安全・安心情報
更新日:2022年5月2日
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(2021年1月11日掲載)
新湊漁港では、早朝のセリに加え、全国的に珍しい昼セリが行われています。船が漁に出るのは午前0時で、昼セリが始まるのは午後1時。まさに獲れたての魚介がズラリと並びます。昼セリは、事前に予約すれば見学が可能。見学ゾーンの収容人数は約200人で、新型コロナウイルスが流行する前は大勢の観光客でにぎわっていました。
紅ズワイガニの昼セリ。えんじ色の帽子がセリ人。市内の魚屋や料亭など20~30社が参加します。
新湊漁業協同組合の松井さんは、「昼セリ見学は、県外からのツアー客が約8割。コロナ禍で見学を続けていいのか、どのように対応すればいいのかと頭を悩ませました」と振り返ります。最終的に、見学ゾーンは約5ヵ月間にわたり閉鎖しました。
新湊漁業協同組合の松井さん。この日は天候が悪く、水揚げされた紅ズワイガニは2隻分。通常はこの倍のカニが並びます。
見学再開後は、手指の消毒液の設置、見学者へのマスク着用の呼びかけに加え、見学ゾーンにビニールシートを取り付け、間隔を空けて見学してもらうための印を付けるなど、感染対策を行っています。また、セリ人や仲買人などセリ参加者もマスクを着用し、ソーシャルディスタンスの確保、手洗いや咳エチケットの励行、出勤前の体温測定といった対策を続けています。
2Fの見学ゾーン。感染対策として取り付けられたビニールシート。
ロープが張られ、間隔を保って見学できるように、見学者が立つ位置を示す線も。
昼セリ見学で最も人気があるのが紅ズワイガニ。漁期は9月1日から翌年5月末までで、紅ズワイガニが赤い絨毯を敷いたようにズラリと並ぶ美しい光景が楽しめます。紅ズワイガニは、昔から漁師たちの間で「紅(アカ)ガニ」と呼ばれていることもあり、2016年から、県内の漁業者によって水揚げされた紅ズワイガニは「高志(こし)の紅(アカ)ガニ」と名付けられました。大きさや重さ、身入りなどの規格を満たすものには、トップブランドとしてタグがつけられ、高値で取引されます。
規格を満たす極上の高志の紅ガニには、漁港名と船名入りのタグが付けられます。
見学ゾーン右手から順に大きな高志の紅ガニが並ぶ圧巻の光景。そのセリが10分ほどで終わると、すぐに次々と他の魚種が並べられセリが再開します。セリ人でもある松井さんは、「セリ人と仲買人が競り合う様子を楽しんでほしい」と話します。
色鮮やかな高志の紅ガニ。寒くなるほど身が締まって、より美味しくなる。
取材した日の見学者は十数人で、充分に間隔を空けて見学が可能でした。金沢から訪れたという年配のご夫婦は、「魚の種類が豊富で驚きました。紅ズワイガニがすごくキレイ!」と感激した様子。関東方面から訪れたというカップルは、「全国の漁港を巡るのが趣味。カニのセリが見られる漁港はほとんどありません」と話していました。(取材時は2020年12月)
ノドグロ、タラ、甘エビ、バイなど、この日は約50種類の魚介が水揚げされました。
甘エビも北陸の冬の味覚のひとつ。
水深1,000mに棲む紅ズワイガニに対し、水深300mに棲む本ズワイガニは、生きたまま取引されます。
松井さんは、「新鮮な魚介をご自宅などに発送することも可能ですが、本音を言えば、できれば食べに来てほしい。それが一番おいしいと思うから」と思いを明かしてくれました。
富山湾の豊かな漁業資源を維持しながら、感染対策を万全にして地元の観光資源としても大切に守っていこうという取組みが今日も続けられています。
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