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トップページ > くらし・健康・教育 > 生活・税金 > 生活衛生 > MAKE TOYAMA STYLE > 現場レポート > Vol.11 産業観光やブライダルなど、新たな挑戦を続ける『能作』の取組み
更新日:2022年5月2日
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(令和3年1月22日掲載)
創業100年の歴史を持つ『能作』。もとは仏具や茶道具の下請けのみを仕事にしてきたが、約20年前からは自社製品の開発を積極的に手がけています。主に「錫(すず)」100%を素材にしたテーブルウェアを豊富にラインナップしており、「曲がる」という素材の特性を生かしたアイテムも多いです。
『能作』の製品は、高岡伝統の鋳造技術を用いて作られます。砂型に溶かした錫を流し込み、砂型を割って固まった錫を取り出します。その後、手作業により仕上げ。表面が凸凹しているのは、砂の表情がそのまま残っているからだそう。
常設展示場「ものことこころ展」
新型コロナウイルスの影響で工場見学ができない中、『能作』が大切にしている「もの:商品」「こと:体験」「こころ:職人の思い」を伝えたいという思いで常設展示場を設置。気軽に立ち寄ってみてほしいとのこと。
コロナ禍だからこそ多角展開で攻める。
旅行業を取得し、新たな価値を提言
商品販売では、新型コロナウイルスの影響で直営店舗が大打撃。ひどい時期では30%(前年同月比)の時もあり、店舗販売の打撃が大きな影響を受けています。一方で、オンラインショップは売上が増加。今後はオンラインでどうやって商品価値を伝えるかが、ひとつのテーマだそう。
広く行なっていた団体集客も打撃を受け、現状では観光客の受入れを止めています。産業を担っている職人の安全確保の面から、現在も工場見学を休止せざるを得ない状況とのこと。
このような課題に対して『能作』では、今まで以上に“もの”(商品)の魅力を伝えていく必要があると考え、戦略的に多角展開するように取り組んでいます。
例えば、医療機器の開発や海外進出など、一つに絞らずにいろいろなところに網を張ること。新たな先を見据えたチャレンジができる体制を整えています。新しい合弁会社を立ち上げ、台湾・中国を中心とするアジア圏への進出を計画。医療機器についても医療現場などで役立てるヘルスケア用品等に力を入れています。
観光面では、2020年4月に旅行業を取得。ものづくりをしている視点で、個人誘客型かつ新たな観光の形を思案しているそう。
人気の工場見学は現在休止中ですが、展示場からは職人の仕事ぶりを覗くことができます。
本社工場に併設されたおしゃれなカフェ『IMONO KITCHEN』。富山の食材をふんだんに使用した料理を、こだわりの錫の器で楽しめます。イチ押しは12種のスパイスをブレンドして作った本格職人カレー。たっぷりの野菜を丁寧に炒めてやさしい甘味を引き出したヘルシーなカレーは、女性からの人気も高いです。オリジナルベーグルやデザートも揃い、ランチタイムからカフェタイムまで楽しめるお店。
本社工場併設のカフェでは、席数を減らして広々とした空間で食事を楽しめます。
「職人カレーセット」(1,500円/税込)はスープ、サラダ、本日のデリカ2種がついた人気メニュー。県産ポークの自家製ベーコンをトッピング。
「能サクッ!アップルパイ」(1,500円/税込)。パイ生地を人気商品の「KAGO」に、りんごを鋳物の型に見立て、中にスイートポテト入れた『能作』ならではの逸品。
人と人のつながりは決して変わらない。
どうやってものの魅力を伝えていくか
「新型コロナウイルスの前後で変わったことと、変わらないことが多くありますが、私は人と人とのつながりというところは決して変わらない部分だと思います。記念日を祝うとか贈り物をするといった風習は本来、日本人に限らず世界中の人々が行なってきたことで、それは絶対変わらないと思うのです」。(能作さん)
専務取締役の能作千春さん
「考え方はすごく変わりました。工場見学にしても、今までずっと数にこだわってきていました。幅広く全国、海外の方に能作のことを知っていただきたい、そこは変わっていないのですが、やはりある程度ターゲットを絞った上で、ターゲットに沿ったそれぞれのやり方を追求していきたいと思います」。(能作さん)
能作さんは、昨年オンラインショップの売上を分析したそう。県別に売上を人口で割って一人頭の購入金額を分析すると、第1位がダントツで富山県でした。富山県の多くの人に知ってもらい、取組みも浸透してきているのかなと感じ、すごくありがたい結果だったそうです。
伝統産業を守り、新たな挑戦を続ける『能作』の今後に注目です!
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