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更新日:2021年4月21日
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おいしさのワケ|水のプロフィール・DATA|とやまの「水」スポット|とやまの水生生物|とやまの名水|とやまの深層水
海で誕生した生命は、はるかな時を超えて陸地の水(川や湖沼など)の中でも営みを重ねてきました。多種多様な水生生物たちの命のきらめき…、それは彼らのすみかである水の様子も伝えてくれます。
水辺でまず目に入る生物は水草かもしれません。群生する水草の中では昆虫の幼虫が育ち、魚類が産卵し、稚魚が成長する場所としても欠かせません。一方、水の中へ目を向けると、川底の石などに緑色のぬるぬるしたものが付いていることに気づきます。これが珪藻(ケイソウ)や藍藻(ランソウ)などの藻類。ひとつひとつは肉眼では見えないほど小さいのですが、たくさん集まるとあの“ぬるぬる”になるのです。カゲロウなどの水生昆虫やアユなどの魚類は、直接この藻類を食べて生活しています。
川の上流から中流域では石の下に、下流域では水草の中などに、無数の小さな生き物がいます。水生昆虫(カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など)の幼虫、カワニナやタニシなどの貝類、サワガニやモクズガニなどの甲殻類、ヒルやイトミミズのような環形動物、さらにミジンコ類などまさに多種多様です。これらの生き物は川の水質に応じてすみ分けしており、きれいな水にすむのはカゲロウ類やカワゲラ類、トビゲラやカワニナがいると水が少し汚れていることを示します。さらにユスリカやヒルがいると川は相当に汚れているといえます。
海の幸に恵まれた富山県ですが陸地には大きな湖沼が少なく、淡水魚の種類は多い方ではありません。しかし全国的にみても貴重な淡水魚がいます。天然記念物に指定されているイタセンパラは、琵琶湖淀川水系と濃尾平野の木曾三川、そして富山県氷見市に分布が限られた魚です。水草を集めて巣をつくる魚として知られるトミヨは背中や腹にトゲを持つことからハリウオ、トゲウオなどと呼ばれ、かつて黒部川や庄川などの扇状地の湧水の小川に広くすんでいました。しかし河川改修などにより次第にすみかが減り、今や絶滅が心配されています。またかつてどの川にもいたフナやメダカは、富山県でも今や貴重な存在になりつつあります。
ミジンコのような原生動物から、藻類、魚類、さらには水辺に集まる鳥類やさまざまな動物たちも……川ではたくさんの生き物が互いに関わり合いながら生きています。人もそのつながりの中にあることを知り、生き物の息吹きが感じられる川を、水を、守っていきたいものですね。
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