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更新日:2021年3月4日
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牛ヶ首用水
うしがくびようすい
富山市、新湊市
婦負郡、射水郡
牛ヶ首用水による神通川左岸一帯の水田開発が始まったのは、今から約380年前の江戸時代でした。その用水の工事は、加賀藩、富山藩から富山県へと引き継がれ、富山県内で最も歴史の古い用水路です。現在、牛ヶ首用水は、婦中町・富山市・新湊市・小杉町・下村にいたる約4,220haもの水田地帯を潤し、昭和に近代的な改良工事が行われてからは農業用水とともに工業用水や発電としても利用されています。
[作成:平成16年3月]新湊市、射水郡=現射水市、婦負郡=現富山市
牛ヶ首の名前のひみつ
「牛ヶ首って、変わった名前カモ」
「ある夜、用水路工事の責任者だった八町村の善左衛門の枕べに神様が立たれ、八ヶ山に牛の首をうめるよう告げられたそうだよ」
「なぜ、神様はそんなこと言ったんだろう?」
「用水路の工事でいちばん苦労した八ヶ山の工事を切る抜けるためだって言うよ」
「それから、それから?」
「用水路が完成した時、たびたび現地へ視察にきていた加賀藩の前田利常公は、この話を知ってか知らずか『牛ヶ首御用水』と名づけたらしいよ」
「うわぁ、大きい牛がいる!」
「人々は、牛の首を地元の守り神にしたんだね。神社の境内では毎年9月に少年相撲も行われているよ」
用水路を探検その1
「大きな湖があるよ」
「神通第三堰堤といって用水の源だよ。
「ここが水の取入れ口。その水量は最大で毎秒18t!」
「それって、すごいカモ!」
「あっ、用水路が消えた!」
「川を横切る時、用水はいったんサイフォンという管をくぐらせるんだ」
「へぇ、でもどうして」
「川の洪水から用水路を守るためだよ」
「このサイフォン、ほかでも見たことあるカモ」
「牛ヶ首用水では、井田川と山田川との合流点にあるよ」
用水路を探検その3
「小さい水路がたくさん!」
「ここはとやまを代表する米どころだよ」
「じゃあ、おいしいお米のためにも、きれいな水を大事にしないとね」
加賀の殿様が築いた用水路の基礎
富山藩の分藩と四万石用水(しまんごくようすい)
近代化への昭和の大工事
明治時代以降、牛ヶ首用水の事業は、富山県に引き継がれました。水源の神通川では発電の事業が始まり、昭和30年(1955年)神通第三堰堤が完成すると、牛ヶ首用水はここを水源地とするようになりました。また、昭和37年から昭和53年(1962〜1978年)にかけて、用水路や用水施設の近代的な改良工事が行われます。これには国と県、地元からも多くの出資があり、その開始から17年間に及ぶ大工事となりました。こうして牛ヶ首用水は、現在の私たちが見る大用水路へと発展し、神通川左岸一帯は豊かな水と実りの大地へと変わりました。
▲昔の農作業風景
土地改良広辞苑
灌漑【かんがい】
田畑に水を引いて注ぎ、土地を潤すこと。
左岸・右岸【さがん・うがん】
川を上流から見て左側は左岸、右側は右岸。
石高【こくだか】
米の収穫量で、一石あたり約150kg。
堰堤【えんてい】
川や谷を横切り、水を得るための堤防ダム。
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