安全・安心情報
更新日:2023年10月30日
ここから本文です。
富山県では、出生数に占める低出生体重児の割合は8% 台終盤で横ばいが続いています(人口動態統計)。肥満を気にして、体重を極力増やさないようにしている妊婦さんをよくみます。お母さんの体重増加が少ない場合に、出生時の赤ちゃんの体重が小さい傾向にあり、このことが将来、逆に子どもの肥満や高血圧、糖尿病につながることがあります。
標準体重のお母さんで、妊娠全期間で10~13kgの体重増加が、厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」の中で目安とされています。
もう一つは、これから妊娠を考えておられる女性へのアドバイスです。最近の出産年齢の上昇は非常に気になる所です。やはり、妊娠の高年齢化により、妊娠高血圧症候群、早産、常位胎盤早期剥離などの異常妊娠も多くなるとともに、自然妊娠率も若い頃に比べて低下することから、妊娠・出産の年齢を考慮したライフプランを立てていただきたいと思います。
日本における女性の喫煙者は10%弱で推移し、ほぼ横ばいです。喫煙は習慣性がありますから、妊娠中なかなか止められないという人がいるかもしれませんが、妊娠中の喫煙はすぐにでもやめてください。タバコには、ニコチンや一酸化炭素など有害な物質が数多く含まれており、末梢血管の血流が阻害され、胎盤の血流が悪くなります。胎児の発育に悪影響があり、乳幼児突然死症候群との関係も指摘されています。それだけではなく、切迫早産、前期破水、常位胎盤早期剥離を起こしやすくします。妊婦はもちろん、周囲の人も妊婦のそばで喫煙してはいけません。
妊婦健診が未受診の妊婦さんも増えています。経済的な理由など、さまざまな事情を抱えていらっしゃると思いますが、自分の命に関わることもあるのですから、妊婦健診は必ず受診してください。妊婦健診は14回分の健診が公費負担により受けられます。その他、詳しい検査が必要な場合の妊婦精密健康検査や妊産婦医療費助成などの制度も整えられていますので、検査や治療を必要とする際には積極的に活用していただきたいと思います。
また近年、出産年齢の高年齢化が進み、ハイリスク妊婦が多くなっているのも気になるところです。背景には、仕事と結婚という人生の大きな選択があり、社会的な側面もいなめないでしょう。ほかでもない自分の人生ですから、しっかりとワーク・ライフ・バランスを考慮して、なるべく比較的安全に元気な赤ちゃんが産めるように、妊娠・出産を考えてみてください。一方、富山県には県立中央病院内に母体・胎児集中治療管理室(MFICU)と新生児集中治療管理室(NICU)を備えた総合周産期母子医療センターがあり、ここを核とした周産期医療体制が整えられており、一人でも多くの妊婦さんや赤ちゃんが元気になるように最善を尽くしています。これから妊娠・出産に臨む女性のみなさんを心から応援しています。
お問い合わせ
関連情報
目的別情報
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください