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更新日:2021年2月24日
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ひまわり大作戦に参加した地元住民とヤギたち
小菅沼集落は、魚津市街地と富山湾、能登半島を見下ろす里山にあります。室町時代から、松倉城を中心に北陸山街道の要所として栄えました。しかし、少子高齢化や離村などによって住民が減少し、現在は8世帯だけとなっています。農・林業の担い手の激減や鳥獣害の発生など、典型的な中山間地域の問題を抱えた集落が、高齢者と共に活性化をめざす取り組みを、「ヤギの杜」の活動を中心に紹介します。
[作成:平成24年3月]
平成20年、集落外の非農家を含めた12名の有志が、「小菅沼・ヤギの杜」を結成しました。里山の保全をテーマに、高齢者でも安心して生活できる傾斜地の集落づくりを進めようと、集落の理解を得ながら森林・竹林整備、炭焼き、耕作放棄地の再生や、小学生と連携した稲作アートの製作などを行っています。
活動のパートナーとして、集落員を上回る18頭のヤギが活躍しています。ヤギたちの主な仕事は畦畔の除草や野生動物の侵入を抑制することです。
平成23年の稲作アート
ヤギの係留方式による野生動物対策
再生土壌で栽培した漬菜類
平成20年10月、「魚津市中山間地域連絡協議会」の協力により、耕作が放棄され、雑草に覆われた棚田の除草を行い、その後で雑草の生長を抑制する目的も兼ねて、地力増進作物であるヘアリーベッチの種をまきました。ヘアリーベッチはまた、生長後に田畑にすき込むと土をやわらかくするとともに、肥料(緑肥)としての効果も発揮する作物です。こうした作業によって土壌が改良され、作物の栽培が可能になったことから、22年には薙畑(焼畑)による赤蕪栽培や野生動物による被害を受けにくいサトイモなどの栽培に着手しました。23年には、漬物となる野沢菜・高菜・キャベツなどの栽培を始め、加工品の生産の準備を進めています。
昨今、竹林を含む森林管理が困難になっています。「小菅沼・ヤギの杜」では、平成21年より冬期の除雪の障害となる竹などを集材し、炭焼きを行っています。竹の枝葉や枯れた稈は、畑の土壌改良や雑草抑制に用いるチップにして、炭焼きをする際に出る竹酢液とともに販売しています。
竹林整備によってバッファーゾーン(緩衝地帯)ができたことから野生動物の侵入が抑制され、竹林でタケノコを生産することができるようになりました。親竹になる前に切り取った先端部分も穂先タケノコとして試供販売しています。
小菅沼集落の活性化をアピールするため、平成23年度より、毎年5月に魚津市で開催される「のろし祭り」への出店を始めました。当集落が出店する「すがま茶屋」では、集落の人びとの協力により、農林生産物・加工品の企画・販売を行っています。
現在、平成24年10月に開催される予定の第19回全国山城サミット魚津大会への参加準備を進めています。
▲竹チップの製造
「集落を彩るひまわり」
小菅沼では、「中山間地域等直接支払交付金」を活用し、集落の活性化に努めています。その一つに、魚津市の中山間地域の23集落で結成した「魚津市中山間地域連絡協議会」の活動である『ひまわり大作戦!』があります。今年度で3年目を迎えるこの活動では、耕作放棄地発生防止を目的に、当集落の農用地を活用して景観作物のひまわりを植付けています。このイベントには集落内外からもたくさんの協力者が集まります。普段は接点が少ない遠くの集落の人々とも交流することができ、小菅沼集落に賑わいをもたらしています。
もちろんヤギも助っ人として参加するので、地元の子どもたちにも人気のイベントとなっています。
▲ひまわり大作戦の看板
「ワタシたちに「メェメェ」してね」
小菅沼では、毎年仔ヤギも生まれ、地元小学生に名前をつけてもらう『メェメェ式(命名式)』を行っています。名前をつけてもらった仔ヤギたちは、冬の間集落の元気なおばあちゃんたちに面倒を見てもらいます。平成23年度には木材でヤギのシンボルマークをチェーンソーアートにより作製して、集落の入り口であるポケットパークに設置しました。ヤギは作業の面でも活性化の面でも切っても切れない重要なパートナーになっています。
▲ヤギとふれあう魚津市内の児童たち
▲小菅沼のおばあちゃんとヤギたち
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