更新日:2021年7月5日

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基金活動八尾町[高善寺]

井田川沿岸地区に広がる豊かな農村

富山市八尾町の北西部に位置する井田川沿岸地区は、かって、井田川流域農地三千ヘクタールの大半が常に水不足に悩む一方、ひとたび氾濫すれば旧婦中町に及ぶ五千六百ヘクタールで水害が発生し、住民にとって、水との戦いに苦しむことの多い地域でした。
このような苦難の歴史は、先人たちの五穀豊穣と自然との共生を願うひたむきな姿勢と、粘り強い取組みによって克服されてきました。

合口用水とビオトープを守る会の取組み

「水と親しむ環境教育の場づくり」

高善寺集落では、地元の小学生と一緒に、ほ場整備前に実施した「田んぼの生き物調査」によって、ホタルが舞い、蛙が合唱し、小川にはドジョウや小魚が生息する希少な生態系が確認されていました。この結果をふまえて、平成二十三年、県営ほ場整備事業の環境配慮型水路づくりに併せ、ビオトープが造られることになりました。

「絶滅の恐れがある生き物を救おう!」

生き物調査の結果は、パネルにされ、小学校の教材に活用されるとともに、地域のイベント等でも広く展示されました。この調査で発見された貴重な生態系を保全し、学習の場としての地域資源を残そうとの気運が高まりました。整備されたビオトープは、今後、希少な農村地域の生き物の保護と、田んぼや用水に親しむ体験学習の場として活用されていきます。

地元小学生の生き物調査

 

合口頭首工周辺を美の里保全に

井田川合口頭首工の構造は、水式のゴム引布製ゲート(通称ラバーゲート)ですが、完成時(平成四年度)には、国内最長の規模として注目されました。工事中はもとより、現在も、毎年行われている施設見学会で見学者を驚かせ、ちょっと変わった風船ダムとして人気を博しています。
今回整備された環境配慮型水路とビオトープは、この井田川合口頭首工や管理棟に近く、合口幹線用水沿いに位置し、水は年間を通して潤沢です。地区では、良好な維持管理も目的に、この合口頭首工の一帯を美の里として保全していくこととされました。

井田川合口頭首工(通称ラバーゲート)

 

桜並木の遊歩道づくり

最初の活動は、合口頭首工からビオトープまでの合口幹線用水沿いを、瓦チップを敷いた遊歩道とし、桜並木にするための苗木を植栽することでした。地元の皆さんや井田川沿岸土地改良区の役員による「合口用水とビオトープを守る会」の活動がスタートしました。
今後はビオトープを中心に、水生植物の花壇づくりとともに、案内看板やベンチも設置し、地元小学校とも一体となって、子供たちの体験学習の場としての活用を進めることとされています。

体験学習を通じて

農業用水と水源林の関わりを知る

農業用水の安定的な供給と国土の保全には、水源地域における森林が大きな役割をもっています。井田川沿岸土地改良区では、平成二十年度から農業用水水源地域保全対策事業を実施してきましたが、昨年度からは、「土地改良施設見学と白木峰植樹」と称して、体験学習を取り入れた活動が行われています。水の恩恵を受けている下流地域の農家や地域住民の皆さんが、水源地域の現状や課題についてもっと理解を深め、「森林により涵養された農業用水」の有効利用を一層促進する活動として実施されています。
井田川の水源と称される白木峰において、広葉樹(けやき・ぶな・みずなら)の植樹、下草刈や添え木立ての活動を行っています。このような活動を通じ、水源林の必要性や重要性の理解が深まったと、毎年六十名の参加者からも高い評価が寄せられています。

白木峰で植樹に取り組む皆さん

 

施設見学とサクラマス放流体験

農業用水は田畑をうるおし、のどかな田園風景をつくりあげています。
また、私たちの地域を流れる井田川や地域用水は、私たち人間だけでなく、水辺の動植物にとっても大切な住まいでもあります。井田川沿岸土地改良区の受益内には三つの小学校があります。これらの学校では、総合学習の教育の場として、施設見学会などの取組みを行い、用水や森林、そして豊かな自然の大切さについて学んでいます。

「元気に帰っておいで」とサクラマスを放流

お問い合わせ

所属課室:農林水産部農村振興課 

〒930-0004 富山市桜橋通り5-13 富山興銀ビル4階

電話番号:076-444-3380

ファックス番号:076-444-4427

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