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更新日:2023年10月25日
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川を治め、川を利用する~「河川総合開発事業」により、急流で豊富な河川水を利用して電気を起こす、企業局が最初に取り組んだ仕事です。
神通川、上市川、小矢部川、庄川の4水系と農業用水を利用した小水力発電所を合わせ、20の発電所を建設し、電力の安定的な供給につとめています。
令和5年4月現在で、最大出力合計142,060kWとなっており、この電気は電力会社に供給し、そこからそれぞれの家庭や事業所に送電されています。
富山県の電気事業の創業は古く、大正9年に始めた県営電気事業にさかのぼります。
富山県は急流河川が多く、たびたび洪水を引き起こしていました。このため、人命や財産に莫大な被害をもたらす暴れ川を治めることは、県政の最大の課題でした。「電気事業経営の趣旨」にも、「県税ハ制限率ノ三倍ヲ超過シ、(中略)財政貧窮ノ極ニ達セリ」とあり、とてつもなく苦しい状況がうかがえます。
県営発電事業は、治水費に多額の予算をつぎ込まざるをえない県財政にとって、川を治め、産業を興し、苦しい財政を賄う、という三つの効果が期待できる、まさに「禍を転じて福と為す」ものでした。大正9年6月18日に電気局を設置し、常願寺川水系で事業に着手しました。大正13年4月、上滝、松ノ木、中地山発電所が運転を開始したのを始め、昭和11年までに常願寺川、黒部川水系で7つの発電所を設置しました。しかし、太平洋戦争のさなか、昭和17年、国策により営業中の7つの発電所と、有峰など建設中の4発電所が日本発送電(株)に出資、譲渡され、ここに最初の県営電気事業は幕を閉じました。
戦後の復興が進むともに、全国的に深刻な電力不足に悩まされました。富山県は、昭和27年3月、全国に先駆けて「総合開発計画」を策定、その「水政計画」において井田川総合開発事業を打ち出しました。翌28年10月、土木部河港課に電気事業係を設け、大長谷第一発電所の建設に着手し、ここに県営電気事業が再出発しました。
昭和32年、電気局を設置し、電気事業は地方公営企業法の全面運用を受け、事業の拡大・充実を図ることとしました。以来、河川総合開発事業の一環として、神通川、上市川、小矢部川、庄川の4水系で電源開発に取り組みました。
昭和53年からは、水系毎に1つの発電管理所で運転を制御する方式を採用し、さらに平成8年には4つの発電管理所での監視制御業務を発電制御所に統合し、集中制御を開始しました。
戦後の県営電気事業は、井田川において開発に着手されました。第1次富山県総合開発計画の水政計画により、昭和28年に最初に建設に着手した大長谷第一発電所、大長谷川と並行して流れる百瀬川から流域変更し、その落差を利用して発電する大長谷第二発電所と、高さ80.5m、有効貯水量1,350万 立方メートルのアーチ式ドーム型の室牧ダムから取水する室牧発電所など、河川総合開発の一環として、昭和30年代までに神通川水系には5発電所が建設されました。(なお、大長谷第一発電所は、平成13年にリプレースされ新大長谷第一発電所となりました。)昭和48年及び昭和53年に起こったオイルショックを契機として、石油代替エネルギー開発の必要性が高まり、クリーンエネルギーの安定確保の見地から、昭和50年代後半、再度水力発電が促進されました。その後、神通川水系には、昭和56年12月に運転開始の大長谷第三発電所から平成3年8月運転開始の大長谷第五発電所まで4ヶ所が建設されました。さらに、平成30年12月には、百瀬川の未利用落差を活用した上百瀬発電所が運転開始し、最大出力670kWの発電を行っています。
この結果、神通川水系では発電所数10、最大出力合計71,540kWと、発電所数および最大出力ともに県営電気事業の約半分の規模を占めるに至りました。
上市川水系では、上市川総合開発計画の一環として昭和39年に建設された上市川ダムから取水する上市川第一発電所、昭和44年の局地的集中豪雨による災害を契機にその上流に昭和60年に建設された上市川第二ダムから取水する上市川第二発電所、昭和61年11月に運転開始した上市川第三発電所の3発電所があり、最大出力13,800kWの発電を行っています。
小矢部川水系においては、農林水産省の国営小矢部川農業水利事業及び第3次富山県総合開発計画によって刀利ダムが建設されました。集水面積に比して有効貯水量が大きく利用率の高いのが特徴で、小矢部川第一・小矢部川第二発電所の2ヶ所で最大出力 24,300kWの発電を行っています。
庄川水系においては、庄川から取水した関西電力雄神発電所の放水を約7kmの水路を通して取水し発電する庄東第一発電所と、その下流の多目的ダム(和田川ダム)直下にある庄東第二発電所の2発電所を設け、最大出力31,400kWの発電を行っています。
また近年では、再生可能エネルギーの導入を促進するため、農業用水路の未利用落差を活用した小水力発電所の建設を進め、仁右ヱ門用水発電所にて最大出力460kW、庄発電所にて最大出力190kW、小摺戸発電所にて最大出力370kWの発電を行っています。
再生可能エネルギーの導入を促進するため、富山新港臨海工業用地の石炭灰処分場の埋立終了地を有効活用した富山新港太陽光発電所を建設し、最大出力4,500kWの発電を行っています。
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