更新日:2021年2月24日

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基金活動婦中町[新町]

一番の財産は、そこに暮らす住民でした。

「歴史と自然に親しむ丘」で手づくり環境整備

農村環境創造基金活動をきっかけに、自分たちの手で地域の魅力を再発見し、むらづくり活動を続けている新町。夢の実現に向けて一歩を踏み出した新町の皆さんの奮闘ぶりを紹介します。

[作成:平成12年7月] 婦中町=現 富山市婦中町

歴史と自然の丘「新町」の背景

  • 古くは各願寺の門前町として栄えた集落。各願寺のふすま絵には、富山藩主が花見に訪れ曲水の宴を開いた様子が描かれている。これをもとに、平成元年から「ふちゅう曲水の宴」を開催。会場の古里地区(新町ほかの集落からなる)には雅楽のグループや「奴」(やっこ)保存会、短歌サークルがあり、この人材が曲水の宴復活の原動力となった。
  • ほかに、県内最大の古墳といわれる勅使塚(ちょくしづか)、五つ塚など歴史的遺構が集まる新町。また、ため池のひとつ、お池にはジュンサイが自生し、付近にはハッチョウトンボ、モウセン苔も自生している。かつて、富山藩主が城下を展望した丘もあ り、立山連峰までを一望する眺めは、現在も住民の自慢のひとつ。
  • この新町で住民たちが地域資源を生かした村づくり活動を展開しています。

曲水の宴
せせらぎに盃を流し、自分の前を流れるまでに歌を詠み、盃を飲み干すという平安時代の貴族の遊び。

住民の視点に驚いた「もの知り地図」

新町集落の「もの知り地図」と「チャレンジ構想」作成の事業は、地域の現状を探る(1)集落点検からスタートしました。平成9年11月、小学生を含む52名が3コースにわかれ、「歴史の丘ふるさと探訪」をキャッチフレーズに集落を点検。自分たちの手にあまる事業ではと心配顔の役員をよそに、日頃見落としていた地域の良い点や悪い点、役員には思いもつかない意見が次々に出され、みんなの視点と思いのつまった(2) 「もの知り地図」ができました。

(1)今まで気づかなかった魅力がいっぱい。

(2)グループ発表と全体討論で意見をまとめます。

集落の夢を広げた「チャレンジ構想」

  • 平成11年2月に行われた「チャレンジ構想」の作成では、「もの知り地図」にあげられた(3)課題の整理からスタート。参加者の意見や課題の緊急性を確認しながら、むらづくりのテーマを3つにまとめ、グループごとに具体的な方法を話し合いました。住民の意見の中には、集落公民館周辺の整備ほか、個人病院の桜の手入れについての意見もあって驚かされました。
  • 周辺集落は、当初「新町が何かのモデル地区になったそうだ」という程度でした。しかし、(4) チャレンジ構想をまとめて地区総代会で報告したところ、改良箇所の大部分は同じ古里地区の他の集落と重なるため、事前に連絡が欲しかったとの意見も出され、関心の高さがうかがえました。
    • 歴史グループ………………学習、散策コースづくりとその整備
    • 自然グループ………………保護、散策コースづくりとその整備
    • 特産品グループ……………地元の竹林を生かした特産品開発

(3)集落のテーマやキャッチフレーズを決定

(4)住民みんなの夢と希望をもりこんだチャレンジ構想図

反応の大きさに驚いた「環境整備」

平成11年度、(5)手づくり環境整備事業で12枚の看板を作成。集落の労力奉仕デーに、それぞれの場所に立てました。しばらくすると、「歳をとっていても、知らずにいた歴史があった」「何気なく使っていた地名に、こんな理由が隠れていたのか」など、集落の歴史や由来があちらこちらで話題になりました。また、「看板の年号に西暦も入れて欲しかった」など、幅広い世代から注目されていることを実感。小学校からは「子供たちの地域への関心を高めるのに、とても良かった」という声も聞こえてきました。

▲(5)12枚の看板を立てました。▼

夢を実現するためのハードル

グループの責任者となった人たちは、仕事に追われながら特産品づくりに頭を悩ませたり、先進地を見学してあらためて資金不足を痛感しています。農作業の合間という制約もありますが、地域の資産を生かしたいという当初の熱意を忘れず、実現をめざしたいと思います。

婦中町新町自治会長 荒木宗男

お問い合わせ

所属課室:農林水産部農村振興課 

〒930-0004 富山市桜橋通り5-13 富山興銀ビル4階

電話番号:076-444-3380

ファックス番号:076-444-4427

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