国の登録有形文化財(建造物)の登録について
このたび国の文化審議会において、次の2か所4件の建造物が、国の登録有形文化財(建造物)として登録をするよう答申されましたので、ご案内します。
なお、県内の国の登録有形文化財(建造物)の件数は今回で79か所164件となる予定です。(県内の主な国の登録有形文化財(建造物)…富山県庁舎本館、旧金岡家住宅)
登録の意義
- 所有者のみならず、県民が地域の身近な文化資産の価値や魅力を再発見するとともに、地域の宝として誇りを持って末永く保存・継承していくための契機となる。
- 地域固有の優れた歴史的・文化的な資源が保存されることで、地域づくりや観光などへのさらなる積極的な活用の推進につながることが期待される。
建造物の概要
吉村家住宅
名称(建築年代)
吉村家住宅主屋(明治前期建築/大正3年頃移築、昭和44年・同57年改修)
所在地
富山市金屋
所有者
個人
構造等
木造2階建、瓦葺、建築面積259平方メートル
特徴等
- 神通川左岸に位置する農家住宅で、屋号を「庄兵衛はん」という。
- 作道(現在の射水市)にあった築50年の住宅を大正3年頃に移築したものとされ、馬車で部材を曳き、柱を組み上げるだけで1週間も要したと伝わる。
- ヒロマやチャノマの上部を吹き抜けとし、豪壮な梁組(ワクノウチ)をみせる。県東部では数少ないアズマダチ建築で、特徴的な意匠が地域の景観を形成している。
写真

若鶴酒造
名称(建築年代)
若鶴酒造大正蔵(大正9年建築/昭和34年増築、平成7年・同24年改修)
若鶴酒造昭和蔵松庫(昭和34年建築)
三郎丸蒸留所(昭和前期建築/昭和29年頃移築、平成29年改修)
所在地
砺波市三郎丸
所有者
若鶴酒造株式会社
構造等
若鶴酒造大正蔵
土蔵造2階建、瓦葺、建築面積760平方メートル
若鶴酒造昭和蔵松庫
鉄筋コンクリート造2階建、建築面積692平方メートル、塔屋付
三郎丸蒸留所
木造2階建、瓦葺、建築面積803平方メートル
特徴等
- 若鶴酒造は砺波平野の造り酒屋で、JR城端線油田駅西側に位置する。明治43年(1910)に初代・稲垣小太郎が酒造株を継承し、大正7年(1918)に現在の若鶴酒造株式会社を設立。清酒のほか、焼酎やウイスキーなどを製造販売してきた。
- 若鶴酒造大正蔵は大正9年(1920)に酒樽貯蔵庫として建設された。長大な南北棟の東西に葺き降ろしの下屋が付く土蔵造りの建物で、全体を置き屋根形式の桟瓦葺き大屋根で覆い、地域の歴史的な景観を形成する。現在は研修・展示施設として活用されている。
- 若鶴酒造昭和蔵松庫は戦後の清酒需要の増大に対応した近代的な現役の醸造施設。清酒の近代化を実現するための設備投資の一環で、昭和34年(1959)に「近代的モデル清酒醸造蔵」(社史による)として建てられた。1階は仕込庫・貯蔵庫としての大空間が広がり、2階は麹室や酒母室などを配する。設計・施工は清水建設株式会社による。
- 三郎丸蒸留所は、工場建築(昭和前期に建てられた不二越(富山市)の工場と伝わる)を、昭和29年に移築・転用した北陸最古のウイスキー蒸留施設。工場建築らしいトラス構造(キングポスト・トラス)の小屋組、作業用の採光を確保するための連窓を設ける。現役のウイスキー蒸留施設として使用される一方、見学施設としても活用し、年間3万人も来訪する名所となっている。
写真
若鶴酒造大正蔵

若鶴酒造昭和蔵松庫

三郎丸蒸留所
