第22回富山県食育推進会議(令和5年12月21日開催)
会議概要
日時
令和5年12月21日(木曜日)14時00分~15時30分
場所
ホテルグランテラス富山4階瑞雲の間
出席者
委員18名、代理出席4名(委員数25名)
次第
1.開会
2.あいさつ
3.食育推進活動の事例発表
コミュニティカフェ・カフェゴッコ 代表 広野 美代子 氏
4.議事
5.閉会
主な意見
食育推進運動の展開と推進体制の充実
- 食育のすばらしい取組みがたくさんあるのに、実は知らない県民も多いのではないかと思うので、知らせる、届けるというところが重要。
家庭における食育の推進
- 野菜を多く食べることも減塩も啓発の取組みを行ってはいるが、なかなか実現できていないというのがデータとしても出ている。
- 野菜の摂取量が減ったり塩分量が増えたりする原因は、核家族が増え、食べ物を自分たちで好きに選んで食べられるからではないか。
- 若い親世代は病気がないため検診もしないというところがあり、なかなか自分の食生活を見直す機会がないことを危惧している。
- 子どもは学校給食で野菜を食べているが、働き盛りの若い親が全然野菜を食べていない。
- 野菜の摂取量をチェックすることができる機械があるので、これをいろいろなところに設置すれば、自分の現状を認識し、食生活を見直す人も増えるのではないか。
- 減塩は長い間根気強く取り組めば、舌が慣れてくる。地道に続けていくことが重要。
- 外食で塩分量が多い味に慣れてしまうと、家で料理をするとしても濃い味付けをしてしまう。
- 口の力や舌の力がない人が増えてきており、食のバリエーションをしっかりつけたものを家庭で食べることが大切。
- 高齢者においては、しっかり食べて栄養を摂ることが大切。
- おいしく、栄養もある富山の魚をこれからも提供していくという面で今後も食育をサポートしていきたい。
学校、保育所等における食育の推進
- 保育所で一部、朝食を食べてこない子がおり心配していたが、かなり「早寝早起き朝ごはん」は浸透してきており、意識している人が多い。
- 保育所に来ている子は、給食やおやつを食べるため、栄養バランスのとれた望ましい食生活になっているが、家庭にいる場合はなかなか規則正しく生活することが難しいという話を聞く。
- 保育所で足をちゃんと地に付けて食べることを指導すると、噛み方がしっかりし、鼻呼吸もできるようになり、風邪が少なくなったということがあった。食の専門家による指導の機会が重要。
- 学校給食の時間等、日常的にいろいろな場面に応じて、タイムリーに子どもに指導していくことが重要。
- 子どもへの指導と同時に教員の意識改革も必要。
- 学校給食は栄養バランスの面で非常によくなってきているが、子どもたちの食べ方、食事中の話の仕方、箸の持ち方などのマナー面については年々雑になってきているように感じている。
- 学校給食で、富山の旬の食材をおいしく食べてもらい、主観的に好きだと思ってもらうことがまず一番。持続的に好きになるという意味では、なぜ美味しいのか、うんちく、エコ、食品ロスといった食に関わるいろいろな話、知識も給食にあわせて指導してもらえれば、食に関する関心も高まるのではないか。
- 栄養士等になるために学んでいる学生たちでも、食育に興味はあっても実践はできていない学生がたくさんいる。
- 学生たちが、食育推進全国大会にボランティアとして参加し食育について学んだことが、ゼミで食品ロスやフードドライブに取り組むことにつながったので、こうしていろいろな種を少しずつまきながら広げていくのが食育なのかなと思う。
- 食は多くの人が好きで関心のあることだとは思うが、一方で食生活改善を行動に移すとなると、自分で必要性を納得できないとなかなか難しいため、自分の現状をデータや数値で可視化することが有効なのではないか。
地域・職場における食育の推進
- こども食堂で、よごしやおひたしなどの最近の子どもたちが好まなさそうなものも提供してみたところ、意外にも喜んでもらえた。隣の子どもが食べるのをみて、自分も食べてみようとなる。
- 塩分摂取を減らすには、自分がどれくらい塩分を取っているか知ることが重要なため、高齢者の特定検診の中に1日の塩分摂取量の計測を加えてほしい。
地産地消や食の循環・環境に配慮した食育の推進
- 今農業者は、肥料・農薬等が値上がりする中で大変な思いで作っているので、農業者を応援する意味でも、できる限り富山のもの、国産のものを食べてほしい。
- 燃料高騰、食品の値上げ、物価高という現状においては、食品ロスを削減するチャンスと考えている。
- 食品ロスを半減させるために様々な取組みをやっているのはわかっているが、富山県の今の食品ロスがどれくらいなのか、(集計中とのことだが)数字として早く見えるようにしてほしい。
- 「地元産は必ず安心」という言い方は、他のところで作られた野菜は有害なのか?ということにもつながるため、あまりよくないと思う。
魅力ある食文化の継承
- 「食育は家庭から」とは言われるが、核家族化により難しい状況になってきている。食べ残しをしないとか、伝統料理・行事の季節の料理を大切にするなど、小さなことを言い続けて次世代へ伝えていきたい。
資料