令和元年度富山県原子力防災訓練実施結果等について
訓練概要
1 実施日等
- (1)図上訓練
- ア 日時 令和元年11月4日(月・振替休日) 7時30分~14時00分頃
- イ 実施場所 県庁、氷見市役所、石川県志賀オフサイトセンター、環境科学センター
- ウ 参加者等 参加45機関、約150人
- (2)実動訓練
- ア 日時 令和元年11月17日(日曜日) 7時30分~14時00分頃
- イ 実施場所 氷見市、高岡市、小矢部市
- ウ 参加者等 参加34機関、約1,050人
うち参加住民 約 700人(一時移転訓練約300人)
(※)図上訓練、実動訓練合わせ、参加65機関、延べ約1,200人
2 訓練内容
- (1)訓練の想定
- 石川県志賀町で震度6強の地震が発生。
- 志賀原発2号機において、原子炉が自動停止するとともに外部電源を喪失。その後、非常用の炉心冷却装置による注水不能により全面緊急事態となるとともに、事態が進展し、放射性物質が放出され、その影響が発電所周辺地域に及ぶ。
- 富山県内では最大で震度5弱(氷見市等)を観測し、数日前からの県西部での豪雨で地盤が緩くなっていたため、氷見市の一部地域で避難道路が被災し、複合災害が発生。
- (2)主な訓練
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<図上訓練>
- ア 災害対策本部の設置、情報共有・連絡訓練(富山県庁、氷見市役所、志賀オフサイトセンター)
県、氷見市で災害対策本部を設置し志賀オフサイトセンター等とのTV会議の実施や、訓練コントローラーを配置し実災害を想定した状況付与に基づく演習を実施
- イ 緊急時モニタリング訓練(氷見市内等)
モニタリングポストやモニタリングカー等による空間放射線量率の測定等を実施
- <実動訓練>
- ウ 住民等に対する広報訓練(氷見市内)
防災行政無線や広報車、緊急速報メール、防災ラジオ等を活用し住民等へ情報を伝達
- エ 住民の屋内退避、一時移転訓練(氷見市内)
UPZ(発電所からおおむね30km)内の速川地区、久目地区において、住民の屋内退避及び一時移転訓練を実施(UPZ内の福祉施設も参加)
また、移動手段がない想定の住民を一時集合場所までタクシーによる移動支援を実施
- オ 避難退域時検査の実施訓練(氷見市内)
住民の避難ルート毎に避難退域時検査会場を開設し、車両及び住民の放射線量の測定や簡易除染を実施するとともに、陸上自衛隊の除染車による車両の簡易除染を実施
- カ 避難所の設置・運営訓練(高岡市:ふくおか総合文化センター、小矢部市:東部公民館)
避難所や救護所の開設、避難退域時検査の通過証の確認、住民向け講習会等を実施
- キ 被ばく医療措置訓練(氷見市内等)
傷病者の救急搬送や県立中央病院での原子力災害医療派遣チームとの合同診療を実施
- ク 複合災害対応訓練(氷見市)
地震により被災した避難道路の富山県建設業協会による応急復旧訓練を実施
3 今回の成果等
- (1)図上訓練と実動訓練を分けたことで、状況付与による演習など関係職員や関係機関がそれぞれの訓練により深く参加でき、また実動訓練での住民の訓練終了時間を前倒しできた。
- (2)避難ルートごとに複数の避難所へ避難するなど、より実践的な訓練とするとともに、今回の訓練により、氷見市UPZ内の65地区全てで訓練を実施した。
- (3)避難退域時検査場所候補地となった仏生寺公民館、赤毛コミュニティセンターについて、検査会場のレイアウトの検討が進んだほか、大型バスは入れないなどの課題整理が進んだ。
- (4)陸上自衛隊による車両への放水での簡易除染や、富山県建設業協会による被災道路の応急復旧訓練、富山県タクシー協会の協力によるタクシーでの住民の移動支援などにおいて、新たな参加機関との連携強化を図ることができた。
評価結果
原子力防災に関する最新の知見を有している者による外部評価(第三者評価)及び訓練参加機関による自己評価を実施しました。評価結果報告書は添付を参照ください。
ビデオ映像
今回行った訓練のダイジェスト映像については、以下(10分版及び30分版)を参照ください。
関連ファイル