富岩運河水閘施設(中島閘門)の重要文化財指定
富山県が誇る貴重な近代化遺産である中島閘門は、平成10年3月20日に開催された国の文化財保護審議会において、富岩運河水閘施設という名称で、昭和期に造られた土木構造物としては全国初の重要文化財に指定されることとなりました。
1 文化財の概要
- 名称:富岩運河水閘施設(中島閘門)
- 員数:一構
- 所在地:富山市中島2丁目字浦川原割3番2号
- 所有者:富山県
- 建設年代:昭和9年(1934)
2 文化財の特徴
- 神通川河口右岸の富山港を起点とする富岩運河のほぼ中間に造られた水閘施設(中島閘門)で、閘門、放水路、道路用桁橋(中島橋)、閘門操作室、量水計等からなり、昭和初期の富山都市計画事業の一環として昭和9年に竣工した。
- 富岩運河水閘施設(中島閘門)は、我が国で数少ない都市計画事業による運河閘門で、関連施設が良好に保存されており、我が国の都市計画史上、貴重な施設である。
- コンクリート、鉄筋コンクリート、石を適所に使い分けた建築技術は、昭和初期の土木施工技術の高い完成度を示すものとして貴重である。
- 平成8・9年度に富山県が実施した改修事業により閘門の動態的な保存が図られた。
3 指定の意義
- 昭和初期の土木構造物としては全国初の重要文化財である。
- 昭和初期の建造物を含めた構造物としては、平成9年5月に指定された東京の明治生命保険相互会社本社本館に次いで2例目の重要文化財指定である。
- 中島閘門に象徴される郷土の優れた近代化遺産が、全国的な評価を受け、先人の偉業の継承に努めてきた富山県の熱意が認められた。
重要文化財指定書
附書