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更新日:2024年8月19日
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この世には欠点のない人間はいないように、完全な子育てはありません。また、人生がなかなか思うようにいかないように、子育てもそう簡単にはいかないものです。
このことを前提にしながらも、次の3点を、頭の片隅に置いておきたいものです。
1.当たり前のことですが、子どもといえども親と同じ人間です。どんな子どもにも人としての人権があり、尊重されるべき自尊心をもっています。
2.同時に、まだ幼く人生経験がありませんから知らないこと・わからないことがたくさんあります。子どものわかっていないことに対しては、教えてあげます。例えば、 ①尖った鉛筆を手にしながら、取っ組み合いが始まったときは、予測される危険を伝えて、毅然と注意します。 ②使い方・操作の仕方が理解できていない事柄は、「一緒にやろうね」と、手を添え・動かし方を実体験させながら、学んでもらいます。
3.年齢的・能力的に無理な時は、時熟のときが来るまで(本人が興味をもつまで)待ちます。
お子さんは、順調に思春期に突入し始めています。これからは性ホルモンの分泌により、心身ともに大きな変化が起こってきます。二次性徴(乳房の発達、月経の始まり等)が表れ、身長も伸びるにつれ、急に生意気になってきます。今まで絶対的だった親に対しても、言葉や行動の奥にあるちょっとしたごまかしを見抜き、矛盾を指摘してきます。
また、異性に対して敏感になり、父や兄に“男臭さ”を感じて、避けるようになります。
(息子の場合は、母親の“女性らしさ”をかぎ取ると、複雑な気持ちになり、本能的に距離を取ろうとします)さらに、子ども自身も、得体のしれない複雑な感情に戸惑い、イライラしたり、ちょっとしたことで自信を無くして不安になったり、激しく揺れます。
ですから、これまでの、保護・指導的な親子関係から、自己を確立していこうとしている子どもを、後方から見守り・支える親へと、態度の変更が求められてきます。変化に伴う痛みに耐えつつ、親も共に成長していかなければならないのです。そして、「この先、たとえ大嵐が吹こうとも、お前の避難場所はこの家だからね」と、子どものこころ深くに、親の思いを確かなものとして沈潜させていく時期でもあります。
すべての人は、生き物として人類がつなぎ続けてきた遺伝子の影響下にあります。お母さん(お父さん)の気質(特性)と、子どものそれがあまりに似ていたり、その逆だったり…と千差万別ですが、どんな組み合わせになるのかを、親であっても決めることは出来ません。
わが子なのに、親の思い通りにはならないものですね。しかも、どの子にも、個体としての自分(自我)があるので、順調に育っている子ほど、親から一方的に強いられることに反発して、親の感情を逆なでするように行動してきます。親もますます逆上するし、子どもの行動もエスカレートして、悪循環になりやすいのです。
わが子との間に、怒りの火花が散りそうになったときには、逃げるが勝ち。手っ取り早い逃げ場所はトイレでしょうか?そこで、深呼吸をして好きな歌でも口ずさんでみましょう。怒りの感情をクールダウンしてトイレから出ると、心配そうな顔でお母さんを、見上げてくるお子さんに出会うことでしょう。
子どもから離れて、一人になると逆に、腹が立つけれど可愛い面もあるわが子の全体が、見えてくるかもしれませんね。
あなたはご自分のことが好きですか?気に入っていますか?小さい頃のご自分を思い出してみましょう。両親から叱られたり怒鳴られたり、ガミガミ言われてなす術もなく固まっている、幼い頃の自分が浮かんできませんか?当時の暗い感情が、時代を超えて、目の前のわが子に八つ当たりされてくることは、よく起こります。でも、自分が味わった思いを子どもにはさせたくないので、心の距離を取ろうとします。好きにはなるまいとするのです。
まず、親自身、辛い境遇の中を、今日まで頑張って生きてきたご自分を、褒めてあげましょう。次に、自分のいいとこ探しをしていきます(“私の黒髪が好き”など、小さなことでいいのです)自分のことが、徐々に好きになってくるとなぜか、わが子のいいところが、少しずつ見えてきて、ポジティブな思いが湧いてきます。人間って、不思議な生き物ですね。
もうすぐ新年!! 学校もあと百日足らずで、新入生を迎えることになります。時節は目まぐるしく移り変わっていきますが、親御さんたちにとってのわが子は、いつまでたっても頼りなく、親が先導して叱咤激励しなければ、すぐに道を外れてしまいそうな漠然とした心配を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。それは、まさに親心からなのですが、愛情深くありさえすれば、結果がすべてうまくいくかというと、必ずしもそうとは限らないようです。ずいぶん前に、「愛はすべてではない」(ベッテルハイム著)を、仲間たちと輪読しました。そこでは愛は、具体的な知恵に裏付けられていないと、子どもの役に立たないと主張されていました。
また、頭で分かっていても、実践できないのは、人の常です。私も思春期に入った娘に対して、そうでした。自戒と反省を込めながら、後輩の親御さんたちに、伝え続けていることがあります。先般の就学時健康診断の折、「子どもがいきいきと学校生活を送るための、家族としての支え方」と題して、お話しさせていただきました。これらは、あまりにも当たり前なことなので、お笑いになるかもしれませんが、本当に大切なことは、足元の細部にあると信じているので、ご寛容願います。
1. 子どもが甘えてきた時には、甘えさせてあげる(スキンシップを心掛ける)
いくつになっても心淋しい時は、親のぬくもりに癒されます
2. 子どもの話の聴き役になる
尋問的に訊く、親が探りを入れる聞き方ではなく、子どもの気持ちを分かってあげるために聴きます。ただし、真に受け過ぎないように…。
3. 子どもが頼んできた時、できることには応えてあげる
私たちは気持ちが萎えているときは、誰かの助けを必要とします。 子どもも同じです。
4. 子どもに身に付けてほしいことは、親が率先して見せる
兄弟仲のよいことを願うのなら、親がやさしい態度で子どもに関わってあげるといいのです。
5. 子どもに合わせて、一緒に遊ぶ
忙しい毎日ですが、子どもと触れ合い、笑い合う時間を今の間に味わっておかないと、もったいないです。生きる力の源は“遊び力”ですから…
時には、人生という広い視点から、子どもの成長を見守りたいものです。現在、いきいきとした日々を送っている子どもは、将来も充実した人生を生きている可能性が大きいと言われています。
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