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更新日:2021年2月24日
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初夏の乱橋池(写真提供:氷見市)
島尾の浜を背に、広々とした田園地帯を行くこと約1km半、小学校脇で県道を外れると、そこからは里山に包まれた静かな谷間の道が竹林の奥へと続いています。小川がせせらぎ、稲穂が揺れる小さな谷は一見どこにでもあるような里山の原風景ですが、ここは、生息する種類の豊富さで知られる、国内有数の「トンボの宝庫」なのです。氷見市宮田地区乱橋池周辺のトンボと自然を守る活動を紹介します。
[作成:平成23年10月]
常緑樹と笹竹が繁茂する里山、そこからしみだしてくる小川とそれを抱きとめる多くのため池。こうした周辺環境は昆虫や鳥類、水生植物を育み、宮田地区に豊かな生態系をもたらしてきました。特にトンボの成育には最適の環境であり、豊富な数と種類のトンボが見られることから、乱橋池周辺は「トンボの宝庫」と呼ばれるようになりました。
しかし、近年その環境に変化が生じ、トンボの生息空間が脅かされるようになりました。一部のトンボが大きく減少するなど、宝庫の名が揺らぎ始めたのです。
トンボの成育環境を悪化させたのは、耕作放棄地の増加とため池の乾燥化でした。さらにゴミの不法投棄やヘドロの堆積などが加わって、トンボのすみかが少しずつ失われていったのです。
国内有数のトンボの生息地と里山に囲まれた豊かな農村景観を取り戻そうと、地域の人々が中心となって平成16年に発足したのが、「乱橋池周辺のトンボと自然を守る会」です。守る会は毎年「美の里保全活動支援事業」等の支援を受けながら、さまざまな保護活動を行っています。
トンボの成育環境と、緑豊かな景観を回復するため、守る会は、代表的な生息地である乱橋池の再生・保全に取り組んでいます。
特にトンボの成育場所を狭める乾燥化を防ぐため、守る会では毎年水域に侵入する草を除去し、ヘドロ化を改善するためにゴミ清掃を行っています。
最近では増加してきたザリガニによって近隣の田の畦に穴が開けられる事態も多発し、予防策として畦波板の設置なども行いました。
守る会は情報発信にも取り組んでいます。その活動の一つが「生き物観察会」です。今年は、7月30日(土曜日)に市内の小学生の親子32組と会員合わせて70人が参加して、トンボ観察会が開かれ、多くのトンボを見ることができました。
この活動を通して、地域の子供たちに郷土の恵まれた自然に触れてもらい、郷土への誇りを育むとともに、保全活動の地域への浸透を図っています。
※ザリガニは採取して良いのですが、トンボは保護のため採取をご遠慮ください。
生き物観察会の様子
乱橋池での草刈り、清掃活動
乱橋池周辺で確認されたトンボの種類は67を数えており、その数は静岡・桶ヶ谷沼(70種)に譲るものの、単位面積あたりの多さでは日本一を誇っています。
子供たちに人気のオニヤンマ、ギンヤンマはもちろんのこと、羽根の美しさが特徴的なチョウトンボ、緑の胴体が鮮やかなアオヤンマなども多く目にすることができます。(写真提供 二橋弘之氏、二橋亮氏)
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