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トップページ > くらし・健康・教育 > 生活・税金 > 生活衛生 > MAKE TOYAMA STYLE > 現場レポート > Vol.36 “南砺のお酒をとことん愉しむ”新たなスタイルの宿泊プラン
更新日:2022年5月2日
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(令和4年3月3日掲載)
南砺市観光協会が、アフターコロナを見据え、「南砺の宿ブラッシュアップ事業」を立ち上げました。“南砺のお酒をとことん愉しむ”をコンセプトにした新たなスタイルの宿泊プランについてお話を伺いました。
南砺市観光協会は、富山市出身の商品ジャーナリスト・北村森さんをエグゼクティブプロデューサーに迎え、「南砺の宿ブラッシュアップ事業」を立ち上げました。宿の魅力アップをはかり、中長期的に持続可能なプランを作ろうと活動する中で生まれたのが、「南砺の酒を愉しむ連泊プラン」です。
南砺市には、日本酒、地ビール、ワイン、ウイスキーの酒造メーカーがあります。北村さんは、南砺市を拠点とする三笑楽酒造、成政酒造、若駒酒造場、城端麦酒、Domaine Beau(トレボー)、T&T TOYAMAの6社のお酒を「南砺の宿に連泊しながらとことん愉しんでほしい」と、「南砺だから まるごと酒旅」を企画しました。
南砺には、醸造酒から蒸留酒まで、個性豊かな6つの蔵が揃う。
「南砺だから まるごと酒旅」は、1日目の宿へのチェックインから2日目の宿のチェックアウトまでの宿泊、飲食、ラグジュアリータクシーなどでの移動を提供する2泊3日のプランです。宿は、プランに登録する11施設から、飲食店は14店舗から、観光客自身が選びます。宿は、1泊2食8,000円の民宿から40,000円のオーベルジュまで、2日目の昼食などに利用する飲食店は、1,200円のおでんがある食堂から10,000円のコースが堪能できるフレンチレストランまで揃い、観光客が組み立てたプランを同協会が手配する仕組みです。
〈おすすめコース〉
A. 民宿中の屋(利賀村)→春乃色食堂(福光)→nomi(井波)→薪の音(城端)
宿泊(1泊目) 昼食 立ち寄り 宿泊(2泊目)
B. 川合田温泉(福光)→gonma(福光)→しみずや(福光)→庄七(五箇山)
宿泊(1泊目) 昼食 立ち寄り 宿泊(2泊目)
C. おかべ(利賀村)→ランソレイエ(城端)→かずら(城端)
宿泊(1泊目) 昼食 宿泊(2泊目)
事業企画担当の荒井有紀さんは、「フレンチに『三笑楽』を合わせたり、岩魚のにぎりに地ビールを合わせたり、おいしい料理と一緒に南砺のお酒をとことん愉しむプランです。6つの蔵と一緒に何かをするのは初めてで、いままでにない新たな試みがおもしろくてワクワクしています」と期待をふくらませ、同協会の米田聡専務理事は、「旅の楽しみは、料理とお酒。体験や観光だけではない、今までとは全く違う世界観の旅を楽しんでいただきたいです」とアピールしています。
川合田温泉が、「三笑楽」や「成政」と合わせる料理の一例。
北村さんは、昨年7月から今年2月の間に同市を17回訪れ、中でも「企画に積極的に取り組みたい」という旅館や民宿、ゲストハウスなど4宿に対し、重点的にアドバイスしてきました。
「川合田温泉」では、ずっと使われていなかった旧館に着目。荒井さんは、「改修し、畳も入れ替えて、すごくいい宿になりました。猪肉の酒粕の鍋など、食事もとても工夫されています。料理に合わせて提供するのは、『成政』の15年古酒です。宿のみなさんに北村先生の熱い思いが伝わり、みなさんの気持ちが、『こうしよう』という風にどんどん前向きに変わっていったのが印象的でした」と振り返ります。
米田さんは、「北村さんは、宿を取材するときは必ず泊まってから。料理のことを書くときは食べて呑んでから。身をもって体験しプランを作る北村さんの仕事の仕方に感動しました」と明かします。
プランに登録する「古民家の宿おかべ」(左)、「ゲストハウス合掌かずら」(右)。
コロナ禍で観光業界は大きな打撃を受けました。国や地方自治体などは、観光事業者に対してさまざまな支援をしています。米田さんは、「支援は割引によるものが多く、世の中は今、割引漬けになっています。アフターコロナを迎え割引がなくなったとき、急に割高な印象を受けるはずで、コロナが収束したときにこそ本当の危機が訪れるのではないでしょうか」と危惧しています。
一方で、コロナ禍の旅として、自宅から近い場所で旅行や観光を楽しむ「マイクロツーリズム」が注目されています。米田さんは、「近隣を旅しようという動きが世界中に広がっていることを考えれば、業界としては世界中がライバル。宿泊施設は、リネン管理なども含めて考えると裾野がとても広い。宿泊施設をしっかり磨き込めば、風呂敷理論で周りも一緒にレベルアップする。私たちも含め、ほかの観光事業者にもいい影響が出るでしょう」と期待を寄せています。
「あくまでお酒を愉しむ旅なので、飲み過ぎに注意を」と話す(右から)南砺市観光協会の米田専務理事、事業企画担当の荒井さん、野原事業部長。
同市内に宿泊事業者は、民宿やキャンプ場も含めて約70施設。荒井さんは、「新しくておしゃれな宿や、歴史ある宿など、南砺市には頑張っているいい宿がたくさんあります。宿自身が魅力に気付いていないこともあるので、この企画がそれぞれの強みを磨き上げていくきっかけになれば。そして今後、プランに参加したいという宿が増えればうれしいですね」と話します。
米田さんは、「企画を通して宿や飲食店など、もてなす側にとっても新しい発見があり、意識が変わるかもしれない。単に盛り上がって終わるのではなく、宿にとって残るようなこと、根付くようなことをしなくてはいけません。企画を継続し、成功事例を作っていくことが大事だと思います」と話しています。
地元のお酒と料理のマリアージュを柱にした「南砺だからまるごと酒旅」は、4月からHPで販売開始。情報は3月9日現在のもので、その後変更される場合あり。詳しくはHPを参照。
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