協議、また部会長とも全体的な流れで協議した上で、第2回目の専門部会の日程調整等を行いたい。
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