安全・安心情報
更新日:2021年2月24日
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NICU 新生児集中ケア認定看護師 林美智子
富山県立中央病院では、早産で小さくお生まれになった赤ちゃんや病気を持ってお生まれになった赤ちゃんが、1日も早く回復されご両親のもとで過ごせるようスタッフ一同愛情をもって集中治療と看護をさせていただいています。今回は、NICUにおける看護の取組をご紹介いたします。
ディベロップメンタルケアとは早産で出生した低出生体重児や疾患をもって出生した新生児の成長発達を促すケアです。光や音による刺激を緩和し、静かで暗くて温かい子宮内に近づけた環境に調整し、子宮内にいた時の姿勢に近づけたポジショニング(良肢位保持)を行います。赤ちゃんの睡眠覚醒リズムに合わせたケアを行い、体位変換やおむつ交換などでストレスがかからないよう優しい手技でケアを行います。また、家族の協力を得て、肌との触れ合いによる情緒的ケアも行います。
具体的なケアについてご紹介します。
赤ちゃんの頭や背中、手足に優しく触れることで、赤ちゃんの覚醒や行動を活性化させます。またホールディングにより安静を促します。
直接母乳が飲めるようになるまでの間、綿棒に母乳を含ませ赤ちゃんのお口に含ませてあげます。母乳に含まれる免疫物質により感染予防効果があるほか、母乳の匂いや味により赤ちゃんの安心感が得られる効果があります。
赤ちゃんの状態が落ち着きましたら、ご両親の素肌に直接裸の赤ちゃんを包み込むようにして抱き、スキンシップを行います。赤ちゃんと両親双方のストレスが緩和され親子の絆が深まるほか、母乳分泌が促される効果もあります。
子宮内にいた時の姿勢に近づけた良肢位になるようポジショニングを行います。筋緊張が緩和される効果や赤ちゃんの安静が保たれる効果があります。
静かで暗い子宮内環境に近づけるよう、NICUの照明を薄暗くし保育器に遮光カバーを使用しています。また医療機器からの音やケア中の騒音を軽減することで、赤ちゃんにストレスがかからないようにしています。
当院MFICU(母体胎児集中治療室)や産科病棟に入院中の妊婦さんで、赤ちゃんがNICUに入院する可能性があり、産前訪問を希望される方には、出産前にNICU看護師が病室を訪問し、NICUでの赤ちゃんのケアについてご説明いたします。また出産前にNICUを見学することもできます。安心して出産をお迎えください。
保育器で過ごす赤ちゃんの体温測定やおむつ交換、授乳などのケアをご両親も一緒に行えるよう、支援しています。コット(赤ちゃん用ベッド)に出てからは、直接授乳の練習や沐浴の練習をスタッフとともに行います。沐浴はお父さんも練習していただけます。
また、退院後の生活をシミュレーションし、安心して退院していただくため、母子同室をしていただけます。日中のみの同室や宿泊による同室も可能です。
NICUには臨床心理士が週2日勤務しており、ご両親のお話しをお伺いし心のサポートをさせていただいております。産後の体調が優れない、眠れない日が続く、食欲がわかない、育児になかなか前向きになれないなどの心配や不安があり、臨床心理士との面談を希望される方は、面談室(個室)もございますので、安心してご相談ください。
NICUでは、赤ちゃんと少しでも長い時間を一緒に過ごしていただけるよう、ご両親は24時間いつでも赤ちゃんとご面会していただけます。また、新たな家族の始まりを支援するため、祖父母面会、きょうだい面会を行っています。ご家族皆様で赤ちゃんの成長を温かく見守っていただけたらと思います。どうぞ、赤ちゃんに会いに来てあげてください。
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