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更新日:2025年2月19日
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平成21年(2009)に白岩堰堤が砂防施設として全国初の重要文化財に指定され、平成29年(2017)に本宮堰堤、泥谷堰堤が追加されました。
カルデラ出口狭窄部で、土砂の流出を抑えるために造られた立山砂防の基幹堰堤です。
工事は内務省直轄で実施され、昭和4年(1929)10月に着工、昭和14年(1939)12月にほぼ全体が竣工しました。砂防工事では初となる工事専用軌道、デリッククレーン、コンクリートミキサー等を使用した本格的な機械化施工が行われました。
本堰堤の高さ63m、副堰堤をあわせた落差108mは、いずれも砂防堰堤としては日本一の大きさで、世界有数の高さを誇ります。重力式コンクリート堰堤と方格枠を積み上げた土堰堤の複合構造を採用した、世界でも類を見ない規模と構造です。
水源崩壊地の侵食拡大を防ぐため、崩壊土砂上に築かれた階段式の砂防施設で、22基(堰堤19基、床固3基)及び山腹工事に係る構造物から成ります。
工事は県営時代の工事を引き継ぎ、内務省新潟土木出張所立山砂防事務所の直営で行われ、昭和5年(1930)着工、昭和13年(1938)に竣工しました。
現在は、山腹工(土留めと排水路、植林)によって植生が回復し、緑あふれる小峡谷になっており、防災とエコを実現した良い事例となっています。
常願寺川中流で、土砂の流出防止や調節を行い、下流の災害を防ぐ、国内最大級の貯砂量500万㎥を誇る重力式コンクリート造堰堤です。
富山県からの委託を受け、内務省新潟土木出張所常願寺川堰堤事務所が建設しました。大型施工機械を採用し、昭和10年(1935)着工、昭和11年(1936)竣工とわずか2年の短期間で建設されました。
立山砂防を代表するこの3基の堰堤は、水源崩壊地での土砂生産を抑制する支渓の階段式堰堤、上流で土砂扞止を担う大規模な基幹砂防堰堤、中流で土砂扞止と一時的なの貯留を担う大規模な砂防堰堤により、我が国屈指の急流荒廃河川である常願寺川水系を一体的に治め、その後本格化する水系一貫の総合的な防災土砂管理、治水対策の礎となった施設であり、我が国の治水史上、極めて価値が高いものです。
また、荒廃河川特有の不利な地盤条件を克服して短期間で完成した、昭和前期における砂防施設の技術的達成度を示すものとして重要なものです。
この立山砂防で培われ、確立された日本独自の流域全体を視野に入れた水系一貫の総合的な防災土砂管理システムは、やがて世界の砂防のモデルとなり、現在、東南アジア、中南米などを中心に世界約20ヵ国で活用され、当事国の防災に大きく貢献しています。
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