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更新日:2021年3月23日

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知事記者会見(令和3年度当初予算、組織案)[令和3年2月18日(木曜日)]

  • 日時 令和3年2月18日(木曜日)午前10時00分~12時00分
  • 場所 議会大会議室

1 知事からの説明事項

(※)配布資料は「関連ファイル」からご確認ください。

内容 動画
令和3年度当初予算のポイント
  • 資料1 予算規模
  • 資料2 令和3年度当初予算のポイント

特別重点施策等の主な事業
  • 資料3 重点政策別の主な事業
  • 資料4 富山八策対応状況
  • 資料5 主要事業一覧
令和3年2月18日 知事記者会見(令和3年度予算案)-説明事項-の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(34分11秒)
令和3年度の組織の見直し 等
  • 資料6 令和3年度 行政改革の概要
  • 資料7 行財政改革等の取組み(事業の見直し)
令和3年2月18日 知事記者会見(令和3年度の組織の見直し等)-説明事項-の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(18分24秒)

2 質疑応答

内容 動画

(1)今回の予算に込めた思い、キャッチフレーズについて
(2)公約の予算への反映について
(3)県債残高が増えたことの受止め
(4)88の政策の予算等への対応状況を公開した思いについて
(5)今回の発表スタイルについて
(6)財政健全化をどう進めていくか
(7)今回の予算編成において一番苦労した点は
(8)今回の組織改編に込めた思い
(9)予算や組織に反映した88の政策の中で思い入れのあるもの3つ
(10)副知事複数制の導入について
(11)大型施設の整備について
(12)総合政策局を知事政策局に改編する意図は
(13)少人数教育の推進について
(14)サンドボックス枠を設けたねらいは
(15)中小企業の支援について
(16)富富富の戦略推進事業の見直しについて
(17)令和の公共インフラ・ニューディール政策について
(18)富山きときと空港運営のあり方調査について
(19)DXの推進について
(20)インフルエンザ予防接種の助成事業について
(21)とやま起業未来塾の休止について
(22)副知事複数制に係る条例改正案の県議会への提案日について

令和3年2月18日 知事記者会見(令和3年度当初予算、組織案)-質疑応答-の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(1時間9分52秒)

注)上記は質疑応答の内容を大きく分けた項目であり、順番が前後している場合があります。

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3 記者会見録

1 知事からの説明事項

会見写真1(1)令和3年度当初予算案

 今日は大きく2つのことを申し上げます。
 令和3年度予算のこと、それと組織改革についてご説明したいと思います。
 それではまず初めに、2月26日開会の2月定例県議会に提案いたします令和3年度予算案についてでございます。
 一般会計の予算額は6,335億7,501万円となりました。昨年度当初比で624億円、10.9%の増、これは平成11年度の6,176億2,000万円を上回って、過去最大の規模となります。
 これは中小企業向けの制度融資や、国の交付金を活用したコロナ対策経費が大幅に増加したことによるものです。なお、当初予算と一体的に編成しました2月補正予算を合わせた14か月予算としては、6,701億円となります。
 次の資料をご覧ください。
 今回の予算のポイントについてです。
 まず、感染拡大の防止や医療提供体制の整備、事業継続、雇用の維持、経済活動の回復などの新型コロナ対策です。
 次に、新しい富山県の創造や官民連携の取組みを進めるため、富山県新成長戦略枠、そして民需主導枠、これら要求特別枠を設けました。それを産業、経済、女性活躍、子育てなど、8つの重点施策として整理しました。
 さらに、県庁の各部局が新たな課題にスピード感をもって対応するための、部局長の知恵比べみたいになりますが、サンドボックス枠という予算、これも本県としては初めてであると思いますが、新たに設けさせていただきました。
 県民の命と暮らしを守ることを最優先に、県民が夢をかなえることができ、わくわくする富山県を目指して、富山八策、そして88の具体策の実現に向けた事業を盛り込んだ予算となっています。
 主な事業については、後ほど説明させていただきます。
 次の資料をご覧ください。
 行財政改革などの取組みについてです。
 予算編成に着手する11月時点では、税収の大幅な減少が見込まれるなど、大変厳しい状況にありました。そのため、予算要求にあたり、各部局に既存事業の効果や必要性をゼロベースで見直すように指示をいたしました。
 その上で、特に知事として見直しの方向性や具体的な内容を判断すべきものについては、12月、年末ですが、各部局長から直接ヒアリングを行い、内容について議論したところです。その結果、全体として602件の事業について見直しを行い、約10億6,000万円を削減いたしました。
 次の資料です。
 収支の見通しと財源対策についてです。
 昨年11月時点では、約60億円の要調整額が見込まれておりましたから、当初予算編成にあたり、政策の重点化・効率化を図るとともに、地方交付税を含む一般財源総額の確保・充実を全国知事会とも連携しまして、国に強く求めてまいりました。
 その結果、今回の当初予算案では、歳入において地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税が、昨年11月時点から約37億円増額確保することができました。また、今年度の税収状況や県内の経済動向等を踏まえ、県税収入の減収幅が約26(億)円まで緩和されました。へり幅が減りました。それにより、一般財源を約63億円増額確保することができたということになります。
 一方、歳出につきましては、今年度の財源確保のために発行した地方債の増に伴う公債費の増、約プラス3億円ですが、また、道路除雪費の積み増しなど、降雪への備えの増、これが約1億円生じております。
 他方で、先ほども説明しました事業の見直しなど、行財政改革の取組みで約8億円の歳出の削減、また大型施設整備のスケジュールの見直し(による)約マイナス5億円といった歳出の抑制にも努めました。
 こうした歳入・歳出両面からの取組みによりまして、要調整額の60億円を解消するとともに、さらに新しい富山県の創造に向けた政策を積極的に推進するための財源も、若干ですが確保することができました。
 なお、令和4年度以降につきましては、今後の経済情勢にもよりますが、引き続き一定の要調整額、これは現状での見積りですが、令和4年度では26億円、令和5年度では31億円が見込まれています。財政の収支は当面厳しい状況が続くと覚悟しているところでございます。
 ページ後ろには、中期的な財政見通しの内訳資料というものを参考に添付していますので、ご参照いただければと思います。これについての説明は特にいたしません。
 縷々述べましたが、今後とも行財政改革を推進しますとともに、国に対して地方税財源の確保・充実を引き続き強く働きかけるなど、本県財政の健全化に努めてまいりたいと考えております。
 次の資料をご覧ください。
 県債の残高等についてです。
 令和2年度は国の第3次補正予算案に呼応した公共事業等の大幅な前倒しがあったこと、県税収入の減少を減収補填債により賄ったことなどから、今年度末において県債残高が増加に転じる見込みとなりました。
 また、令和3年度は地方の財源不足の拡大に伴い、近年減少傾向でありました臨時財政対策債の発行が大幅に増加します。また、令和の公共インフラ・ニューディール政策を推進することなどにより、令和3年度末の県債残高はおおむね令和2年度末と横ばいとなる見込みです。
 財政調整基金については、令和2年度において新型コロナ対策として12億円を取り崩すこととしておりましたが、地方創生臨時交付金の増額などをいただいたことから、これを取り崩さないでも済むことになりました。
 また、令和3年度の当初予算においても、財政調整基金と県債管理基金を取り崩さずに編成したことから、令和3年度末での残高の見込みは約164億円となり、これは大規模な災害、あるいは経済不況などの不測の事態への備えとして、標準的な財政規模の5%程度の水準を維持することができ、財政の健全性確保にも努めたところでございます。
 次の資料をご覧ください。
 中長期的な財政見通しについては、先ほど申し上げたとおりです。
 次の資料をご覧ください。
 重点政策別の主な事業についてご説明を申し上げます。
 初めに、やはり新型コロナウイルス感染症に係る感染防止対策、医療提供体制の整備です。
 医療機関等への支援、また、検査・診療体制の確保のために、全体で82億6,015万円の予算を計上しております。主な事業として、新型コロナワクチンについては、迅速かつ適切に摂取するための体制を確保します。
 また、地域外来・検査センターを引き続き設置、かかりつけ医等からの紹介でPCR検査を受けられる体制を整えます。このほか、新型コロナ感染症患者等の入院病床の確保、受入れ医療機関において必要となる設備整備への支援、軽症者等の宿泊療養施設の確保・運営など、医療提供体制の充実・確保に万全を期してまいります。
 次に、事業の継続と雇用維持、経済活動の回復についてです。
 中小企業リバイバル補助金については、地域事業再生(※地域企業再起)支援補助金の内容を大幅に拡充した上で、新たにNPO法人や医療法人なども対象として、そしてオンライン申請も可能といたします。
 コロナ離職者再就職支援事業ですが、新型コロナの影響により離職された方を正社員化した県内中小企業に対し、助成金を支給することで、コロナ離職者の再就職を支援するものです。
 新型コロナに係る公共交通支援事業につきましては、利用の激減による交通事業者の深刻な状況を踏まえ、減便を控え、運行を維持するための運行経費や、感染防止費用、車両維持に係る費用を支援するものです。
 次に、新型コロナの影響への経営支援についてです。
 事業再編推進事業ですが、事業承継の現状を調査し、事業承継支援の指針となる富山県事業承継支援戦略を改定するとともに、普及啓発を行うことを目的にしています。
 また、県の制度融資として新たにDX推進資金、ビヨンドコロナ応援資金、経営改善サポート資金の3つのメニューを創設し、県内企業の資金繰り支援を行います。
 アフターコロナを見据えた観光地域づくり支援事業につきましては、旅行商品の開発、デジタル技術の活用など、新たな観光ビジネスに対し、支援をしていくものです。
 次に、新産業の創出、産業競争力の強化について(です)。
 富山県成長戦略会議につきましては、人口減少や少子高齢化が進む中、富山県が新型コロナによる厳しい経済情勢を乗り越え、さらに発展するためのビジョンや戦略を策定するものです。くすりコンソーシアムについては、医薬品生産額1兆円の実現に向けて、引き続き医薬品産業の振興、専門人材の育成・確保に取り組んでまいります。
 5G利活用推進事業については、5GとVRを組み合わせた新しい旅行スタイルの実証などを行います。
 高岡テクノドーム機能拡充等の事業につきまして、別館の整備に向け、民間活力の導入の可能性に係る調査等を行うことにしております。
 次は、起業、UIJターン・移住の支援です。
 ベンチャー支援施策を牽引する主体として、とやまベンチャービジネス支援協議会を令和3年中に設立します。また、富山市蓮町の創業支援施設・UIJターン者向けの住居の整備を着実に進めるほか、インキュベーション施設に特化したハード・ソフト両面での補助制度を新設いたします。
 起業家支援については、これまで東京23区の在住者等を対象としていた起業家育成プログラムや起業支援金を、東京23区から全国に拡大いたします。起業家向けの移住支援金・全国型を新たに創設するものです。

 次に、女性が活躍する環境づくりについてです。
 2030年までに、女性の管理職割合全国トップ20を目指して、積極的な施策を展開してまいります。
 まず、女性活躍推進戦略事業においては、県内企業の実態を調査分析し、少数精鋭の有識者による戦略会議において、実効性のある戦略を策定いたします。併せて、富山版のえるぼし認定制度の検討を行ってまいります。
 煌めく女性ネットワーク事業では、企業等の女性リーダーを育成するリーダー塾において、新たに女性幹部候補を対象としたマスターコースを設置します。さらに、男性の家事・育児参画推進キャンペーン事業において、職場対抗でワークライフバランス実現を目指したチャレンジを行い、職場の風土づくりを進めていきます。
 次に、働き方改革、仕事と子育ての両立についてです。
 テクノロジーを活用した働き方改革ラボ事業については、県が率先して県庁内のモデル室課において、クラウド等の民間テクノロジーを活用した具体的な働き方改革に取り組み、その成果をセミナー等を通じて民間及び県内自治体に広く波及させ、県全体の働き方改革を後押ししてまいります。
 プロフェッショナル・副業兼業人材確保プロジェクトですが、県内企業のさらなる飛躍につなげるため、県内金融機関や人材ビジネス事業者等と連携し、高い専門性を有するプロフェッショナル人材や、副業・兼業人材の活用を支援していくものです。
 次に、安心して子育てできる環境の整備についてです。
 富山県小児医療等提供体制検討会開催事業については、次代を担う子供たちの命と健康を守るために求められる小児医療の提供体制に関して、富山こども病院構想を含めて検討していくものです。
 スクールソーシャルワーカー活用事業については、いじめや不登校など生徒指導上の諸課題に対処するため、スクールソーシャルワーカーの派遣に加え、緊急派遣時間の拡充や、新たに未然防止・早期解決に向けた連携ケース会議を実施していくものです。
 新川こども屋内レクリエーション施設については、施設の基本計画策定に向けた検討を進めてまいります。
 次に、データヘルス等を活用した健康増進についてです。
 国民健康保険健康づくり推進事業については、市町村国保が保有する医療・健診・介護情報等のデータを分析し、ターゲットを絞った保健事業の実施を支援するほか、オンライン保健指導が行える環境整備などを行い、保健医療分野のデジタル化に取り組んでまいります。
 また、「みんなで歩いてとやまを元気にしよう!」ウォーキングファンドキャンペーンは、企業からもご協賛をいただき、参加者の皆さんの総歩数の増加に応じ、県がより多くの社会貢献事業を実施していくものです。社会貢献につながる実感を通じて、参加者の歩数の増加を図っていく仕組みです。
 次に、病院経営の安定と医療水準の高度化についてです。
 遠隔医療設備費の補助金は、いわゆるオンライン診療など、遠隔医療に必要な機器の整備を支援し、中山間地、へき地などの地域医療体制の充実を図ります。
 とやま地域医療連携ネットワーク推進事業は、寄附講座を富山大学附属病院に設置し、大学病院等と連携して、医師不足の県内医療機関を支援してまいります。
 ドクターヘリ運営推進事業は、より効果的な運航の在り方について検討を行いながら、引き続きドクターヘリを安全、円滑かつ効率的に運航してまいります。
 次に、医療・介護の人材育成と確保についてです。
 感染症対策専門員養成事業は、医療従事者を対象に、院内感染の専門家による研修会を開催し、医療機関において感染防止対策の中心的な役割を果たす人材を養成するものです。
 介護福祉士養成校魅力アップ事業は、短大等のカリキュラム向上やイメージアップを支援し、高校生の県内進学を後押しするとともに、地域人材の参入を促すものです。
 介護助手制度の導入検討は、地域の元気な高齢者の方々に、モデル施設で介護の周辺業務を担っていただく実証実験を実施し、介護助手の導入効果や課題の整理、ノウハウの蓄積等を行っていくものです。
 次に、行政のデジタル化、デジタル教育の推進についてです。
 行政手続のオンライン化推進事業については、電子申請可能な手続きを拡充してまいります。また、電子入札システムを県と市町村が共同で調達・利用し、経費縮減や入札参加者の移動をなくす等、サービス向上に努めてまいります。
 また、DXを担う人材育成と研究強化を図るための拠点施設として、県立大学DX教育研究センターの整備を進めてまいります。
 データサイエンス連携推進事業につきましては、富山大学が設置する富山データサイエンス推進機構に、富山県としても参画いたします。そして、データサイエンス教育の推進を図っていくものです。
 次に、ワンチームとやまの推進です。
 先月19日に市町村長の皆さんと意見交換を行い、ワンチームとやま連携推進本部の設置についてご賛同いただきました。多くのご提案もいただき、当面の課題として、防災・危機管理体制の連携・強化、あるいは自治体行政のデジタル化など5つの項目について連携をし、政策を進めていくことも決定いたしました。
 また、令和3年度当初予算において、これらの項目の関連予算として、災害廃棄物の迅速な処理のための仮置場の設置・運営訓練のほか、共同利用型の電子入札システムの更新に係る経費を計上しております。県内市町村とワンチームで取り組んでまいります。
 次に、稼げる農林水産業の実現についてです。
 地産地消については、新たに飲食店の利用の際にポイントを付与して、抽選で食事券等をプレゼントする企画を実施し、県内の農林水産物の需要を喚起します。
 農林水産物の輸出については、オンラインによる海外ビジネススキル研修や、米等の輸出産地の計画策定支援、伏木富山港からの物流構築の検討などを行います。
 スマート農業については、新設するスマート農業普及センターにおいて、農業高校生や若手農業者などを対象に研修体験会を実施し、スマート農業の技術を駆使できる担い手を育成してまいります。
 富山のさかなのブランド化については、三大都市圏での富山のさかなのメニュー提供や、水産見本市への出展などにより、販路拡大を図ってまいります。
 次に、中山間地の活性化についてです。
 中山間地の活性化には、住民による話合いが大切であり、来年度は話合い支援や情報収集等の集落支援事業の強化に向けて、地域コンシェルジュを現在の1名から4名に拡充、地域の話合いに係る支援額を増額します。
 さらに、将来的な対策としてデジタル化などの新たな技術の活用も大切であることから、ドローン物流の実証、マイカーを活用した住民参加による輸送サービスへの支援などに取り組み、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に努めてまいります。
 次に、安全・安心な地域づくりについてです。
 地域の防災力向上については、市町村とも連携し、自主防災組織に対し資機材の整備や避難訓練の経費等を支援いたします。
 鳥獣被害防止対策については、侵入防止柵の設置や捕獲の強化、鳥獣専用焼却施設の整備等に関する経費に支援をいたします。
 自殺対策についてですが、県内の自殺者数の急激な増加を受け、関係機関とのコーディネートを担う専門職を、自殺対策推進センターに配置いたします。
 DV対策(については)、困難な問題を抱える女性の受入れと自立支援等に取り組む民間シェルター等へ支援し、入口から出口まで継続的な支援が行える体制の構築を図ってまいります。
 次に、スポーツ・文化、伝統工芸の振興です。
 富山県武道館の整備では、実施設計とPFIの導入可能性調査を行います。
 ナショナルサイクルルート推進事業では、富山湾岸サイクリングコースの国のナショナルルート候補の選定を受けたことに伴い、走行環境等の一層の充実に向けた検討・整備を行います。
 伝統工芸文化継承・産業振興プログラムの推進事業では、人材育成から輸出促進まで、一気通貫型の施策や事業を検討・実施する会議を設置し、併せて新たな伝統工芸フェアを開催する予定です。
 とやま伝統工芸REAL&EC展示販売事業では、中国でPR展示会、交流会を開催するほか、越境ECサイトに特設店舗を出店し、リアルとネットの両面から販路の拡大を図ってまいります。
 次に、SDGs・多様性の推進についてです。
 SDGsについては、SDGs未来都市として、県内企業等における優良事例の発掘や、情報発信等を目的としたSDGs宣言の募集のほか、カーボンニュートラル社会の実現に向けた技術革新の取組みや、プラスティック容器包装の削減を促していくなど、県内でSDGsの取組みが促進されるような施策を実施してまいります。
 また、多様性の推進として、若者の発想等を施策に反映させるため、とやまワカモノ・サミット、仮称でございますが、これを開催し、若者から政策提案を受け、意見交換すること、また、特例子会社設立に必要な経費を補助し、障害者の方の安定的な雇用の場を確保することとしています。
 次に、初等・中等教育の充実についてです。
 少人数教育については、国の計画よりも2年先行して小学校3・4年生を対象に35人学級を実施し、令和5年度には小学校全学年の35人学級を実現いたします。
 地域部活動推進事業については、拠点校において実践研究を実施するとともに、地域部活動の在り方検討委員会、仮称ですが、これを設置し、地域ぐるみの部活動支援環境の構築を図るほか、スポーツ・芸術文化活動に貢献する企業の登録・表彰制度を創設いたします。

 県立学校プロジェクト学習推進事業については、主体的な学びを促進するため、プロジェクト学習等の課題実践に取り組む学校を支援してまいります。
 次に、高等教育、リカレント教育の充実です。
 とやま学生居住支援事業では、県内大学に進学する県内在住の子弟を対象に、町内会などでの地域貢献活動を条件として、家賃の一部を支援します。
 県営住宅を活用した学生居住支援モデル事業では、県立大学生を対象に、地域貢献活動への参加等を条件として、太閤山県営住宅団地の空室を提供します。
 県立大学ビジネスパーソン・スキルアップ支援事業について、社会人の学び直しのニーズに応えるため、最先端の研究者によるDX導入支援セミナーなどの講座をオンラインで開催いたします。
 次に、観光需要の回復と高付加価値化による誘客の強化です。
 ウィズコロナ禍における観光需要の回復を図るため、まずは国のGoToトラベル再開までのつなぎの対応として、県民向けの宿泊割引キャンペーンを実施します。
 また、来年度もウェルカム富山県キャンペーンを継続し、宿泊者に対する本県の特産品等のプレゼントを行うとともに、国のGoToトラベル終了後においても、北陸3県が協力して宿泊割引を行うこととしています。
 そのほか、観光地の高付加価値化として、黒部ルートの令和6年度の旅行商品化に向けた取組みのほか、市町村と連携し、外国人向けAIチャットボットの県下全域での導入などに取り組んでまいります。
 さらに、太閤山ランドがICT技術等の活用を通じて子供から大人までが楽しめ、夢がありわくわくする拠点となるよう、調査・検討を実施してまいります。
 次に、空港・港湾、公共交通の整備についてです。
 富山きときと空港については、定期便の運休が続いてはおりますが、新型コロナの収束段階における速やかな運航再開に向け、旅行商品の造成の支援など、利用促進に取り組みます。
 また、新型コロナの影響により、空港の収支が厳しい状況を踏まえまして、今後の空港運営の在り方について、民間活力の導入の検討を含めた調査を行います。
 伏木富山港については、ガントリークレーンの更新や野積場の拡張などにより、物流機能の強化を図るものです。
 そして、城端線・氷見線のLRT化の調査です。
 次の資料をご覧ください。
 城端線・氷見線のLR化については、昨年6月に高岡市・氷見市・砺波市・南砺市、そしてJR西日本さんと検討会を立ち上げ、検討を続けてきているところですが、新年度の取組みとして、沿線の4市で今年度に検討されたまちづくり等の内容に基づく需要予測調査を実施します。
 こうした検討や需要予測調査に基づいて、LRT化、直通化する場合の事業費について調査し、その内容については、鉄道技術の専門家等有識者にご意見を伺うこととしています。これらの各種調査や各市における検討結果を基に、引き続き検討会において今後の方針等を協議してまいります。呉西地域における一つの夢を持てる事業と捉えております。新年度もしっかりと取り組んでまいります。
 次に、令和の公共インフラ・ニューディール政策についてです。
 公共事業は、令和2年度の補正予算と令和3年度の当初予算とを合わせた14か月予算で、前年度費2.9%(増)の889億円としております。これは、デフレ脱却の起爆剤となった平成25年度の865億円を上回る規模となります。
 公共事業の14か月予算は、国の防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策を活用したことにより、平成31年度と令和2年度はそれ以前に比べ大きく伸びていますが、令和3年度は国の3か年緊急対策に続く5か年加速化対策を活用し、さらに上回る額としております。
 また、主要県単独事業も大雪対策やインフラの修繕を維持するため、14か月予算で前年度比5.6%増の179億円としております。これにより、河川の改修や河川のしゅんせつ、伐木、それから、農業用水利施設やため池等の更新整備などの治水・改良・土砂災害対策、また、橋梁などのインフラ定期点検と、計画的な修繕・更新により老朽化対策、道路ネットワークの整備、歩道整備や消雪施設の新設、港湾・漁港の機能強化など、物流と生活を支える社会資本の整備を推進してまいります。
 これらの事業を行うことで、例えば河川、堤防等の整備や道路防災対策等の達成目標を1年前倒しするなど、県土強靭化事業の加速化を図ってまいります。
 このほか、次の資料には県内で整備予定の主な箇所付け、これを掲載してありますので、ご参照いただければと存じます。
 令和3年度予算案に関する説明は以上となります。

(2)令和3年度の組織の見直し 等

 続きまして、令和3年度の組織の見直しについてご説明いたします。
 まず、副知事複数制の導入について説明申し上げます。
 県政の課題が多様化・複雑化している中、よりスピード感を持って政策を進めていくために、副知事を2人体制にしたいと考えております。2月の県議会定例会に副知事の定数を2人にする条例の改正案を提出させていただきます。
 2人体制にすることで、意思決定の迅速化に加え、政府・与党や大企業、海外機関との折衝など多方面で展開することが可能になります。また、昨今のように頻発する自然災害に対する危機管理として、知事また複数の副知事のうち1人が県内に常に在留することにより、万が一の事態の初動体制を常時確保するなど万全の体制を整えたいと考えております。
 そして、政策の大きな柱である女性活躍を推進するシンボルという意味も含めて、2人の副知事のうち1人はできれば女性にお願いしたいと考えております。
 また、副知事複数制の導入により、先ほど説明したとおり、様々な課題に対するトップマネージメントについて体制の充実・強化が図られることから、公営企業管理者と政策監を廃止いたします。
 次に、総合政策局の知事政策局への改組についてご説明を申し上げます。
 総合政策局を知事政策局に改組して、成長戦略やDXなどの重要課題に部局横断的に取り組めるようにしたいと考えています。
 知事政策局には、成長戦略室、デジタル化推進室、働き方改革・女性活躍推進室を新設し、経営管理部から広報課を移管することとしています。
 次に、成長戦略室の新設についてご説明申し上げます。
 知事政策局に成長戦略室を新設して、成長戦略の策定や、官民連携、規制緩和、特区の活用、ベンチャーの創出、カーボンニュートラルの部局横断的な推進に取り組みたいと考えています。
 成長戦略室には、戦略企画課、官民連携・規制緩和推進課、創業・ベンチャー課、カーボンニュートラル推進課の4課を設置します。
 次に、デジタル化推進室の新設についてご説明申し上げます。
 知事政策局にデジタル化推進室を新設して、地域や企業のデジタル化や、県・市町村のデジタル化・生産性向上、庁内システム基盤整備等を推進したいと考えています。
 デジタル化推進室には、デジタル戦略課、行政デジタル化・生産性向上課、情報システム課の3課を設置いたします。また、デジタル化の推進等に関する助言・指導を行うデジタル化推進監、情報システム等に関する助言・指導を行う情報企画監を配置します。
 このデジタル化推進室には、民間人材を起用したいと考えておりますが、これは後ほど説明をいたします。
 次に、働き方改革・女性活躍推進室の新設についてご説明申し上げます。
 次の資料をご覧ください。
 知事政策局に働き方改革・女性活躍推進室を新設し、働き方改革ラボなどの働き方改革の取組みや、女性が活躍できる職場環境の実現などの女性活躍の取組みを推進したいと考えています。
 働き方改革・女性活躍推進室には、少子化対策・働き方改革推進課と女性活躍推進課の2課を設置します。
 富山八策では、商工労働部にウーマノミクス課を設置することというふうにしておりましたが、女性活躍の推進に最適な組織のあり方を精査した結果、この女性活躍推進課として設置することとしました。
 次に、危機管理局の新設についてご説明申し上げます。
 自然災害等が頻発していることから、総合政策局の危機管理部門を独立させた危機管理局を新設して、危機管理・災害対応の体制を強化したいと考えております。
 危機管理局は、防災・危機管理課と消防課の2課体制で、防災・危機管理課には危機管理係と地域防災班を、消防課には消防係、予防係、ガス火薬保安係をそれぞれ設置いたします。
 次に、観光・交通振興局の地方創生局への改組についてご説明申し上げます。
 観光・交通振興局を地方創生局に改組して、「ワンチームとやま」の推進など地方創生の取組みを推進したいと考えております。
 地方創生局にはワンチームとやま推進室を新設し、総合政策局からスポーツ振興課を移管します。
 次に、ワンチームとやま推進室の新設についてご説明申し上げます。
 地方創生局にワンチームとやま推進室を新設して、県と市町村の連携・協力を深化し、「ワンチームとやま」を推進したいと考えています。
 ワンチームとやま推進室には、地方創生・地域振興課、市町村支援課、中山間地域対策課、移住・UIJターン促進課の4課を設置します。
 次に、文書総務課の総務課への改組についてご説明いたします。
 経営管理部の文書総務課を総務課に改組をして、総合計画の進捗管理などの行政経営の管理を強化したいと考えています。
 総務課には、新たに企画調整係と行政経営班を設置し、総合計画の進捗管理や行政改革などを担当します。
 次に、学術振興課の新設について説明を申し上げます。
 経営管理部に学術振興課を新設して、県内大学への進学率の向上やビジネスパーソン等のスキルアップ支援など将来の富山を担う「人材」の育成を支援したいと考えております。
 学術振興課には、高等教育振興係と私学振興係を設置します。
 次に、健康対策室の新設についてご説明を申し上げます。
 次の資料をご覧ください。
 厚生部に健康対策室を新設して、ワクチン接種やPCR検査体制の整備など新型コロナウイルス対策の体制を強化したいと考えております。
 健康課、感染症対策課の2課を設置します。
 次に、経営支援課と商業まちづくり課の地域産業支援課への改組についてご説明申し上げます。
 次の資料をご覧ください。
 商工労働部にある経営支援課と商業まちづくり課を地域産業支援課に改組して、従来、経営支援課と商業まちづくり課で行っていた中小企業・小規模事業者への支援を一体的に行いたいと考えております。
 地域産業支援課には、企画振興係、商業活性化係、金融係、地域産業活性班を設置いたします。
 次に、組織の簡素化、見直しについて説明申し上げます。
 次の資料をご覧ください。
 総合衛生学院の看護学科は3年制の課程ですが、県立大学に看護学部の開設が実現できたことに伴い、平成30年度の入学生を最後に学生の募集を停止しており、今年度は3年生のみとなっています。
 このため、今年度末の総合衛生学院看護学科の閉科に伴い、看護学科を廃止するものです。なお、総合衛生学院の保健学科と助産学科は、これはどちらも1年制の課程でございますが、令和3年度も存続し、総合衛生学院は令和3年度末に閉院となります。
 次に、定員の管理についてご説明申し上げます。
 次の資料です。
 一般行政部門については、平成31年4月を基準とした3年間の定員管理計画に基づき、適正な定員の管理に努めているところです。令和3年は新型コロナ対応や児童相談所の体制強化のための増員を行う一方で、総合衛生学院看護学科の閉科等に伴う減員を行い、差し引き前年比2人増の見込みです。
 令和4年の4月では、総合衛生学院の閉院や事業の見直し等により、平成31年4月の定員3,187人と同数に戻すという計画にしております。
 なお、定員管理計画の数値目標とは別に、令和4年4月までの3年間で10人の災害派遣枠を設けております。これは、県外被災地等への中長期の派遣要員を確保するとともに、平時に技術職員不足傾向にある県内市町村を支援するため、土木等の技術職員の増員を図るもので、今年度の2人に加え、さらに3人増員し、令和3年4月には5人となる見込みです。
 次に、教育部門についてご説明を申し上げます。
 次の資料です。
 教育部門については、学校現場の多忙化解消の推進を考慮するとともに、前年度に作成した知事部局の一般行政部門を対象とした計画にも準じ、教育委員会において新たな計画を策定いたしました。
 内容は教員を除く学校事務、学習助手(※実習助手)等の職員を対象に、令和2年4月の定員を維持する3年間の計画となっています。
 次に、警察部門について。次の資料です。
 警察部門については、警察官や鑑識等の専門的業務従事者を除く職員数を令和3年4月までに平成28年4月に比べ3%、4人の削減を目指しており、計画のとおり目標を達成する見通しです。
 次は公営企業についてご説明申し上げます。次の資料です。
 公営企業については、独立採算制を原則としており、普通会計である一般行政部門、教育部門、警察部門とは取扱いが異なりますが、他部門の取組みと同様、組織の効率化に努めるとともに、必要な部門には所要の人員を配置をしているところです。
 中央病院については、診療体制の強化のために看護師等を増員したことから、平成3年4月は29人増える見込みとなっています。
 次の資料です。
 教員、警察官等を含めた全部門では、事業の見直しなどによる減員を行う一方、医師や看護師等において増員を行い、差し引きでは前年度より42人多くなる見込みです。これにより、令和3年4月の職員数は1万5,334人となる見込みです。
 次に、県庁のデジタル化の推進についてご説明申し上げます。
 令和3年4月から、新たに県のデジタル化を着実に推進する司令塔として、知事を本部長とする「デジタル化・生産性向上本部」、仮称ですが、これを設置し、デジタル化の推進に向けた課題に戦略的かつ総合的に対応していきたいと考えております。
 本部には委員会を置いて、電子申請、ペーパーレス化の推進などの個別事項について協議をしてまいります。

 次に、IT専門人材の登用についてご説明申し上げます。
 来年度から新たにNTTドコモとの人事交流を実施します。先ほど説明申し上げました知事政策局に新設するデジタル化推進室の行政デジタル化・生産性向上課長に、NTTドコモの職員を起用する方向で検討をしております。民間企業での経験を活かして、県のデジタル化に貢献していただきたいと考えております。
 また、県の若手職員をNTTドコモ本社の企画部門に派遣し、県庁のデジタル人材の育成を推進してまいります。
 次に、庁内LANネットワーク環境の強化についてご説明申し上げます。
 次のページです。
 テレワークの拡大や、デジタル化時代にふさわしい県庁業務のあり方への見直し等に対応するため、庁内LANネットワーク環境を強化いたします。テレワーク環境の増強として、クラウドサービスを活用し、上限を200台から令和4年度までに1,000台に増加することとしています。
 また、庁内LANの無線化や電子決裁の推進により、ペーパーレス化を一層進め、令和元年度比で20%の紙の削減を目指したいと考えています。
 次に、押印の廃止・オンライン申請の推進についてご説明いたします。
 県が県民・事業者等に求めている押印については、今年度中に原則廃止し、オンライン申請の導入を促進することにつなげていきたいと考えております。
 令和3年度は、申請者の利便性、業務の効率化効果の高いものから順次オンライン申請の導入に取り組み、性質上オンライン化が適当でないものを除き、原則全ての行政手続について、国の方針、これは5年以内ですが、それと同様にオンライン化を目指していきたいと考えております。
 次に、RPA・AIの導入についてご説明いたします。
 PRAについては、令和元年度に試行導入してから、6業務を継続実施しており、令和3年度には新たに2業務を実施したいと考えています。また、AIについては、議事録作成支援システムを令和2年の9月から庁内の一部の部門で試行導入してきましたが、令和3年度は全庁に導入することとしており、年間約3,900時間の削減を見込んでいます。
 令和3年度の組織の見直しについての説明は以上です。
 なお、参考資料としまして、私が公約に掲げました富山八策と88の具体策に係る対応事業の一覧、主な見直し事業の一覧、また令和3年度当初予算と併せてご提案する令和2年度2月補正予算案について、お手元に別添としてお配りをしております。ご参考いただければと思います。
 また、8つの重点施策、88の具体策、これについては全てについて実現に向けたロードマップを作成し、県のホームページで公開することとしております。
 冒頭私からの発表は以上となります。

 

2 質疑応答

会見写真2<記者>
 3点お聞かせください。まず、今回の、知事にとっては全く初めての本格的な予算編成の作業ということでしたが、今回の予算に知事自身が込められた意味、スローガンみたいなものがあれば、それを教えていただきたいというのが1つです。
 2点目は、今ほども88策対象表の件はご披露いただきましたが、自らの公約をこの予算でどこまで反映できたか、現時点での評価と、ロードマップを公開することにしたというその意味合いですね、県民、有権者に向けての透明化という部分もあるかと思います、そのあたりをもう少し掘り下げてお聞かせください。
 3点目として、県債残高が増えます。我々ずっと県政を取材してきて、前任の方は減らして減らしてということをしてこられましたが、ここへ来て、いろんな事情があるにせよ県債が増えるということに、これまで何度か予算のヒアリングであるとかその部分で、借金はいとわないという部分のお話はありましたが、改めて県債残高が増えたことへの受止めと、どう県民に理解を求めるか、大きくこの3点をお聞かせください。

<知事>
 おっしゃるように、私が知事に就任してまだ100日余りですので、初めての当初予算の編成に携わり、今日発表させていただいたこと、これには私として一つの感慨を持ちながら、今ここに立っているところでございます。
 もちろん、選挙戦を通じて県民の皆様に訴え、またお約束をしたいろいろなこと、これをやりたいことはもちろん当たり前ですが、でも、今はまずは新型コロナとの闘い、県民の皆様と共にこれと闘い、そして終息に向けていく。
 しかしながら、一方で社会経済活動も、大変に経済も痛んでおります。お困りの方々もおられる。何とかこれは持ち直している、持ちこたえていると思いますが、これも予断は許さない状況、そういった意味で新型コロナとの闘い、それと社会経済活動の両立、これを図っていく、やはり最優先のことと、この予算を立てるに当たっては基本方針とさせていただいております。
 さはさりながら、いつかはコロナは終息する、もちろん終息させなければなりません。そのアフターコロナの時代、これを見据えて、全ての県民の皆さんが笑顔に満ちた、希望に満ちた県となるように、そしてチャンスがあり夢をかなえられる富山県、わくわくすることがたくさんある富山県を目指す、これもしっかりその種まきをしていかなければならないと考え、それは8つの政策、そして88の具体策の実現を近づけていく、それもこの予算に盛り込んでいかなければならない。コロナ等も、そのコロナ対策の次の柱として考えました。
 キャッチフレーズ、一つでなかなか言い表せることはできません、本当に多岐にわたるものなので、そして大きな金額です。ご質問は、あえてということだと思いますが、私は「ビヨンドコロナのわくわくを目指して」、そのようなことでこの予算を表現したいと考えています。
 県議会でご指導いただいております杉本正先生から、「ビヨンドコロナ」、このほうが夢を感じられる、将来性を感じられるじゃないかというアドバイスも頂いたので、「ビヨンドコロナのわくわくを目指して」、このようなことで最初のご質問には答えたいと思います。
 これは政治活動中、また選挙期間、選挙活動中に約250回の大小様々な集会を催し、そして県内各地を巡り、多くの方の意見を伺い、そして取りまとめたものがこの富山八策、そして88の具体策でございます。私の公約でございます。これを、選挙戦を通じて多くの県民の方にご理解をいただき、ご支持をいただき、当選をさせていただき、知事に就任し、予算の編成に携わって今ここに立っているということでございます。
 いくつか予算の伴わないものも、88の中にはございます。13でしたかね、あります。これを除いて、今回の予算では全ての項目について、何らかの予算措置をいたしました。そのようなことで、今回の令和3年度の予算、あるいは補正予算も含めて、予算の手当てをしているところでございます。まずこれを申し上げたいと思います。
 この8つの富山八策、そして88の具体策、これを進めていくことが、先ほども申し上げましたようにわくわくする富山県、チャンスがあり夢がかなえられる富山県、県民の笑顔があふれる富山県、これを進めていく上でつながるというふうに考えております。
 さて、県債の残高のことですが、令和2年度は国の第3次の補正予算に呼応をしまして、防災・減災、国土強靭化の推進のため、県民の命を守る治山・治水等の橋梁の整備などについて、前倒して実施したこと。
 また、(令和2年度は)新型コロナ対策や大雪対策など大規模な財政支出の際の財源について、県税収入が減少することもあったので、減収補填債により賄ったことなどから、県債の残高が増加に転じることになりました。
 また、令和3年度は地方税の減収に伴う地方の財源不足について、本来ならこれは地方交付税で手当てをいただきたいところですが、国の財政状況も厳しいことがあり、この減収分、財源不足を臨時財政対策債で対応することと国の方針があったので、そのようにしました。
 また、新型コロナによる経済状況を踏まえ、先ほども説明したところですが、公共インフラの更新事業などを前倒しし、これも私の公約で訴えてまいりました「令和の公共インフラ・ニューディール政策」を推進することとしました。これらにより(令和3年度の)県債残高は、増えるであろう令和2年度と横ばいとなる見込みとなっています。
 県債の発行というものは、このように国の施策や制度の影響を受ける面もありますが、コロナ禍での地域経済活性化のため、新規発行が増加する分については、我が県としては初めて全国型市場公募債の発行など、安定的な資金調達にも努めてまいりたいと思いますし、また資金調達の多様化にも努めていきたいと思います。
 このようなことで手当てをしながら積極的な投資を行いつつ、一方で、将来世代の負担にも配慮した持続可能な財政運営を進めてまいりたいと思います。
 質問の最初に戻りますと、一時的に県債残高が増えることが、これはあっても私は仕方のないことだと思いますし、今回は国の制度もありますが、あえてインフラの前倒しなどによって、このコロナ禍で痛んでいる経済を刺激するためにこのようなことをやったということで、これは躊躇なく行っております。

<記者>
 88策のロードマップの公開についてご報告をいただきたいです。先ほど会見の最後におっしゃった部分です。「見える化した」という部分だと思いますが、そこの思いを改めてお聞かせください。

<知事>
 はい。昨年11月8日までといいますか、私が就任するまでは、あれは政治家としての新田八朗の政治公約でありました。就任してからは、それを県民、県職員の皆さんと共に、大いに議論をしてまいりました。
 そして、これを本県の政策の柱としてより磨き上げ、また今回はそれに予算を付けたということでございます。いわば、このように政治家としての公約を、今は県の機関の政策の柱としたものでございます。当然これは皆さんの税金を使ってやっていることであります。これは県の皆さんと情報共有をして、またもしご意見があるなら大いにいただく。
 ただ、紙にしますと本当に膨大になりますので、これはデジタルといいますか、ホームページでの公開ということにさせていただきました。その分、紙のような手やすさはないのかもしれませんが、どこでも誰でもご覧いただける、そのような、まさに今おっしゃった見える化に努めたところでございます。
 これまでは私と県庁の職員の皆さんでここまで磨き上げてきましたが、これからはぜひ県民の皆さん、また場合によっては県外の皆さんでも見ていただけるので、県内外、あるいは海外からも、もしご意見があるなら大いにどんどんいただいて、良いご意見はどんどん取り入れて、さらにさらにわくわくする富山県のために、この政策分を磨き上げていきたいと考えております。

<記者>
 最後、もう1点、会見、パワーポイントの説明を見ていると、大体1枚1分のペースでやっておられたかと思います。知事が替わり、前任の方のことをとやかくは言わないですけど、私は大変コンパクトな説明、分かりやすい説明を心がけておられるのかなと推察しながら聞いておりました。
 今回、予算発表のスタイル、パワーポイントを使いながら、まだ1時間ちょっとしかたってないですけど、こういった形で進められた、この進め方の思いを最後にお聞かせください。

<知事>
 別に、私としては特に特別なことをやっているつもりはないですが、極力説明はコンパクトに、そしてその後ご質問を受けることによって、よりお互いの理解を深めていく、そのようなやり方のほうがお互いにとって有益ではないかと、これは企業の経営者としてやっておりました頃から、このような形でやっていたということです。先ほど、予算の中に庁内のデジタル化を進めるということも盛り込んだという説明をしました。このようなスタイルも、ある意味ではその一環でございます。
 余談ですが、先日、庁議を初めてペーパーレスで行いました。全員が(PC)端末を持ってですね。実は初めてだったので、「今日初めてですね」と言うべきだったんですが、私としてはごく当たり前のことが行われている感覚だったので、何も言わずに始めてしまったんですが、それぐらいに、これから本県のデジタル化もどんどん進めていきたいと思います。また皆さんからもご意見があれば、大いに言っていただければと思います。

<記者>
 何点かお伺いいたします。財政のお話ですけれども、再来年度以降も要調整額がありまして、財政健全化、これからどう進めていくかというのは非常に大きな課題かと思いますけれども、冒頭にもご発言ありましたけれども、どういった形でこういった財政の健全化を進めていくのか。例えば事業の見直しなどですね、具体的な対策をお伺いいたします。

<知事>
 これはやはり不断の行政改革に努めていくということに尽きるのではないかと思います。本年度は、資料に付けてはございますが、602の事業を廃止したり、あるいは組み替えたり節減をしたり、中止にしたりしています。合計602の事業数になります。
 これに伴い10億円余りの削減となってきます。まだまだ十分とは言えないと思いますが、今後もこの事業の見直し、組替え、あるいは延期、中止、このようなことを続けていかなければならないと思います。
 そして経済対策をしっかりとやること、これは攻めの姿勢でございますが、税収が上がるようなことをしていく。出る(歳出)を減らし入る(歳入)を増やす、このようなことしか収支を改善させる、これは民間企業も役所も一緒だと思いますが、これしかないと思います。不断の努力をしていくしかないと思っています。
 ただ、今は一時的、この非常事態において借金という県債残高が増えたということ、これは私としてはやらざるを得ないことだと思います。

<記者>
 もう1点お伺いいたします。就任してから約3か月での初めての予算編成となりましたけれども、知事は公約をいかに予算に反映させるかという点と、コロナ対応もしていかなければならないと、この2つをバランスよく進めていかなければならなかったのかなと推察するんですけれども、この予算編成において、知事が一番苦労された点というのは、どういった点が一番苦労されましたか。

<知事> 
 先ほどの話とも少しかぶりますが、政治家として政治公約を作ったときは、本当に限られたスタッフでやっておりました。そういう意味で大変苦労したわけでありますが、就任してから、先ほど言ったように、県庁職員の皆さんと共にこれを磨き上げるという作業をしました。
 これは大変に楽しく有意義で、かつ職員の皆さんの優秀さ、勤勉さ、これに大いに助けられてここまで来られたというふうに思います。そして、それに意義を付け、あるいは予算を付けるという段階に至っているわけであります。
 ただ、限られた財源の中で、先ほど申し上げたようにコロナ対策、それからコロナ禍での社会経済活動をなんとか回していく、これに多くの支出を充てざるを得ないということ、そんな限られた予算の中で、いかに88全ての具体策について何らかの芽を芽出しをするかということ、ここには心を配りましたし苦労したところでございますが、幸いに、先ほども申し上げたように予算の伴わない公約・対策以外の全てについては、何らかの予算を付けることができました。
 ここから来るべきより自由な財政運営をできるような日を目指して、またその日が来れば、より花開かせていきたいというふうに考えているところです。

<記者>
 最後にもう1点お伺いいたします。県庁の組織の見直しについてなんですけれども、副知事の複数制であったりとか知事政策局であったりとかデジタル化であったりとか、いろいろあると思うんですけど、全体的に今回の組織改編でどういった県庁を目指していきたいか、知事の思いをお聞かせください。

<知事> 
 まず、スピード感を持ってやる組織にしていく、これが一番です。そして、行政だけでやらなければならないことはもちろんたくさんありますが、行政だけでできることには大変に限りがあるというのも事実です。ですから、これからの大きなキーワードは官民連携だと思います。官民をどう連携をしていくか、まずその部局もつくったところでございます。それが1つ目。
 そして、次が、やはり先ほど県債残高が増えたという話をしましたが、これを返していくためにはやっぱり稼いでいかなければならない、これは一次産業でもあるいはその他のものづくり産業でも、あるいは新しい産業でも、ものづくり産業はしっかり稼いでいただいております、医薬品も含めて。
 でも、さらに稼ぐためには、新しい産業を創出していかなければならない。そのためにベンチャーのスタートアップを支援する部門もつくりました。これはそういうセクションをつくりましたが、これも全庁を挙げてのことになると思います。スピード感、そして官民連携、そしてベンチャースタートアップ支援、これが今回組織改編をする上での大きな柱として考えたところです。

<記者>
 少し重なるかもしれませんが、県債の残高です。これは令和2年度末で6年ぶりに増加に転じることになると思います。知事、先ほどもおっしゃってましたけれども、今は緊急事態で借金を躊躇しているときではないと思うということも、以前語っておられました。この増加というのは、あくまで一時的なものであると、そういう考え方でしょうか。

<知事>
 もちろん、借金というのは返すものだというふうに育ちましたし、経営者としてもそのようにしてまいりました。これは今の立場になっても変わりません。着実に返していかなければ(ならない)と考えております。

<記者>
 あとはこの88策の具体的な対応状況ですけれども、これはどれも思い入れはあると思うのですが、特に今回予算を意識付けしたり行革に反映させたもので、これというものを3つ挙げるなら、どれになるでしょうか。

<知事>
 そうですね、みんなかわいい自分の子供みたいなものですから、選ぶというのは大変につらい話でございますけども。やはり金額の多寡はいろいろあります。やっぱりインフラ系は金額がかさみますし、例えば成長戦略会議というのは、会議費用のものしかできていないので金額としては小さいですが、金額の多寡ではありませんが、やはり成長戦略会議というものを始めて、新しい富山の産業や社会のビジョンを考えるということ、これは一つとても重きを置いているところです。
 併せまして、ベンチャー支援の協議会をつくるということ、これも金額としては小さなものですが、私にとっての政策的な意味合いとしては、とても大きなことであります。
 それと、3つですか。このまま言うと88言いそうですけども、あえて言うと、やはり大変痛んでらっしゃる中小・小規模企業を何とかこう復活していただく、そのリバイバル再生の補助金、これを(2月)補正ですが、これもやっぱり私としてはとても大切な予算でございます。

<記者>
 次なんですが、この88策を今この時点でほぼ全て、何らかの形で反映させていらっしゃるんですけれども、これは考え方によっては、4年間ありますので、ある程度時期を見つつ順番に、みたいなことも選択肢としてはあったと思うんですが、なぜ今回いきなりというか、全て形にしたということでしょうか。知事にとっては、これは当然そうするつもりだったということですか。

<知事>
 ちょっと質問の意味がよくのみ込めませんが。

<記者>
 何か急がれたわけではないのかと、そういうことです。

<知事>
 急ぐというよりも、やはり私に与えられた任期は4年ですから、48か月、既に3か月が過ぎてしまいました。あと45か月です。この間に、選挙公約というのは、その与えられた4年間でなすべきものだと私は理解をしていますので、急ぐという意識ではなく、当然のこととしてこの88(の具体策)、何らかの形で形にしたいと取り組みました。
 ただ、もちろん、これは県議会でもお叱りを受けたことでもございますが、副知事3人(体制)と言ってたじゃないかと、それを2人でいいのかというようなお話もございました。これについて、やはり状況を見て段階的に進めることも必要(ですし)、また制度の規制などと絡むものもありますので、このような調整も必要なこともあります。
 特区の活用みたいなこともたくさん言っておりますが、これもやはり調整が必要ですから、4年で、場合によっては結果的には難しいこともあるのかもしれませんが、何とかこの4年間の中で芽出しはしておきたい、そのような思いであります。

<記者>
 今おっしゃった、まさにこの副知事の複数制の導入なんですけれども、県議会の11月定例会では自民党さんが反対されました。そもそも複数は要らないでしょうといった考え方だったと思うんですが、今回掲げられたんですけれども、実現のめどというか、その辺はあるんでしょうか。

<知事>
 いや、これは県議会で、本当に思いを込めて私の口から説明をする、これしかないと思っております。

<記者>
 すいません、最後にします。石井前知事の時代にいわゆる着手をされた3つの大型施設ありますけれども、これはいずれもスケジュールを見直されていますが、これは88策の中で言うと、コロナの対策のところの5番目の、不要不急の事業の見直しに該当するという理解でよろしいでしょうか。

<知事>
 不要不急の事業の見直しというのは、さっきも申し上げた不断の行政改革を進めていく、今回の場合は600の事業、10億円の削減につなげたというふうに申し上げました。その、今ご質問された武道館のこと、それから高岡テクノドーム別館のこと、新川こども(屋内)レクリエーション施設のこと、実は箱物はこれだけではないんですがまだまだあります。
 これらについては、それぞれしかるべき手順を踏まれて、そして県議会でもご承認をされて、私が引き継いだもの、計画でありますから、これの整備については進めていきたいと思いますが、やり方や時期については見直しをすることになると思います。
 そのやり方という意味においては、一つは今の金額の大きな順の3つですが、武道館、テクノドーム、新川については、やはり民間の力を活用ができないかということ、同時期に3つのものを着工したりすることははっきり言って不可能です。それをうまくずらしながら、そしてPFIなども活用しながら、できるだけ県の年間の支出は平準化もしながら、だけどもよりよいものを造るというそこら辺が大変に知恵の出しどころ、また民間のお力、あるいは知恵も借りたいところであります。
 そんな意味から、3つともにPFIを導入することをまず令和3年度は考えていこう、そんなようなことで新年度はスタートしたいと考えています。

<記者>
 ではこの5番目の不要不急の事業の見直しとは関係、それとは別に判断されたことだということになりますか。

<知事>
 そうですね。

<記者>
 主に組織改編について伺います。この改編なんですけれども、総合政策局を知事政策局という、「知事」という名前を冠して改編されたのは、どういう意図があるんでしょうか。

<知事>
 資料をご覧になっても分かるように、もちろん本県の仕事、知事部局の仕事に重要さの重さには違いはないわけでありますが、私の政策の優先順位として、先ほどの柱にも申し上げたようなこと、優先順位の高いものをこの知事政策局に担当してもらう、そのようなことであります。ですから、知事の優先順位が高いというような思いも込めて、知事政策局という名称に変えさせていただいたところです。

<記者>
 ご自身の優先される政策を、何と言うかひとまとめにするというか、分かりやすくひとまとめにするために、知事政策局という改編をしたかったということでよろしいですか。

<知事>
 そうですね、それで、これはそれぞれがお互いに関連していることだと思います。成長戦略と特区の活用、あるいは規制緩和、あるいは官民連携、ベンチャー創出、これらは非常に密接に関わっているので、一つの局の中でやってもらうということです。
 実は広報につきまして、何でと思われるかもしれませんが、やはりこれらをぜひアピールをする、そして県民の皆さんに理解をいただく、あるいは企業の理解をいただく、あるいは県外、あるいは海外にも発信をして理解いただく、そういう意味で、広報というものはもっと今まで以上に戦略的に行う必要があろうかと思います。そのような意味もあり、広報もここ(知事政策局)へ持ってきたということです。

<記者>
 今回この組織改編、かなり大幅な改編だと思うんですけれども、知事が実際に11月から庁内で働かれるようになって、どういった実感があってこういった改編につなげようと思ったのか教えてください。

<知事>
 はい。100日間の間に、過去の組織改編のあり方を復習するまでの時間は実はありませんでした。ですからこれが大規模かどうかはよく分かりません。ずっと見てこられたマスコミの方がおっしゃるなら大規模なのかもしれません。
 ただ、先ほどから申し上げているように、8つの政策の柱、そして88の具体策を掲げて知事に就任させていただいたわけでありますから、これを推進していく体制をつくりたいということで、現行の組織と照らし合わせた結果、これだけ触らせていただいたということです。結果的にそれが大規模だったのかもしれません。

<記者>
 最後に1点、この組織改編を通じて、一般企業からの出向を受け入れるですとか、新たに格上げになる部署もあったりですとか、県庁職員の方々はちょっと混乱が最初あるんじゃないかなという心配がちょっとあるんですれども、知事のビジョンですとか意識ですとか、そういったものをどうやって全庁的に共有されていくのか、その方法というか計画を教えていただけますか。

<知事>
 そうですね、先ほども定員のところで申し上げましたが、警察、教育を入れると本当に1万6,000人となる組織、実は知事部局だけでも4,000人に近い組織です。なかなか皆さんと膝を交えてというコミュニケーションの仕方では、いくら時間があっても足りないということは重々承知をしています。
 これはデジタルの力を使いながら、まずは職員の皆さんにご理解いただけるようにアピールをしていく、これは繰り返し繰り返しやり続けるしかありません。それは民間の企業の経営者としても経験をしてきたことですが、物事を変える、そしてどんどん組織を変える、そのときに言葉を尽くして説明をする。だけども、半年たつとまた人の記憶というのもだんだん薄れてくるものです。
 ですから、今最初にばーんと全員に知らせるような、そのために手紙を出すとか、そんなことはもちろん無駄ではありませんが、繰り返し繰り返し折に触れて、また実務を通じて見せていく、また体験をしていただく、それがだんだんと腑に落ちてきて、最後には職員の方一人一人の言葉にも出ていく、あるいは日常の立ち居振る舞いにも出ていく、そうなって初めて、何て言うんでしょうね、こういう改革というものが実を結んでいくことにつながっていくと思います。
 ですから、当初なんでもちろんいろんな形でのアピールは必要ですが、今後も、まずはできれば知事、複数の副知事、また幹部の皆さんと心を一つにして、そして職員の皆さんに仕事を通じての訴えを続けていく、変えていくんだよ、そんなことを理解をしていただくということを続けるしかないと考えています。

<記者>
 OJTとはちょっと違うかもしれませんけど、やっぱり実務を通してそういったイメージをどんどん確立させていくことということでよろしいですか。

<知事>
 そうですね、はい。

<記者>
 個別の事業で大変恐縮なんですが、少人数教育の推進について伺います。知事、公約のほうでは30人程度の実現を掲げていらっしゃいます。今回はいわゆる35人学級を、国に先行して小学校の全学年で実現するということを掲げられました。88策の対応表の中にも、30人程度の実現という項目があります。35人で終わりではないという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

<知事>
 そうですね。30人というのは、一つ目標には掲げ続けていきたいと思います。ただ、今回国のほうで35名という、萩生田大臣のご英断でそのようなことに道が開けた、これは大変大きな前進だというふうに考えています。ですから、県としてはそれよりも先行して進めていこうということです。
 ですから、35人が国より2年アドバンスしているということは、これはこれで私は大きなことだとは思っておりますが、でもそれがゴールではないというふうには思っています。

<記者>
 すいません、関連してなんですが、中学校については、国のほうは今回見送って、小学校の全学年で順次ということを決められましたけれども、県としては中学校については今後どうされる、検討していくことになるんですか。それとも、これで小学校でおしまいということになるのか、その点、知事のお考え何かございますでしょうか。

<知事>
 いえいえ、小学校で終わりということはありません。中学校も当然スコープに入って、狙いには入っています。ただ、現時点ではまだ手を付けるにはもう少し、まだいろいろな超えるべきハードルがあるということも、勉強を進めるにつれて分かってまいりました。

<記者>
 例えばどういったハードルが。

<知事>
 何といっても教員の確保ですよね。30人学級をすぐにやるとしたら、たしか700人近い増員が必要、それから経費もたしか60億円でしたか、が純粋にプラスということであります。これは現実としては、現在の状況としてはなかなか難しい、財政状況については先ほど来、縷々質問があったわけですが。でも、目指す方向ではあると思っています。
 もう一つの課題は、一方で教員のなり手が今、ちょっと残念なことですが、下がり気味ということです。これは先般教員の試験の競争率の低さということは、皆さんも報道されたところでありますが、このあたりの教師という仕事にいかに意欲、やりがいはもちろんあることは当然なんですが、さらに意欲を持って行うかということ、こういったアピールの事業も、今回の予算にもいろいろと組み込んでございますが、これはこれで進めていく。ですから、今すぐやろうと思っても、教員のことがやっぱり一番大きいと思います。

<記者>
 最後に、知事の、今回この35人学級を国に先行して進めるということと、公約で30人程度というものを掲げている、知事、いわゆる教育への思いというか、どういった思いでこういう決断をされたのか、最後に聞かせていただけますでしょうか。

<知事>
 私が子供の頃から、日本の社会はとても変わったと思います。まず人口減少ということは、私が子供の頃は思ってもみませんでした。いかに子供たちの生存競争の中で、または生き残っていくか、そんなことばっかり考えていました。
 今、人口が減る、少子化という時代です。やっぱり、より、私が子供の頃以上に、一人一人の子供に目を向けて育てていくことが必要な時代になったと思います。いや、昔がどうでもいいという話じゃないですよ。でも、結構ざわざわっとした中で私たち、私は育ってきました。それはそれでよかったと思うし、そういう時代だったと思います。今は少子化の世の中ですから、一人一人の個性をしっかりと見極めながら、大切に育てていく、目配りをしていく教育というのが求められていると思います。
 そしてまた、もう一つ大きな違いが、グローバルな時代になったということです。私が子供の頃は、一生に一回海外旅行に行ければいいなと思ってましたが、今はもう(海外に)行くなんて当たり前の時代です。
 また海外から人が来るのも当たり前の時代です。そんな中で生きていく子供たち、これにはやっぱり語学の教育なんかも必要だと思います。そのように、少なくなっていくであろう子供たち、もちろん少子化ストップという、常々思っていますから、これはこれで諦めているわけではありませんが、このトレンドはもう長く続いたことです。
 この中で子供たちを育んでいくには、やはり少人数の学級というものが必要だと思い、政治家としての公約に掲げ、そして今、この行政の長という立場でも一歩、まだ半歩ですが、進めたというところでございます。

<記者>
 3点お聞きします。まず、今回新しく設けられたサンドボックス枠、この狙いを改めてお願いします。2点目ですが、新型コロナ対策、多岐にわたる中で、先ほどリバイバル補助金の話もありましたが、やはり新田知事としては、中小企業の支援というところに一番力を入れられたという、こういう認識でいいのかということをまず確認させてください。3点目は、個別の事業になってしまうんですけれども、富山米の富富富の戦略推進事業の予算が大きく見直されていると思うんですが、改めて具体的に何をどう見直して7,000万円削減されるのかということと、その理由をお聞かせください。

<知事>
 サンドボックス予算というのは、こうやって当初予算を一生懸命考えて、本当に多くの皆さんが本当に昼夜を分かたず努力をして、今日皆さんに発表できるところまでこぎつけているわけであります。大変な膨大な作業です。
 そうやってやる中でもやっぱり世の中動いているわけで、1年間という期間もある。その中で、やっぱり今の時点で予測できない状況もある、あるいは新しい政策、予測できない新しい政策課題が沸き起こってくる、あるいは新しい知恵が生まれるかもしれない。今日に向けてもうみんな知恵を絞っているんですが、全てを見通せる状況にはないと、これは私は致し方のないことだと思っています。
 ですから、あるときにある部門で、「こんなのも局長、いいんじゃないでしょうか」、「こんなことも部長、いいんじゃないでしょうか」と、若い職員が言う。「あ、それいいね」と思ったときに、え、でもこんな予算ない、議会通さなきゃみたいな話になっては残念なので、そんなときに部局長の裁量で使える、1,000万円という金額ではありますが、それがあるというのは、1年間通じて自由な、別に若い人に限らず職員の皆さんの仕事のやりがいに、また県民への行政サービスの向上につなげるきっかけになるのではないかと思い、このような予算をつくりました。
 ただ、これも1,000万円とはいえもちろん大きなお金ですし、元は税金です。ですから、これを使う場合には遅滞なく議会にも、こういうことでサンドボックスを具体的に使わせていただきましたということは、もちろん議会にもご報告をしていくつもりでございます。
 それから、新型コロナ、もちろん感染拡大防止、これが一番のことです、何といっても。しかし、それによって痛んでいる経済の立て直し、これももう一つの大きな柱です。そこにおいて、大企業は勝手にやってくれということではないです。大きな企業だって同じように痛んでいるし、当然大きい分赤字の額も大きく出ているわけであります。
 それは目配りしなければならないとは思いますが、でもやっぱり日本の経済、富山のものづくり産業もやっぱり中小企業、またそれにさらに協力している小規模企業が支えているという私は認識でいますので、ここに手をしっかりと支えさせていただく、寄り添わせていただく、その一つの表れがリバイバルの補助金だということです。
 ただ、リバイバルという気持ちは、ただ支えるということではなくて、これを機に、できれば新しく何か生み出しましょうよとか、あるいは勉強していきましょうよと、そんな枠も設けていまして、そういった前向きに支えていくといいますか、そんな意味合いのこれは補助金、リバイバルという言葉に託しているということでございます。それをご理解いただければと思います。
 富富富の質問ですけども、気候変動の中で富富富という品種は、富山県の稲作農家さんにとっては、私はとても大きな援軍になることだと思います。まだまだ3%ほどの生産ですけども、今後さらに温暖化、高温の夏が続くであろうということ、それから台風の数も増えていくであろうということ、そんなときに、高温に強い、風で倒れにくい、こういう特徴を持つ富富富というのは、稲作農家にとっての大きな商品になると思います。
 これを作付けを増やしていっていただく。でも、やっぱりそれをアピールすることも大切だと思います。ただこれは、まずは足元からというふうに今回戦略会議等も、この富富富の戦略会議ですが、でもいろいろとお話をして、まず県内にファンをつくろうということ、もう一度足元からファンをつくっていこうという。富富富は気候変動にも強いし、かつおいしいんだということを、県内の人に認めてもらいたい、そんなふうな年にしていきたいと考えています。
 そのためには、やはり給食でも使っていただいて、子供たちにまずファンになってもらう、そこからまた家庭でも買っていただいて、ご家庭でもファンを増やしていく、そういうふうに今進路をちょっと変えたところであります。それに伴って、じゃああんまり有名なタレントさんを使うこともないのではないかと、そういうことで広報の予算などは削ることになりました。

<記者>
 富富富については、今年までは全国市場というか、首都圏や都市圏で売れる米として、各産地のブランド米と勝負していくんだという話にはなっていたと思うんですが、改めて知事の思いとしては、まずはそういうところからは一旦引退というか、そういうふうにやられて、県内での消費を喚起していく、そういうようなお考えということでよろしいですか。

<知事>
 そういう意味では、180度舵を切ったわけではありません。実は、あの方(木村文乃さん)を使ったことの効果というのはもちろんあるんです。ですから、全国的にも認知を少しされているというのは事実です。
 これでも全くなくなる、全国的なPRをなくしてしまうと完全に忘れられてしまうので、それではもったいないです。でも、本当にブランド競争です。大変な熾烈な競争です。そんな中で、少しでも記憶にとどめていただくための全国PR予算、これはある程度確保しておかなければならないと思い、これは規模は縮小しますが、続けてまいります。
 これは実は、そういう米の卸業者さんのアドバイスもあります。全くゼロにしちゃうと本当に忘れ去られちゃいますよと。ですから、そういう予算は引き続き、減らしはしましたが残してあります。一方で、まず、それとともに県内のまず足元からしっかりとファンを広げていこう、それにどっちかというと軸足を移すということです。

<記者>
 最後に、富富富の将来的な位置づけとして、コシヒカリに代わる米として主力、たくさんの面積で作る米にしていくという、そういうようなビジョンが、知事としての思いがありましたらお聞かせください。

<知事>
 そうですね、これは私のビジョンというよりも、富山県の農業界のビジョンとして、中生という品種になりますが、中生の大宗を占める、今コシヒカリがもちろんメイン、主力商品なんですが、だんだんと富富富を増やしていく。今後中生の大宗を占める品種として育て上げていこうというふうな農業界、そして私も富山県も同じ意識を共有している戦略です。

<記者>
 大きく2点伺いたいんですけれども、まず、令和の公共インフラ・ニューディール政策についてです。知事の公約の中でも、経済再生に向けた目玉の一つに位置づけられておられたと思います。
 今回の当初予算では公共事業費と主要県単事業費、共に14か月予算では、過去10年規模でも最大というふうになっていると思います。今幾つか、冬の道路の走行のしやすさの割合ですとか河川の整備率ですとか、幾つかの主要については更新目標を前倒しされるということなんですけれども、知事がこの今回ニューディール政策を予算に反映させる上で、様々な対策の中から特にこういう、今回ですと対策を優先するのを決めたという思いがありましたら、お聞かせください。

<知事>
 この私なりに考えたこれのミッションはですね、公共投資によって経済の刺激をしたいということがひとつ、といって新しい箱物を造るのではなくて、どうせやらなきゃならない、それは県民の安全・安心のためにやらなければならないインフラの補修あるいは更新、どうせやらなければならないことを、じゃ、今、もちろん金額ができていますが、これを前倒ししてできないかという、これがこの令和のニューディール政策という政策の理想といいますか、希望であります。
 そういう意味で、県民の皆さんの安心・安全につながる道路の改良、河川の改修、あるいは橋梁の改修などの前倒しを行ったということです。
 もともとの予定していたようなものもありますので、なかなか切り出すのは難しいんですが、ざくっとですが、例年通りよりは100億程度は上積みをしているんではないかと、内々には計算をしています。

<記者>
 そうすると、新たな箱物というよりも、県民の安全・安心につながる、そういう対策を全般的に重視して全体の公共事業を増やしたということ、そういう理解でよろしいでしょうか。

<知事>
 そうです。箱物はさきの質問があったように、いろいろ目白押しなので、はい、それをやっていくということですね。

<記者>
 続いてなんですけれども、今回の当初予算の中で、富山空港の運営のあり方調査を計上されていると思います。公約の中で、タクシーや民間資金を活用した富山空港の機能の向上というものを挙げておられると思います。その中に、オーストラリアのような稼げる空港を目指すというような考えも入っておられると思います。
 今回のあり方調査費の内容の中でも、民間活力の導入手法を検討するというふうにあるんですけれども、これは仙台とか高松とかのような空港運営の民間委託というものをイメージされているのでしょうか。

<知事>
 民営化といっても、いろんなやり方があることは承知をしています。今の仙台、高松、あるいは北海道のいろんなやり方もあります。その中で特にまだ予断は持っていません。
 ただ、いずれにしろ今の形態のままでは、今は特にコロナで国内線、あるいは国際線も運休が多くなっているので、ちょっと非常時だと思っていますが、いずれこの需要も戻って路線も戻ってくるという前提で、予断を持たずにこの空港の経営形態も考えていこう、あるいは新商品も、新しい魅力づくりも考えていこう、そんなようなことを、いろんな先行事例の視察などをしながら、このつらいときにそんなところの勉強、研究また種まきなどをしようということです。

<記者>
 基本的には先行事例の研究だとか、あるいは民間活力導入に向けた有識者による会議みたいなものをつくって検討されていくというイメージなんでしょうか。

<知事>
 そうですね、まあそういうことになると思います。

<記者>
 知事はその新しい魅力だとか稼げる空港にするために、どういう要素が今の富山空港にとっては必要だというふうに考えておられますか。

<知事>
 そうですね。これからこういう地方都市の、地方の在り方の一つは、やっぱり連携が一つだと思います。この空港については、私はそれが当てはまると思っていまして、富山空港と近くにある小松の空港、例えばこの役割分担というものも、今後お互いのために有意義になるような役割分担というものは、進めていく必要があろうと思います。
 そして、小松(空港)はやはり自衛隊が管轄のところですから、できないこともあります。じゃ、それは富山(空港)でやろうじゃないかと、やらせてもらおうじゃないかというような連携の仕方もあると思いますし、また、だぶっている路線は両方でやることもないんじゃないかという連携の仕方、あるいは役割分担の仕方もあると思います。
 で、これはまだ今のアイデアに過ぎませんが、政治家としてのアピールで言っていたことの一つは、小松(空港)では、なかなかプライベートジェットの飛来というのは難しいというふうに理解をしています。例えばそんなものは富山(空港)で引き受けられませんかというようなことも、富山(空港)ならではの魅力づくりの一つにはなると思います。

<記者>
 そういう意味では、今回の予算案に計上しているビジネスジェットの普及・事業化というのもそういったものに、種まきという意味で当てはまるという。

<知事>
 そうですね。

<記者>
 個別の政策で大変恐縮なんですけども、DXの推進についてお話をさせてください。
 まずDX推進の、県立大学のDX教育研究センターの整備事業に16億円余りをお考えになっていますけども、このDX推進全体でのセンターの位置づけというのは、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

<知事>
 はい。県立大にデジタルサイエンスに関する学科も予定をしているところであります。ハードも整備をしようということで、今16億円ですか、付けているところです。
 富山大学でももちろん、デジタルサイエンスの全学生の必修というのが始まったところです。やっぱり大学の学生さんのアウトプットの行き先である産業界からは、とても今求められている人材が、このデジタル人材、デジタルサイエンスを理解できる人たちだと。そういう意味では、富山大学でもまた県立大でもそういった人材の育成を厚くしていきたい、そのためにこのハード整備もするということです。

<記者>
 今知事、ハード面の整備というふうに言われましたが、やはりDX推進のためには、ハード面の整備はもちろんなんですが、ソフト面の整備も重要ではないかと思います。その辺のバランスについては、知事はどうお考えでしょうか。

<知事>
 そうですね、ソフトという面では、これは富山大学さんがデジタルサイエンスの組織をつくられます。これには富山市さんと、また経済界にもお声をかけておられると聞いておりますが、それは今の話と別の予算で2,300万、富山大学さんに、そのデジタルサイエンスのセンターに拠出をするということにしております。
 ソフト面も一応大切なのは言うまでもないんですが、富山大学でそっちのほうは大いに(進めていただいて)、また、富山県としては進めて、引っ張っていただけるのではないかと思います。

<記者>
 すいません、細かくなるんですが、IT人材の(課長級への)登用に関して、なぜNTTドコモからなのかということをこれまでの経緯とともに教えてもらえますでしょうか。

<知事>
 そうですね、NTTドコモさんに県立美術館にも5Gのアンテナを設置していただいたり、それからこれまでもNTTグループとは人材交流もやってきた歴史もあります。ですから、今回はこの県庁のデジタル化を進める推進役の一人として、人の派遣をお願いできないか、併せてこちらからも派遣をさせていただいて交流できないかということに、お互いのお話合いがまとまったということです。

<記者>
 最後になりますが、改めてDX推進の意気込みと、DXを推進することによってどんな県にしていこうというのか、県としての未来像みたいなものをお話しいただけますでしょうか。

<知事>
 それはまさに明日から始まる富山県成長戦略会議でも、私としては皆さんに話し合っていただきたいことの一つです。先進国の中でも日本は遅れている。その中でもちょっとこう、最先端とは言えない富山県ですから、このDXを進めなければならないというのは大切なことに間違いないわけです。
 ましてやこのコロナという状況も、これはやはり非対面、非接触、それにはDXの力、IT、ICTの力を借りていくしかない。ただ一方で、この富山の地方都市としての良さを、これを失ってはいけないというふうにも強く思っています。
 これは岸田さん(自民党 岸田文雄議員)でしたか、公約にありました。デジタル田園都市という、私はあれは、岸田さんが言われる前から同じようなことは言っていましたが、まさに富山県、目指すDXはああいうことだと思います。
 デジタル武装されても、でもこの田園風景、田園都市という富山は残さなきゃならない。これは、それもそれぞれであって、それがうまい形で融合した地方、地域、これが富山県の目指す方向ではないかというふうに思っています。
 それともう一つは、この県庁のDXということについて言えば、これは有識者の会議で、IT業界に異論を唱える経営者協会の会長の金岡さんがおっしゃったことなんですが、DXは大事、ただこれはデジタルよりも大事なのはXですよということをおっしゃいました。
 Xとは何かというと、トランスフォーメーションのことです。今のままをデジタル化するというのは、本当にこれは無駄なことだし、愚の骨頂だと思っています。Dの前にX、いわば仕事の整理、まず取捨選択をする。あるいはさっきのハンコなんか最も分かりやすいことですが、ハンコって要るのなんてところから始まって、まず今の仕事のやり方をトランスフォーメーションする、その上でのデジタルが大切だということ、これも忘れないようにやっていきたいと思っています。

<記者>
 事前の予算レクでお伺いしたんですけども、インフルエンザの予防接種の助成事業に関してなんですけども、新年度の当初予算案では未就学児だけになっているんですが、以前の「ワンチームとやま」の連携推進本部の会議の中で、会議では小学生についても給付してほしいという声があったと思うんですが、その辺についての知事のご見解をお聞かせくださいますでしょうか。

<知事>
 おっしゃるように、先月行いました「ワンチームとやま」連携推進本部の第1回目の会合で、多くの首長さんからそのご要望をいただきました。それは重く受け止めているところです。
 ただ、あくまでこれはコロナ対策として打ち出した政策なので、あくまで未就学児童ということで、脳症でしたか、ちょっと重篤化するインフルエンザ、幼児・未就学児の場合はなりがちなので、そこはしっかりとやっておくということであります。
 一方で小学生までというのは、コロナ対策としてダブル感染を避けたいということで打ち出したことなので、これは今後コロナのやはり収束具合を見て、首長さん方のご要望に応えるとしたら補正での対応、まあでもこれはあんまりうれしくない話で、コロナがまだまだ続くとしたら、やっぱり引き続きその手を打たなければいけないということですが、もし必要ということになれば、補正で対応することになると思います。ワンチーム(とやま連携推進本部会議)での首長さん方のご意見を忘れたわけではありません。

<記者>
 あと2点だけお伺いします。
 「とやま起業未来塾」の休止が新年度は入っているんですけども、ベンチャー支援の協議会とかもやっていく中で、この事業をやってみればなんていう気もするんですが、その休止にした理由というかですね、その辺はどういうふうに考えてらっしゃるでしょうか。

<知事>
 はい、ありがとうございます。「とやま起業未来塾」はですね、16期にわたって406名の修了生を送り出してきた、とても意義のある事業だったということは理解をしています。そして、その方々のうち7割が実際に起業、アントレプレナーとして業務をされたという実績も残っています。
 そして、修了者の中には同窓会、学士会と称してますが、そういったネットワークもできて、お互いベンチャー起業家同士、悩み、思い、それを共に語り合う、そんな学士会という場もできて、いいコミュニティになっているということも聞いています。
 私は400名が修了し、7割もの人が起業をされ、そして起業家同士のコミュニティができている、これが、これだけでもとても大きな成果があったというふうに思っています。ただ、残念ながら、いわゆるさらに飛躍できる企業がなかなか育たなかったということも事実であります。
 私は今回この起業未来塾、今までのような起業未来塾は一旦ここで休止させて、よりスタートアップを、本来の意味でのスタートアップですね、要するに花開いて、場合によってはIPOができたり、あるいはバイアウトをするような、されるような、そんなとこにつながるような起業を促すような、そういう政策に転換をしたいと思って、この起業未来塾、これも結構新世紀産業機構でも人手もかけていましたので、その人手をまた別の方向で、大きな、企業をつくっていくという意味では同じかもしれませんが、よりスケールアップできるような企業を目指す、そんな方向に政策の舵を切りたいと考えています。
 従来も「とやまスタートアッププログラムin東京」という事業もやっております。これは続けます。これはこれで、まさに今指導いただいている教授、神戸大学の先生が、まさに私どもの目指すようなことを目標として指導していただいているので、これは引き続き続けます。ですから、これまでやってきた「とやま起業未来塾」は一旦ピリオドを打たせていただきたい。
 このことは、ずっと塾頭を務めていただきました一柳良雄塾頭にも、そんな気持ちをしっかりご説明をして、それはよく分かりましたということで、気持ちよく今回で、16年続いたお仕事から離れていただいたことも申し添えたいと思います。

<記者>
 最後に1点だけ、副知事の複数制なんですが、一応確認なんですけども、県議会の初日開会日に条例改正案なりを出すということでよろしいでしょうか。

<知事> 
 1人を2人にするという条例の改正案を初日にお出しします。

お問い合わせ

所属課室:知事政策局広報・ブランディング推進室広報課 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁本館2階

電話番号:076-444-8909

ファックス番号:076-444-3478

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