更新日:2021年2月24日

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金属器の登場

きんぞくきのとうじょう

弥生時代の大きな特徴のひとつとして,金属器の登場があります。鉄は鍬や鋤の刃先,鎌,やりがんなといった農具や工具に用いられ,青銅は剣,矛(ほこ),戈(か),銅釧(どうくしろ),巴形銅器,(ともえがたどうき),銅鐸,鏡などの祭器に使用されました。とりわけ日本独特の金属器としては銅鐸があげられますが,集落の祭りに用いられたと考えられています。なお,鉄斧の普及によって,弥生時代の終わりには石斧は姿を消します。青銅器の製作には初期の段階で石製の鋳型が使用されましたが,後に土の鋳型へとかわりました。青銅の原料である銅と錫は中国大陸産で,板状の素材で輸入されたのではないかと考えられています。鉄も素材で輸入され,鍛造によって製品に加工されています。ところで,島根県の荒神谷遺跡では358本もの銅剣,6個の銅鐸,16本の銅矛が谷の斜面に並べられた状態でまとまって発掘されました。銅鐸や銅剣を用いて行われたむらの祭りがなされなくなり,一括して埋納されたのではないかと考えられています。富山県では小杉町の囲山遺跡(後期)で,墓坑から鉄製の短剣が,上市町の中小泉遺跡(後期)で,溝から赤銅色をした直径7.1cmの鏡(小型倣製鏡)が出土しています。


短剣(囲山遺跡出土)


小型倣製鏡(中小泉遺跡出土)

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