とやまの水を伝える/治水・利水文化
治水・利水文化
3000メートル級の北アルプスや周囲の山々から一気に富山湾へと注ぐ富山の河川は、全国的にみてもまれな急流となっています。豊かな水資源に恵まれている一方で、古くから急流河川の氾濫による水害にも悩まされてきました。度重なる水害から暮らしを守るため、戦国時代から堤防を築いたり、河川改修工事を行なうなど、治水が富山を治めるための最大の課題となっていました。明治16年(1883)に富山県が石川県から分県したのも、治水事業がきっかけでした。
また、治水と合わせた合口用水をはじめとする利水技術は「米どころ富山」の礎となり、水力発電による電源開発も盛んとなりました。やがて、豊富な水と電力を求めて工場進出が相次ぎ、工業集積がすすんでいくことになります。
治水と利水の歴史は、まさに富山県の発展の歴史でもあるのです。
<とやま21世紀水ビジョン(概要版)関連ページ>
第3編 第2章 1.水に関する歴史風土と水文化の継承
[黒部川] [片貝川] [早月川] [常願寺川] [神通川] [庄川] [小矢部川]
治水・利水文化
黒部川 |
- 黒部奥山廻り(加賀藩政時代の制度)
- 霞堤、旧堤防、舟形屋敷
- 巨大水制群、床固め工群
- 下山用水、十二貫野用水、愛本新用水、宮野用水、黒部川合口用水等の扇状地を走る用水網
- 愛本堰堤(合口取水堰堤)
- ため池(十二貫野湖等)
- 黒部峡谷の電源開発(黒部ダム等)
- 平地の低落差発電所群(用水路にブランチ)
- 水防団、川倉等の伝統水防工法
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片貝川 |
- 霞堤、水制群
- 砂防事業
- 片貝川合口用水、高円堂用水等 (円筒分水)
- 電力開発
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早月川 |
- 霞堤、水制群
- 砂防事業
- 五厘堤(デレーケの設計)
- 早月川合口用水、室山野用水、蓑輪堰堤(合口取水堰堤)等
- 電力開発
- 早月発川総代、番水水利用)
- 川総代、番水
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常願寺川 |
- 安政5年の大災害(1858年の大地震)
- 済民堤
- 佐々堤、殿様林(佐々成政の築造)
- デレーケの改修(河口部の直線化等)
- 立山砂防(国直轄砂防事業)
- 白岩砂防堰堤(国重要文化財)
- 本宮堰堤(国登録有形文化財)
- 泥谷砂防堰堤群(国登録有形文化財)
- 霞堤
- 西の番巨大水制群、床固め工群
- 常西・常東合口用水
- 新庄排砂水門
- 横江堰堤(合口取水堰堤)
- 有峰の電源開発(有峰ダム等)
- 平地の低落差発電所群(用水路にブランチ)
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神通川 |
- 神通の舟橋と常夜灯
- 神通川の馳越工事
- 牛ヶ首用水、大久保用水、舟倉野用水、大沢野 用水等の用水網
- 富岩運河、中島閘門(国指定重要文化財)、牛島閘門(国登録有形文化財)
- 大久保発電所(県内初の水力発電所、M32年)
- 神通川の電力開発(神通川第1、2、3ダム等)
- 平地の低落差発電所群(用水路にブランチ)
- 河川敷の空港(富山空港)
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庄川 |
- 柳瀬普請(藩政時代)
- 松川除け
- 霞堤
- 二万七千石用水、庄川合口用水等の扇状地を走る用水網
- 小牧ダム(庄川流木事件、国登録有形文化財)
- 庄川合口用水ダム(合口取水堰堤、国登録有形文化財)
- ため池(薬勝寺池、女池、豆山池等)
- 庄川の電力開発(御母衣ダム等)
- 平地の低落差発電所(用水路にブランチ)
- 和田川総合開発事業等
- 水防団、川倉等の伝統水防工法
- 治水事業を通して発展した治水・利水技術、建設業(S工業)
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小矢部川 |
- 庄川と河口分離
- 刀利ダム(第1、2、3頭首工)
- 中部合口用水、五位庄用水等の用水網
- 小矢部大堰(中部合口用水取水堰)
- ため池(桜ヶ池、縄ヶ池、赤祖父池等)
- 小矢部川の電力発電(刀利ダム等)
- 子撫川総合開発事業
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