農業用温室の取扱いについて
これまで当県では、建築物とみなさない農業用温室の運用はビニールシート等の薄い材料のものしか対象としていませんでしたが、社会情勢の変化及び技術革新に伴って新たな形態の農業用温室がでてきていることから、運用を見直しましたので公表いたします。
改正後の運用
建築基準法第2条第1号で、建築物は「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)・・・」とされていることから、農作物等の栽培に使用される農業用温室についても、以下のものを除き建築物に該当するものとする。
①架構部材の種類にかかわらず、屋根をいわゆる農業用ビニールハウスと同様に容易に取付け、取外しができるビニールシート等の薄い材料でふいたもの
- ①のうち、一時的にでも農作物等の栽培以外の用途とする場合や火気を使用する場合は消防部局と事前協議を行うこと。
②次のイ)及びロ)に該当するもの
イ)①に該当しないもののうち、屋根が自由に取外しでき、通常の屋内的用途に供さない(農作物の育成・栽培のみを目的に設置され、以下のいずれにも該当しないこと。)もの
(1)園芸植物の展示やいちご狩り等、内部を不特定多数の利用に供するもの
(2)主として人工的光源によるもの
ロ)防火・準防火地域内においては、周囲からの延焼による火災の拡大を防ぐため、建築基準法施行令第136条の2の2第1号と同等以上の対応が行われているもの(ビニールなどの薄い材料による温室の場合を除く。)
- ②のうち、ビニールなどの薄い材料による温室の場合以外は消防部局と事前協議を行うこと。
備考
- 大規模で屋根の取外しに長時間かかる場合(「大規模園芸用プラスチックフィルムハウス設置事例集」【一般社団法人日本施設園芸協会発行】参照)、大掛かりな足場や重機又は専用工具の使用が必要な場合は①ではなく、②での判断を検討すること。
- ②により建築物に該当しないと判断した場合は、最低限の安全性を確保するため、以下の要件に留意し、施設管理者の責任で適切に維持管理すること。
- 園芸用施設安全構造基準(一般社団法人日本施設園芸協会発行)等に基づき、必要な検討がされていること。
- 規模に応じた適切な避難等の計画が行われていること。
- ボイラーなど、内部で火気を使用しないこと。
- 屋根以外の部材についても、台風等の暴風時前に風の影響を受けない程度まで部材の取外しができること。
- 設備機器の設置により、屋根の自由な取外しに支障があると判断される場合は、②には該当しないとして建築物とみなす。
関連ファイル