更新日:2021年2月24日

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木象嵌技術(保持者:中島菊太郎[杢堂])

昭和39年7月30日指定、認定
昭和43年認定解除

木象嵌は次のような方法で行われる。まず、木材の木質に含まれている有機分に薬品を加えて発色させ、これを必要な形に裁断したものを、桐の台木の下絵の上に配列し、糸鋸ミシンなどで台木とともに裁断し、その木口の周辺に接着材を塗布してそのまま上部より押して台木にはめこみ、乾燥させ、両面を鉋でけずり、外装品をとりつけ、汚損防止の薬剤を塗って仕上げる。

このような技術は早く帰化人の手により、伝えられ、奈良時代まで存続したが、その後中断していた。近世の末、鳥取池田藩の画師長谷川治左衛門が大和地方を巡歴中、天平の遺品から「木象嵌」の価値を認め、これを再興して「木画」と称した。後の「御来屋細工」である。その後、明治に至って島根県の青山泰石がこれを東京で時代にふさわしいものに改良してひろめた。

作品写真

上新川郡大沢野町出身の中島菊太郎は明治39年上京、同43年この技術を習得して帰郷した。そののちさらに嵌入材質の科学的処理方法や材料などを研究して独特の「木象嵌技術」に向上させた。

【富山市】

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