重要文化財「菅野家住宅」の追加指定について
令和6年5月17日(金曜日)に開催された国の文化審議会において、高岡市所在の建造物3棟が、国の「重要文化財(建造物)」の追加指定の答申を受けましたので、ご案内します。
追加指定の概要
指定物件
- 離れ座敷及び台所・・・1棟(明治35年頃築)
- 四番蔵・・・・・・・・1棟(江戸後期築/明治35年頃改修)※2
- 二番蔵及び三番蔵・・・1棟(二番:明治初期築、三番:江戸末期築/明治35年頃改修)
1:「主屋」、「土蔵」(一番蔵)の2棟は既に重要文化財に指定されている。
2:指定後の名称は既指定の「土蔵」(一番蔵)と併せ「一番蔵及び四番蔵」となる。
所在地
所有者
指定の理由等
- 「離れ座敷及び台所」は明治33年(1900)の大火後に主屋と一体に整備されたもので、離れ座敷は良材を用いた端正な意匠となっている。また、開口部には防火戸を設けるなど防火を意識した造りとなっている。
- 土蔵群の建築は江戸時代に遡り、伝統的な建造物群が連なる山町筋の中でも希少。火災後に主屋を再建する際に、焼け残った4棟の土蔵それぞれ2棟ずつ大屋根をかけ、土蔵1棟に見えるよう、主屋に合わせた意匠に整えられている点に特徴がある。
今回の指定の意義
- 本県の国宝・重要文化財(建造物)・・・国宝2件、重要文化財19件(追加指定のため増減なし)
- 追加指定としては7年ぶり(平成29年(2017)11月の「常願寺川砂防施設-白岩堰堤、本宮堰堤、泥谷堰堤-」以来)
- 民家建築の指定としては30年ぶり(平成6年(1994)12月の「菅野家住宅」(主屋・土蔵)及び「旧森家住宅」以来)
- 「菅野家住宅」は「高岡市山町筋伝統的建造物群保存地区」の中核的な建造物であり、今回の追加指定により菅野家の建造物群が一体的に保護される。また、高岡市が取り組む歴史まちづくりの推進に寄与される。
写真(いずれも高岡市教育委員会提供)
主屋、離れ座敷及び台所(向かって左が主屋、右が離れ座敷)
二番蔵及び三番蔵(向かって右が二番蔵、左が三番蔵)