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更新日:2021年2月24日
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絵画とはどのようなものを指すのでしょうか。文化財保護法では「有形文化財」のうち「美術工芸品」のひとつとして位置づけられています。このうち重要なものは国が指定して「重要文化財」と呼ばれます。また、県が指定したものは県指定文化財、各市町村が指定したものは市町村指定文化財と呼びます。
富山県内には国指定(重要文化財)の絵画が4件、県指定の絵画が12件、市町村指定が69件あります。(平成15年4月現在)また、未指定であっても、県内の博物館・美術館や個人が所蔵する貴重な絵画がたくさんあり、多くの種類があります。そもそも「絵画」という用語は明治時代に生まれた用語で、明治15年(1882)に、官設展として「内国絵画共振会」が行われてから一般化した用語です。それまでは、「~絵」「画図」「書画」などと呼ばれており、近現代のように額縁にいれられた絵画ではなく、掛け軸や巻物、屏風に描かれたものが多かったのです。この解説書では富山県内で見ることができる絵画を中心に時代に沿って学習していきたいと思います。
古い絵画、特に文化財の絵画はある約束事によって名称が決められています。ここでは、絵画の名称から読み取ることができる情報を学習しましょう。
絵画の形式です。名称に必ずついているわけではありませんが、名称の末尾に著されることが多いのです。種類には「壁画」「壁貼付」「襖絵」「障子絵」「屏風」「衝立」「絵馬」「扁額」「額」「掛軸」「巻物」「折本」「画帖」「冊子」「色紙」「めくり」「版画」などがあります。
旧状と現状は違う場合があります。例えば、元は壁貼付のものが、屏風に改装されたり、巻物が断簡になって画帖に貼り込まれたり、屏風の一部が掛軸に改装されたりする場合があります。
本紙とは絵や書が描かれている部分で、紙でなくとも本紙といいます。素材は、形式や主題などによって使い分けられますが、注文主の指定によることがあります。「絹本(けんぽん)…絹」「紙本(しほん)…紙」「絖本(こうほん)…生糸の繻子織」「麻」「板」「石」などがあります。
その他、仏画に使われる特殊な技法として、裏箔(本紙の絹の裏に箔を貼って透かせる)と截金(細かい線を泥で描かず箔を切ってあらわす)があります。
日本の絵画では、表具も鑑賞の対象となり、表具の取り合わせの善し悪しは大事な要素で、作品の格、主題や用途によって約束事がたくさんあります。
絵の分類には幾とおりかありますが、ここでは、おおまかには以下のように分けます。
その他、文人画、浮世絵、南蛮絵画、洋風画などに分類される場合もあります。
絵画の理解に、主題と制作者や流派に関する知識は欠かせません。
その他、塗師や染師などの描いたもの、素人の余技にも優れたできばえを示すものもあります。
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