更新日:2021年2月24日

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基金活動砺波市[一刎]

ふるさとウォッチング 一刎地区

悠久ロマンと水芭蕉 緑の懐で、海も山も手に入れる

悠久ロマンと水芭蕉、氷見市一刎地区

[作成:平成26年3月]

氷見市の山間に位置する、一刎(ひとはね)地区。5月、トンボやメダカが謳歌する中、「一刎水芭蕉園」では水芭蕉が一面に咲き誇り、大勢の観光客が訪れます。一刎では、この「水芭蕉園」をはじめ、「史跡」や「ヒガンバナ」、「花壇」など、地域資源として多くのキーワードを抽出し、村おこしに役立ててきました。生まれ育った里山を大切にし、ひたむきな挑戦を続ける氷見市一刎地区の取り組みを紹介します。

大自然に隠れた 名所!!名所!!名所!!


水辺の生き物たちが見られる水芭蕉園でウォーキング

一刎地区は富山県北西部の石川県境近く、標高150メートルから240メートルに位置する中山間地の集落です。のどかな里山風景が広がり、市の田園空間整備事業により整備された遊歩道は、縄文時代の集落遺跡である「前田遺跡」や「妙好人のよの墓」など地区に現存する多くの史跡を巡るコースになっており、山間のフレッシュな空気とあわせて楽しむことができるため、毎年多くの観光客が訪れます。
中でも氏神社「八幡宮」には、浄土真宗の布教や本願寺の再興で知られる「蓮如上人」が3日間滞在したという言い伝えがあり、社殿内には蓮如上人が柱に書き記したと伝える「名号」が現在も残っています。


「妙好人のよの墓」案内看板


蓮如上人が滞在したといわれる「八幡宮」

水芭蕉園の整備と住民の苦労

一刎にはあちこちに湧水が出ていて、かつては水芭蕉が群生していたという言い伝えがありました。地元では、長い間この言い伝えを形にできないかという声がありましたが、なかなか実現には至りませんでした。そこで、地元住民でつくる「一刎活性会」は、平成18年の一刎小学校廃校を期に、地元に残る伝説や史跡などの地域資源を地元活性化の起爆剤にするべく、市の事業を受けて周辺整備に取り組むことを決意しました。
最初に取りかかったのは、旧一刎小学校に隣接する休耕田を「水芭蕉園」として整備することでした。中でも特に大変だったのが水芭蕉の苗探し。当初は一刎の気候や土壌に合う苗がなかなか見つかりませんでしたが、ようやく探し当てた1,000株の苗は、翌年には無事花を咲かせることができました。
園内にはバリアフリーの遊歩道や四阿(あずまや)を設置し、ゆったりと景観を楽しんでもらえるような環境作りを目指しました。その他にも旧一刎小学校校庭やグラウンドを駐車場として開放したり、一刎地区一帯を散策できるように案内看板を整備したりと来訪者のために多くの仕掛けを用意しました。
現在も地区住民にとって心のオアシスであるこの里山風景を保全すべく、一刎活性会のメンバーは清掃活動や施設の修繕など地域の保全に努めています。


水芭蕉園での清掃活動

人気イベント「水芭蕉ウォーキング」


水芭蕉園内

平成20年より交流活動の一環として、水芭蕉園を起点に、地域内の名所や旧跡を巡り、里山の風景を楽しみながら歩く「水芭蕉ウォーキングin一刎」を開催しています。3キロメートルと6キロメートルのコースがあり、小中学生からお年寄りまでが参加できることから、リピーターも多く、近年では市内外から250人以上が参加するイベントにまで成長しました。当日は豚汁を振る舞ったり、地元で採れたワラビやフキなどの山菜や、草餅、山野草、民芸品などの販売が行われており、ウォーキング後の楽しみの一つとなっています。また、通常は祭礼時のみ公開している八幡宮の蓮如上人の「名号」はこのイベントでも見物することができます。

秋の散策に◎!新名物ヒガンバナ

水芭蕉園では広い敷地内で四季を感じてもらうため、平成21年より県の「美の里保全活動支援事業」を受けて計3,000個近くのヒガンバナの球根を植えました。今では自然と株が増え、シーズンになると水芭蕉園の木道沿い約200メートルがヒガンバナでいっぱいになり、秋の散策にはオススメのスポットになっています。


ヒガンバナ

一刎の花壇づくり


一刎の花壇

一刎地区の花の見頃

  • 水芭蕉
    4月中旬〜5月中旬
  • ヒガンバナ
    9月中旬〜10月上旬
  • 一刎花壇
    7月中旬〜9月中旬

廃校となった旧一刎小学校の花壇作りは県内でも有名で、平成9年には林野庁の「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞しました。その花壇を「一刎花壇愛好会」が引き継ぎ、現在でも花壇作りを行っています。
この会は地区の子供とその保護者会や老人会など、約60人ものメンバーで構成されており、デザインから苗植え作業まで行っています。地元住民が汗を流し、一つの目標に向かって作業することで、世代をこえた共通意識が生まれ、花壇は集落みんなの誇りとなりました。そして努力が実を結び、平成23年に「富山県花のまちづくりコンクールで最優秀賞を受賞」しました。

一刎花壇愛好会代表の山外さんは、「毎年1500本前後の生花を使用し、心和む花壇作りを心掛けています。例えば、メインの一年草に宿根草を取り入れて一体的にするなど、一刎の皆さんと考えるオリジナルのデザインは毎年見栄え良く仕上がります」と話しています。

四季折々の風情と地元住民の細やかな気遣いを感じることができる氷見市一刎地区に一度訪れてみてはいかがでしょうか。

緑の懐で、海も山も手に入れる。

[作成:平成13年3月]

一刎地区は、氷見市中心部から約10キロほど山あいに入った戸数110戸、人口約400人の中山間地。小さな集落ということもあり、小学校や保育園は、地域の中心として機能しています。その象徴ともいえる活動が、一刎小学校の花壇づくり。ここで育まれた地域への思いは、今、村全体へと広がっています

花壇は集落みんなの誇り

花壇づくりは児童・教師をはじめ、保護者会や老人会など、集落全体のバックアップに支えられています。一緒に作業する中から世代をこえた共通意識も生まれ、花壇は集落みんなの誇りとなりました。コンクールで内閣総理大臣賞を受賞した実績もあり、県内でも有名です。
10月1日の創校記念日には花壇を囲んで会食の集いも行われています。また、お年寄りに教わりながら昔の遊び道具を作ったり、雪つりをしたりと、1年を通して交流を深めています。

一刎活性会誕生

こうした活動を背景に、平成12年度から農村環境創造基金活動による地区の活性化に取り組むことになりました。まず、集落各層の住民が集まり「一刎活性会」を設立。集落点検・もの知り地図作成に取り組みました。
集落点検当日は、地区の明るい将来を物語るような快晴に恵まれました。3つの班に分かれた参加者は、思い思いに、「良いところ」「改善したいところ」をカメラにおさめました。普段通らない道や見過ごしがちな場所に、貴重な草花や眺めのいい場所を発見し、地域の良さを再確認。もの知り地図に書きこみました。
この成果をもとに、平成13年度はチャレンジ構想の作成と手づくり活動に取り組む予定です。


一刎小学校十四の瞳

「花をキーワードにした村づくり」

住民の自慢は、晴天の日に一望できる有磯海と、その向こうにそびえる立山連峰の景色。高階神社にある杉の巨木は、鳥居に見たてた使い方が珍しく、「氷見の巨樹名木」(平成11年発行)にも紹介されています。残念なのは、かつて群生していた水芭蕉が3〜4株になってしまったこと。休耕田を利用して水芭蕉の復元に取り組んでいますが、なかなかうまくいきません。ぜひ、専門家にご指導いただきたいものです。小学校の近くには、かつていろんな種類の桜もありましたので、それも復元し、花をキーワードにした一刎集落の顔のひとつにしたいと思います。

「形ないものを大切に」

昔、偉いお坊さんを火葬した時、竹の棒をさした所から芽が出て竹が生えたという話が語り継がれています。今は墓だけが残っていますが、わかりやすい看板を作り、地域の伝説として残したいと思います。また、獅子舞は、かつて2日間かけて集落をまわりましたが、今はお宮様に奉納するだけです。担い手である若者たちが勤めを持っているという実情もありますが、ぜひ残していきたい集落の財産です。

「ため池を安全な遊び場に」

集落には3つのため池があり、大切な農業用水です。昔は泳ぎに釣りに、子供たちの格好の遊び場でしたが、いつのまにか危険な場所として、子供を近づけなくなりました。ため池周辺に散策道をつくるなど危険のないようにして、子供が水や水辺の自然に親しむ場にしたいと思います。


お地蔵さんの前では自然と手を合わせて


高階神社の鳥居は、生えている杉の巨木!


平成12年12月9日子供たちも一緒に、
集落点検に出発

氷見市一刎区長 山岡多喜馬


水芭蕉が群生する一刎を夢見て


村のため池にはカモも越冬にくる

お問い合わせ

所属課室:農林水産部農村振興課 

〒930-0004 富山市桜橋通り5-13 富山興銀ビル4階

電話番号:076-444-3380

ファックス番号:076-444-4427

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