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更新日:2021年2月24日
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壁は、屋外と屋内を区切る外壁と、屋内の部屋を区切る間仕切り壁があり、空間を区切るものですが、構造物(屋根・小屋組)の荷重を支える重要な用途もあります。
日本建築の場合、古くは茅やススキなどの草壁であったものと思われますが、次第に土壁や板壁が取り入れられていきます。板壁の古いものは正倉院(校倉造)などに見られますが、板材の確保が困難であり一般的なものではありませんでした。一方、土壁は耐火性、耐久性の面でも有利であり、中世以降は一般家屋にも普及していきます。また、寺院や高級家屋には漆喰(しっくい)仕上げと呼ばれる華麗な白い装飾壁が用いられました。
さらに、漆喰壁が発展し、なまこ壁や鏝絵(こてえ)と呼ばれる芸術性の高い壁も作られました。
なお、土壁には壁と柱の関係から真壁と大壁に分けられます。
【真壁(しんかべ)】
柱や梁等の建築材は塗らず、露出した状態で仕上げるもの。一般的な手法である。
【大壁(おおかべ)】
柱や梁等の建築材も壁の中に取り込んで塗る仕上げるもの。そのため、外見からは建築材は見えず、大きな漆喰壁を見せようとするときなどに用いられる。
【なまこ壁】
平瓦を貼付け、そのつなぎ目を漆喰(しっくい)でなまこ形に塗り上げたもので、防火防水、匠意を目的とした壁。
これが発展して瓦は用いずに漆喰の盛り上げだけで格子型、亀甲型、七宝つなぎ型、松葉菱型など様々な意匠も見られる。ここに人物や文様などの立体彫刻を施したものは鏝絵(こてえ)と呼ばれる。
【板壁】
木の板を張り、仕上げるもの。板の張り方から縦板張、横板張、下見張等がある。日本では縦板張りが主流の方法だったが、明治以降の洋風建築の導入とともに横板張りや下見板張りの例が増えてくる。
*下見板張り・・・横板張りの応用例で、板の上面縁と上部の板の下面縁を重ねる事で風雨の吹き込みを防ぐことができる。
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