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更新日:2021年7月1日
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僧ヶ岳の雪絵。春、雪解けが進むと残雪によって笠をかぶった虚無僧が出現。
雪絵と農作業との関わりは、地域の民謡「布施谷節」にも歌われています。
笠破地区は、黒部市と魚津市の境を流れる布施川上流の中山間地域にあります。
春の雪どけが進むと僧ヶ岳に現れる虚無僧の雪絵を目安に農作業を行う風習が今も残っています。
高齢化や、過疎化、農業の担い手の減少、鳥獣被害の発生など様々な問題を抱えながら、みんなで支え合い、地域のすばらしい資源を再認識して、その価値観を次世代に伝えていこうと地域一丸で活性化に取り組んでいます。
過疎化、高齢化の進展に伴い、農業の担い手不足、耕作放棄地の発生等が深刻化している中で、平成4年度に布施川の12カ所の取水口を統合した笠破頭首工が完成したことを契機に、施設周辺の環境整備と「人・もの(棚田、水、山菜、自然)を利用した村おこし」への取り組みが議論され、地域住民の協働による「むらづくり」が動き出しました。
「むらづくり」への取り組みは笠破集落周辺の田籾、池尻、福平集落へも広がり、4集落の住民らで組織する「布施谷ふるさと活性化委員会」が平成10年4月発足し、毎年11月に「布施谷まつり」を開催することとなりました。 「布施谷まつり」は、地域住民の協力を得て、春先から仕込んだ山菜加工品、新鮮な地元産野菜、収穫したそばに付加価値を付けた「よもぎそば」、木炭などを販売しています。布施谷地域の味覚等を求め、多くの人々が訪れる地域の一大イベントとして定着しています。 また、山菜料理を知らない若い世代のために、料理方法を書いたレシピの配布や実演販売など、住民たちの工夫を凝らした取り組みも行われています。 |
11月に行われる「布施谷まつり」 |
イベントの開催と呼応するようにして、農業についても話し合う機会が増え、4集落による集落営農組織を設立しました。さらに県単独事業の活用により、これまで人力では困難であった耕作放棄地に機械力を導入し、昔から地域で栽培されていたソバ栽培に力を入れるなど、再生作業に取り組んでいます。
耕作放棄地を抱える集落では、「現状維持するだけで精一杯」という雰囲気から、「確実に放棄地を減らせる」という雰囲気に変わり、電気柵の設置など鳥獣被害対策にも積極的に取り組んでいます。
地域では、農作業が終わった後は炭焼きが盛んに行われていたことから、地元の高齢者が中心となり製炭組合を設立しました。途絶えていた炭焼きを復活させ、布施谷まつり等のイベントや近隣市町村で販売しています。 ソバ栽培や炭焼きなどが復活したことから、地元小学校と連携し、そば打ち、炭出し体験等を行い、地域の良さ、地域の魅力、地域の生活文化をはじめ、農業、林業への理解を深め、後世に引き継いでいくための活動にも積極的に取り組んでいます。 |
山菜加工 |
これまでの取り組みが評価され、平成18年には布施谷ふるさと活性化委員会が「豊かなむらづくり」農林水産大臣賞を受賞しました。 布施谷まつりは現在、約100名のボランティアの協力を得て開催されています。 「まつり」をはじめ、ソバ栽培等の活動による多くの人たちとの交流が、地域を元気にしています。 活動の継続や大臣賞受賞が、地域住民の"自分たちにも出来る"という「自信」と「誇り」になっています。 今後も、中山間地域は、過疎化、高齢化、農業の担い手不足等が進展し、厳しい状況が続くと考えられますが、地域の素晴らしい資源に目を向け、再認識し、その価値観を次世代に伝えていく活動を、継続していくことが大変重要です。そして、笠破集落をはじめとする布施谷地域が従来から持っている相互扶助の力を大いに発揮し、「みんなで支えあう、誇りと希望に満ちた郷」となるよう今後も地域一丸となって取り組んでいきます。 |
小学生そば打ち体験 |
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