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更新日:2022年2月17日
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【全体版】令和4年2月17日(木曜日)知事記者会見【発表項目】(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) 【1】令和4年度当初予算のポイント(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) 【2】富山県成長戦略に基づく主な事業について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) 【3】重点政策別の主な事業について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) 【4】令和4年度の組織の見直し等について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) (※)機材不具合により、一部の映像を静止画に差し替えております。ご了承ください。 |
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令和4年2月17日(木曜日)知事記者会見【質疑応答】(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます) (※)機材不具合により、一部の映像を静止画に差し替えております。ご了承ください。 |
はい、それではちょっと長い時間になると思いますが、やはり大きな金額の予算、それから組織のことなどですので、どうか、おつき合いいただければというふうにお願いをいたします。
まず最初は、令和4年度当初予算のポイントについてご説明を申し上げます。
一般会計の予算額は、6,333億347万円ということになります。
令和3年度に次ぐ規模となります。
令和3年度当初予算は6,335億7,501万円でございました。
内容としましては令和3年度に引き続き、新型コロナ対策、そして社会経済活動の両立、これに全力を挙げるとともに、成長戦略でのビジョンとして出ました、「幸せ人口1,000万ウェルビーイング先進地域、富山」の実現に向けて積極的に取り組む予算となっています。
なお、当初予算と一体的に編成した、1月補正予算。そして、後ほど触れますが、2月定例会の冒頭に、当初予算とともに提案させていただきます、2月補正予算。これを合わせました15か月の予算としては、計6,854億7,074万円となりまして、これは過去最大の規模となります。
それでは今回の予算のポイントについて説明します。
まず、感染拡大防止や、医療提供体制の整備、事業継続雇用の維持、経済活動の回復などの「新型コロナ対策」として、174億円を計上いたしました。
こちらは新規重点経費として、新たな対策や充実した事業分のみを計上したものになります。
入院病床の確保など継続的に実施するものや、制度融資の預託の金額などを含めた、新型コロナ対策全体の経費としては、635億円です。
これは令和3年度当初予算でみました、637億円と同規模になります。コロナ対策予算としては同規模になります。
県民の暮らしと安全を守るため、医療提供体制の確保などの新型コロナ対策経費を通年分計上するとともに、中小企業ビヨンドコロナ補助金など、事業継続や経済活動の回復に向けた対策を強化してまいります。
また、「富山県成長戦略」の具体化に向けた施策や、「富山八策及び八十八の具体策」を推進するための新規重点経費として、85億円を計上しました。
成長戦略の六つの柱からなります重点政策のほか、産業・経済の活性化、子育て環境の充実、農林水産業の振興、公共インフラの整備等を推進します。
また、令和3年度当初予算で新設しました、「サンドボックス予算」については、11部局で29事業を実施しました。約7割の執行率となりました。
試行や調査などを経て、効果が認められた、あるいは課題が浮き彫りになったことへの対応として、これらのほぼすべてについて、令和4年度当初予算に反映しております。
詳細は参考資料として配付しておりますのでご覧いただければと思います。
令和4年度も引き続き、このサンドボックス予算を計上しまして、現場の視点、アイディアを活かし、新たな課題に迅速果敢に対応していきたいと考えています。
なお令和3年では11の部局に1,000万円ずつということでしたが、今回は、令和3年度では配分しなかった出納局、これも追加しました。
さらに後程組織の見直しで申し上げますが、一つ局が増えますので、二つ令和3年度に増え、13部局に1億3,000万円ということになります。
次に、事業の見直し・再構築についてです。
令和4年度当初予算ではマイナスシーリング方式を廃止しました。事業自体の廃止も含めた見直し・再構築に重点を置くことにしました。
各部局では、県民目線、業務の効率化や働き方改革の観点も踏まえて、これまで以上の見直しを進めた結果、12月の下旬には私みずからヒアリングも実施をしましたが、全体で362件の事業を見直し、または再構築し、効果額も事業費ベースでは、昨年度の約10億円を大きく上回る18.2億円となりました。
内容としては、例えば、園芸産地支援のあり方の抜本的見直し、学校全体の非常勤講師の皆さんの配置の最適化、介護士・保育士等の各種研修・会議等のオンライン化など、多くの分野にわたりまして、県民目線、現場重視の見直しの実現が、図られたと考えています。
この他の見直し、本当に多くの数になりますが、これらについてお手元に一覧表を配付しておりますので、ご覧をいただければと思います。
事業の見直し再構築について、これは終わりはないことだというふうに思っています。今後も、公共施設整備への民間活力の導入、あるいは官民協働事業レビュー等の実施、先月12月に試行的に行いましたが、これも実施を継続してまいりたいと考えております。
次に、収支見通しと財源対策についてです。
昨年10月時点では50億円の要調整額が見込まれましたことから、当初予算編成に当たりましては、今ほど申し上げました事業の見直しや、政策の重点化・効率化を図るとともに、コロナ対策のための交付金や一般財源総額が確保・充実されるよう国に強く要請をし、財源の確保に努めてまいりました。
その結果、歳入面では、昨年10月の試算に比べ、県税と地方交付税、臨時財政対策債を合わせた主要一般財源は概ね確保されましたほか、コロナ対策のための地方創生臨時交付金なども措置されることとなりました。
さらに、令和3年度の税収増分を県債管理基金に積み立て、令和4年度に活用することとしたほか、先ほどご説明しました事業の見直し・再構築などにより、要調整額を解消できたところです。
なお、令和5年度以降につきましては、今後の経済情勢にもよりますが、引き続き一定の要調整額、令和5年では25億円程度、令和6年度では32億円程度を想定しておりますが、これらが見込まれるなど、財政収支は当面厳しい状況が続くことを想定しております。
7ページには、中長期中期的な財政見通しの内訳資料も参考に添付しておりますので、ご参照いただければと思います。
今後とも行財政改革を推進するとともに、国に対して地方税財源の確保充実を、強く働きかけるなど、引き続き財政健全化に努めて参ります。
次に、県債残高についてです。
令和3年度は、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に対応して、防災・減災対策を実施したこと、また、新型コロナの影響による地方の財源不足の拡大に伴い、臨時財政対策債の発行額が増加したことなどから、昨年度に引き続き県債残高は増加する見込みです。
令和4年度は、企業の業績が回復したことなどにより、地方財源不足が大幅に縮小しました。臨時財政対策債の発行が大幅に減少すること、また、満期一括方式で借り入れた県債の償還が増加することなどによりまして、令和4年度末の残高は、減少する見込みです。
また、財政調整基金と満期に一括して償還する県債の積み立て分を除く県債管理基金につきましては、令和4年度末の残高見込みが合計で258億円となっており、大規模災害や経済不況等の不測の事態への備えとして、目安と私どもで考えております、標準財政規模の5%程度の水準を上回る、8.2%となっています。
なお、下のグラフをご覧いただきますと、令和3年度以降に残高が大幅に増加しておりますが、これは令和3年度の実質税収が、当初予算を140億円上回る見込みとなったために、その全額を県債管理基金に積み立てることによるものです。
税収の増分につきましては、後年度に地方交付税が3か年にわたり減額精算されるというルールがありますので、その収入減に際しても、県債償還を進めていくための対応とご理解をいただければと思います。
なお、令和4年度当初予算においては、これから50億円を取り崩すこととしております。
令和4年度当初予算のポイントについては以上になります。
次に、富山県成長戦略の六つの柱ごとに、主な事業を説明いたします。
まず、真の幸せ(ウェルビーイング)戦略では、成長戦略全体に通じるウェルビーイングの理解や向上を進め、産業政策の出発点となる人材集積を図っていくため、多様な人材がいきいきと暮らせる環境づくりを推進してまいります。
まず、ウェルビーイングについてですが、県政世論調査の結果にもありますように、県民の皆さんにはまだまだなじみが薄い言葉だと考えています。
まずは、県民の皆さんにウェルビーイングを知っていただき、その向上を目指してまいります。また、県民の皆さんにわかりやすい目安となる指標を設定したいと考えています。特に、女性のウェルビーイングの向上は大変重要な課題です。県内企業における女性活躍、働き方改革の推進や、子育ての負担感の軽減に努めてまいります。
さらに、人材交流、人材集積を進めるため、本県の成長戦略及びビジョンを県内外に発信し、共有する県内外の方が集い、連携して取組みを進める契機となるカンファレンスを来年度も引き続き開催いたします。
また、様々な地域課題に取り組んでおられる地域おこし協力隊の皆さんの受け入れ数増加や、県内定着率の向上にも取り組んでまいります。
まちづくり戦略では、新しい価値を生む人材は、個性的で自由な文化風土を好むであろうという想定から、市町村や事業者の皆さんとも連携をしながら、個性的で居心地が良いまちづくりに取り組んでまいります。
また、富山らしい個性的なまちづくりに向けては、行政が民間と対話しながら作り上げていく必要があります。まちづくりの主体である市町村が、地域団体等と連携し、地域の特色や強みを生かしたまちづくりを支援していきます。
地域課題の解決を図るためには、新しい技術やサービスを活用していくことも重要です。デジタルを活用した新たな付加価値のついた交通サービスの創出に向けて、県内のMaaS(マース)の環境を構築します。
さらに、居心地がよく、個性的な市街地・田園地域づくりを目指して、デジタルなどを活用した先進的な取組みを調査し、今後研究を進めていきます。
また、官民連携によるまちづくりや社会課題の解決については、県庁に新たな相談窓口を設置するとともに、職員のスキルの向上に取り組みます。
また、富山空港や県立の都市公園などで民間活力の導入を検討してまいります。
次に、ブランディング戦略では、富山の日常を観光資源ととらえ、県民一人ひとりが発信していく機運を醸成するとともに、関係人口1,000万人の実現に向けたブランド力の強化を目指します。
そのため、まず暮らすように旅をする新たなスタイルの観光サービス創出に向けて、女性の視点を活かした担い手の育成や観光商品の造成、観光事業者が新たに取り組む観光ビジネスを支援してまいります。
また、富山のすばらしさを県民一人ひとりが発信したくなる機運を醸成するため、若者をターゲットに、SNSなどを活用して、日常の幸せを発信拡散してまいります。
関係人口1,000万人実現に向けた取組みとしては、サーロインの法則、すなわちコンテンツ、あるいは作る部分に3、発信をすることに6、検証に1、こういった割合を意識したこと、これまではどちらかいうとコンテンツの制作にほとんどのリソースを割いて発信、あるいは検証が軽く見られてきた反省に立ちまして、このサーロインの法則を意識したデジタル観光情報発信力の強化、またマーケティング手法による、欧米豪の市場調査・分析に取り組むほか、ターゲットを絞ったリアルな取組みとして富山にゆかりのある人物との縁を活かした観光物産展を開催します。
また、関係人口の創出や二地域居住、将来的な移住の促進につなげるため、ワーケーションを推進してまいります。
次に、新産業戦略では、地元企業の育成や、県外の消費を呼び込み、「外貨の稼げる」自立した経済圏の形成、県内企業のDX化や、高付加価値化への支援、STEAM教育などの人材育成の強化に取り組んでいきます。
そのため、地元企業による県内への再投資を促すため、企業立地助成制度を拡充するほか、富山きときと空港の活性化や、伏木富山港の機能を強化するなど、広域交通インフラの充実に取り組みます。
また、県内企業のDX化に対する支援や、カーボンニュートラルの進展を踏まえたグリーン成長戦略分野に関連する新製品や新技術の研究開発支援に取り組みます。
さらに、カーボンニュートラルの実現に向けた競争力強化を目指し、とやまアルミコンソーシアムによる実用的なアルミリサイクルの研究開発を支援するほか、県内医薬品産業の振興や専門人材の育成・確保をするためには、引き続き、産学官による「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムに対し、支援をしてまいります。
デジタルを活用した地域課題解決を進めるため、企業等が保有する革新的な技術を活用し、様々な分野における実証実験に取り組むほか、これからの本県産業を担う人材を育成するため、プロジェクト学習の推進、突き抜けたDX人材を育成するため、小中高校生向けの体験プログラムなどを実施してまいります。
次に、スタートアップ支援戦略では、スタートアップの核となる突き抜けた人材やチャレンジ人材が県内でのびのびと活動しやすい環境整備を進め、意欲のある人が起業に挑戦しやすい県を目指してまいります。
スタートアップ支援については、次世代の価値を生む人材のロールモデルの創出を目標としておりまして、新しい時代に適合した、大きく成長するスタートアップ企業の創出に向けて、案件の発掘と集中支援を行います。また、エコシステムの形成に向け、国のJ-Startup制度を参考とした、起業家とその支援者のネットワークの構築や、渋谷にあります「渋谷キューズ」を活用して首都圏でのマッチング事業を実施してまいります。
また、スモールビジネスの支援についても、県内外から多様な人材を引きつけるために、創業支援センター及び、創業・移住促進住宅を富山市蓮町にオープンするほか、市町村、商工団体等が実施する創業スクール等の開催経費を支援してまいります。
その他、県内大学生等の起業家マインドの醸成を図っていくため、米国オレゴン州ポートランドなどにおいて、研修を実施いたします。
次に、県庁オープン化戦略です。
ここでは、民間や市町村の関係者と連携していける県職員の育成、また県民参加・官民連携を行いやすい体制づくり、デジタルを活用した住民サービスの向上に取り組んでまいります。
県庁組織の活性化については、県と市町村の職員が一体となって地域課題に取り組む研修や、若手職員のアイディアを活かした庁内複業制度、コンピューターサイエンスでアジアトップクラスのシンガポール国立大学と連携したDX施策立案の高度化などの事業を実施いたします。
また、県が率先してテクノロジーを活用した働き方改革を進めますとともに、その成果を民間にも横展開していきます。さらに県職員自らが、ワーケーション手法を活用するなど、新たな働き方体験を実施します。
デジタル技術の活用については、県と市町村の共同によるデータ利活用に向け、データ連携基盤の構築に向けた実証を行います。また、「サーロインの法則」における「6」発信の強化として、閲覧者のニーズなどに応じ、表示内容が変わるポータルサイト「デジタル窓口」の設置など、県民への的確な情報発信等の実現に向けた調査を進めます。
次は、重点政策別の主な事業についてご説明を申し上げます。
初めに、新型コロナ感染症に係る感染防止対策や医療提供体制の確保についてです。
ワクチン接種については、市町村の接種体制を側面支援し、接種を速やかに実施するため、県内4所に県の特設会場を設置するとともに、接種に協力いただく医療機関などを支援いたします。
また、感染拡大傾向時に感染不安を感じる無症状の県民の皆様を対象としたPCR検査や抗原定性検査の無料化に必要な経費も計上しております。
また、今後の感染拡大に備え、新型コロナ感染症の入院病床や宿泊療養施設4棟を確保するとともに、自宅療養者への支援体制を充実するなど、医療提供体制の充実・確保に万全を期してまいります。
次に、事業継続と雇用維持、経済活動の回復についてです。
中小企業ビヨンドコロナ補助金を創設いたしまして、企業のDXや販路開拓、新ビジネス創出など、意欲的な前向きな取組みを支援することで、中小企業の事業継続・再建を促進します。
新たなGoToトラベル富山県事業については、県民向け観光キャンペーンの延長、またゴールデンウィーク以降に、県による新たなGoToトラベル事業を実施することなどにより、切れ目なく、観光需要を喚起し、経済活動の回復に向けて取り組みます。
次の資料ですが、新型コロナの影響を受けた企業、事業者への経営支援についてです。
県の制度融資では保証料をゼロとします。ビヨンドコロナ応援資金について融資限度額を引き上げるなど、拡充をいたします。
また3年間実質無利子のDX推進資金や、経営サポート資金を継続することにより、県内企業の資金繰りを支援して参ります。
次に、新産業の創出・産業競争力の強化です。
産学官連携による産業創出を支援するために、医薬品産業の振興では、くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムにおいて、研究開発や専門人材の育成確保に取り組むとともに、アルミ産業の成長力強化では、カーボンニュートラルの実現に向けた競争力強化を目指し、富山アルミコンソーシアムによる実用的なアルミリサイクルの研究開発を支援します。
また新たな成長産業の創出に向け、水素や再エネなど、グリーン成長戦略分野における新製品開発、新事業創出に向け、新たに研究開発を支援してまいります。
企業立地の助成につきまして、県内で工場を新増設する場合の助成要件を緩和するとともに、ITやオフィス系企業の県内進出に対する助成制度を創設し、県内投資をさらに促進してまいりたいと考えます。
県内企業の海外展開を後押しするため、訪問団の派遣や、オンライン商談会の開催など、アメリカオレゴン州との経済交流を促進するとともに、ベトナムでのビジネスサポートデスクの設置など、より成長の著しいアセアン地域への企業の進出を支援してまいります。
次に起業・UIJターン・移住の支援についてです。
起業支援については、とやまスタートアップT-Startup創出事業におきまして、成長するスタートアップ企業の創出に向けた案件の発掘と集中的な支援を行います。
また、クラウドファンディングを活用した助成制度の創設や、創業者向けの制度融資の対象期間を5年に拡充するなど、起業家の資金調達支援を強化してまいります。
移住の支援については、ワーケーションの推進、サテライトオフィスの誘致にさらに積極的に取り組むほか、富山大学の「”Re-Design”ラボ」に参画し、大都市圏の人材が、働きながら学ぶ場を創出してまいります。
また、富山市蓮町に創業支援センターと、創業・移住促進住宅がオープンします。多くの起業家や移住者を呼び込み、ヒト・モノ・コトが交流する、そんな拠点となっていくように運営してまいります。
次に女性が活躍する環境づくりです。
企業成長女性活躍プロジェクト事業について、女性の活躍は、企業の成長に繋がるという機運を醸成するためのフォーラムを開催するとともに、課題解決に取り組む企業に専門家を派遣するなどして、県内企業における女性活躍、女性管理職育成を支援いたします。
女性活躍ファーストペンギン企業パイロット事業では、企業の先駆的なチャレンジを支援します。
ウェルビーイング向上を目指す男女共同参画推進事業では、富山県男女共同参画計画の改定にあたって、県民の生の声を取り入れるための様々な機会を設けてまいります。
次に、働き方改革・仕事と子育ての両立についてです。
働き方改革ラボ1.5事業では、県庁の働き方改革をさらに推進するため、新たにセクションの枠を超えたデジタルツールの試行や、民間企業等への横展開を図るためのコミュニティを開設いたします。
男性の育児休業取得促進事業では、改正育児・介護休業法が本年4月から順次施行されることから、男性の育児休業取得を促進するため、企業の職場単位で働き方改革に一定期間取り組むチャレンジ事業を実施してまいります。
女性に偏重している家事育児負担の是正を促すため、男性が新たな家事育児に数週間チャレンジするとともに、専門家のアドバイスを受けて、家事育児に取り組む動画の配信による広報を行うなど、男性の家事育児参画の習慣化を促すキャンペーンを実施いたします。
次に、安心して子育てできる環境の整備についてです。
小児医療等提供体制の強化につきましては、県リハ病院の医療スタッフの増員など、診療体制の強化や、富山大学に児童精神科医等を養成する寄附講座を設置することなどにより、小児医療を充実強化してまいります。
児童相談所の機能強化につきましては、国におけるこども家庭庁設置に向けた検討状況等を踏まえ、児童相談所が果たすべき機能強化のあり方について検討し、基本計画を策定いたします。
子育て支援の充実については、子育て家庭等におけるウェルビーイングの向上につなげるため、子育て支援制度の利用促進を図るPRイベントや広報を実施するとともに、既存の子育て支援ポータルサイトにAIチャットボットを導入しまして、相談体制を充実してまいります。
スクールカウンセラーの配置について、いじめや不登校への対応のため、新たにスクールカウンセラーと学校等との連携ケース会議を開催することとし、いじめなどの未然防止・早期解決のための支援体制を強化してまいります。
次に、データヘルスなどを活用した健康増進についてです。
データヘルス推進基盤整備事業では、現状の分析や課題の洗い出しを行うため、分析システムを導入し、データヘルスを推進してまいります。
ヘルスケア分野におけるPFS導入事業では、高血圧性疾患の重症化予防のためのデータ分析など、PFSすなわち、成果連動型民間委託の導入に向けた事業設計を実施してまいります。
また、健康寿命の延伸に向け、スマホアプリなどを活用した、あらゆる世代の生活習慣の改善を促すキャンペーンの実施、あるいは民間と連携し、睡眠不足等の解消に向けたシンポジウム開催などの取組みを進めるほか、とやまっ子ワクワク運動体験応援事業では、幼児や児童生徒の運動習慣形成に向け、運動遊びの普及啓発や、児童生徒の運動継続、健康的な生活習慣を支援するアプリを制作するなど、引き続き県民の運動習慣の定着、食生活の改善に取り組んでまいります。
次に、病院経営の安定と医療水準の高度化についてです。
医療勤務改善・キャリア支援事業では、医師の働き方改革を促進するため、県医師会による医療勤務環境改善支援センターの運営を通じ、各医療機関の取組みを総合的に支援します。
富山県訪問看護総合支援センターについては、県看護協会に4月から同センターを新設し、小児医療対応力向上技術研修や新卒看護師向けインターンシップなどにより、県内の訪問看護提供体制の安定化や機能強化を支援いたします。
回復期機能病床確保事業では、地域医療構想において、今後不足が見込まれる回復期機能病床等を確保するため、病床転換への支援を拡充してまいります。
次に医療・介護の人材確保と育成についてです。
県立大学大学院看護学研究科、看護学専攻科の整備については、専門看護師など、高度な看護人材の育成を行う大学院と、保健師・助産師を育成する専攻科の令和5年4月の開設に向け、施設整備を進めてまいります。
介護福祉士養成校魅力アップ事業では、養成校におけるカリキュラムの研究やイメージの向上への取組みを支援し、高校生の養成校進学や地域人材の参入を後押ししてまいります。
元気高齢者による介護助手普及・マッチング支援事業では、介護助手として働きたい高齢者と、介護事業所をマッチングする推進員の配置などにより、介護助手の導入を促進してまいります。
民間企業のスマート化や官民によるデータ利活用の推進に向けた取組みです。
デジタルを活用した魅力ある都市・田園地域研究調査事業では、デジタル等を活用した先進的な取組みの調査等を進めます。
ビッグデータの活用プラットフォーム構築事業では、県と市町村の共同によるデータ利活用に向け、データ連携基盤構築の実証に取り組むとともに、デジタルソリューション推進事業では、地域課題解決のため、企業などが保有する革新的な技術を活用し、様々な分野における実証実験を実施します。
また、中小企業デジタル変革推進事業では、デジタル技術を活用した企業での成功事例の動画配信や、課題に応じた講座等を開催します。
さらに、デジタルデバイド対策として、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者等を支援するボランティア等の育成に取り組んで参ります。
次の資料をご覧ください。
次にデジタル人材の育成や行政のデジタル化の取組みについてです。
未来のDX人材育成事業では、突き抜けたDX人材を育成するため、小中高校生向けの体験プログラムなどを実施します。
また、本年4月に供用開始する県立大学の「DX教育研究センター(仮称)」、ここにおいてDXを担う人材育成と研究を推進するとともに、今後の県立大学におけるデータサイエンス人材の育成に向けた調査・検討を行います。
戦略的広報広聴調査・実証事業ですが、デジタルを活用して、広報の発信力強化をするため、閲覧者のライフサイクルや関心分野、ニーズに応じて、表示内容を変える、そのようなポータルサイトを、また、プッシュ型通知の実証を進め、県民への的確な情報発信力の強化につなげてまいります。
次に、ワンチームとやまの推進について申し上げます。
「ワンチームとやま」連携推進本部では、これまで9回の会議を開催し、「有害鳥獣対策」や「防災危機管理体制の連携・強化」など、年間を通じて県と市町村が連携して取り組む重要政策である、連携推進項目について協議をしてまいりました。
来年度は、新たな連携推進項目として「農林水産物等の輸出促進に向けた連携強化」、これについて、市町村の皆さんと協議を進めてまいります。
次の資料をご覧ください。
「稼げる農林水産業の実現」についてです。
園芸作物の生産力の拡大・強化に向け、産地を牽引するリーディング経営体を育成し、その高収益モデルの横展開や、新しい労働力確保体制の確立などにより、稼げる園芸産地づくりを支援してまいります。
新規就農者育成総合対策事業として、就農前後の生活や経営確立を図るための資金の交付、また就農に必要な農機等の導入支援を行います。
集落営農の活性化に向けては、組織の活性化を図るためのビジョンづくりや、その実現に必要な農機等の導入を支援します。
農林水産物の輸出促進のため、地域商社を中心とした輸出プラットフォームの形成や、発展段階に応じた事業者支援を行います。
「富山のさかな・水産加工品」ブランド化推進事業では、新幹線輸送による鮮魚の販路拡大やキャンペーンサイトのリニューアルを実施いたします。
環境にやさしい農業を推進するため、野上前農林大臣のもとで、国が策定されました「みどりの食料システム戦略」を踏まえた有機農業の産地づくり支援や、プラスチック被覆肥料の肥料殻の流出削減技術の実施を行います。
次に中山間地域の活性化についてです。
中山間地域ドローン物流実証事業では、ドローンを活用した物流の可能性の検討をするため、ドローン物流の実証実験やビジネスモデル検討のための調査を実施します。
地域おこし協力隊定着率向上対策事業では、隊員の皆さんの相談窓口の設置や、クラウドファンディング型ふるさと納税を活用した起業支援などを実施し、隊員の受け入れ数の増加、また、県内定着率の向上を図ってまいります。
中山間地域買い物サービス総合推進事業では、中山間地域等における民間提案を活かした、買い物サービスの実証を行います。
次に、安全・安心な地域づくりについてです。
孤立集落対策としての、沿道林道前伐採事業、これは、大雪などの際の倒木被害による、道路の通行止めや停電被害を防ぐため、官民が連携して沿道林の危険な樹木の事前伐採を行う事業であります。昨年も、大雪によりそのような木が倒れることにより、道路がふさがれたりあるいは電線が切断され、孤立集落が生まれたということの反省に立ったものでございます。
地域住民主体のニホンザル対策強化について、デジタル技術を活用して、サルを人里に寄せつけないための実証実験など、地域ぐるみで実施をしてまいります。
高齢運転者安全運転教育推進事業では、民間の指定教習所における認定検査制度の導入や検査時間を短縮など、県民サービスの向上に努めてまいります。
次の資料をご覧ください。
次にスポーツ・文化の振興についてです。
富山県武道館整備事業では、PFI法に基づき事業を進めるため、民間コンサル等を活用し、事業者の選定手続きに着手いたします。
芸術・文化の振興については、本年7月30日からの「第4回世界こども舞台芸術祭」の開催を支援し、子どもたちの国際的な文化交流を促進してまいります。
また、富山県美術館DX推進事業では、デジタル技術を通じ、アートとデザインを楽しむことができるよう、富山県美術館の収蔵品のデジタル化や、デジタルアートの展示などを実施してまいります。
次に伝統工芸の振興についてです。
伝統工芸に関わる人材育成や販路開拓を支援するために、伝統工芸ミライ創造事業では、伝統工芸事業者などが取り組む新たなブランド企画に対し、専門家による伴走支援を行ってまいります。
とやま産品REAL&EC展示販売事業in Chinaでは、中国において、本県の優れた伝統工芸品を県の食や酒などと組み合わせてPRし、「オールとやま」による販路開拓を支援いたします。
とやま伝統工芸プロモーション事業では、伝統工芸品等のPR動画を作成し、海外展示会などと連動したプロモーションを行ってまいります。
次の資料をご覧ください。
SDGs・多様性の推進についてです。
SDGsの達成に向けた取組みを推進するため、温室効果ガス削減や再生可能エネルギー導入に関する計画を統合し、カーボンニュートラルの実現に向けた戦略を策定するほか、スーパー等の小売事業者と連携したエシカル消費啓発イベントを実施してまいります。
カーボンニュートラルポート形成計画の策定事業では、伏木富山港において、臨海部立地産業と連携をして脱炭素化を推進するため、計画の策定を進めてまいります。
関係人口1,000万人協働促進事業では、県民一人ひとりが活躍できる社会づくりに向け、ボランティア団体が県内外の団体などと協働で実施する取組みを支援してまいります。
地域日本語教育体制整備事業として、外国人が安心して生活し、活躍するための日本語教育環境の整備に取り組みます。
特別支援学校ICT活用パイロット事業では、VRやロボット等の最先端機器を活用して、障害のあるお子さんたちの可能性を広げていく学習の指導の充実や、現場での医療的ケア技能の向上を図ってまいります。
次の資料をご覧ください。
次に、初等中等教育の充実についてです。
少人数教育については、国より2年先行して、35人学級を実施しているところですが、来年度は、小学校5年生を対象に拡大し、少人数学級と少人数教育指導の組み合わせによる、効果的な少人数教育に取り組んで参ります。
児童生徒の課題発見・解決能力の育成に向け、とやま新時代創造プロジェクト学習推進事業では、県立高校において、産業界や高等教育機関、自治体などと連携をしながらプロジェクト学習を行うとともに、令和のとやま型教育推進事業では、小中学校において、今日的な課題をテーマとした研究実践に取り組み、県全体の教育の質の向上を目指します。
GIGAスクール運営支援センター整備事業では、県立学校でのICT教育支援体制を強化するため、その支援センターを新たに設置するとともに、専門人材の派遣により授業支援を実施してまいります。
次の資料をご覧ください。
次に高等教育、キャリア教育、リカレント教育の充実についてです。
県内大学生等留学支援事業では、海外留学する県内大学生を支援するため、奨学資金の貸与を行います。
それとともに、県内大学生等の起業マインドを醸成するために、米国オレゴン州ポートランド等での研修を実施いたします。
高校生職業教育プログラム推進事業では、各校での職業教育プログラムの実践を支援するとともに、起業人等から職業観について学ぶワークショップをオンラインで開催いたします。
とやまの高校生マイスター育成事業では、ものづくり人材や6次産業化に対応した人材、DXに対応した職業人材を育成するとともに、ものづくり産業に加え、農業分野でも「とやま高校生マイスター」、これを認定してまいります。
次の資料をご覧ください。
新たな時代の観光振興についてです。
新たな時代に対応した観光地域づくり支援事業として、ポストコロナを踏まえた、新たな時代の観光に対応するため、旅行商品やサービスの造成など、新たな観光ビジネスに支援してまいります。
マイクロツーリズム推進事業では、マーケティングに基づき新たな近隣県からの誘客に取り組みます。
新幹線敦賀開業に向けた機運醸成事業では、令和6年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、関西圏を中心とした機運の醸成、北陸3県等が連携したキャンペーンを実施してまいります。
黒部ルートの一般開放に向けて、旅行商品化に必要なガイドの養成や、販売体制構築など、観光客の受け入れ体制づくりに取り組みます。
インバウンドSNS等情報発信強化事業では、アジアや欧州、アメリカ、オーストラリアなど、各市場に有効なSNSによる情報発信に取り組んでまいります。
サイクリスト誘致に向けたSNSや、専門誌掲載、首都圏向けモニターツアー実施など、湾岸サイクリングコースの情報発信を強化し、県内外からの誘客を図ってまいります。
次の資料をご覧ください。
空港・港湾、公共交通の整備についてです。
富山空港の利用促進については、羽田便、札幌便を利用した旅行商品造成への支援により、さらなる利用促進を図ってまいります。
また、今年度実施した「富山きときと空港運営あり方検討会議」の議論も踏まえまして、民間活力の導入可能性を調査・検討します。
伏木富山港の物流機能の強化を図るため、富山新港のガントリークレーンの更新や富山港のハイポストクレーンの整備などを実施してまいります。
富山県地域公共交通計画の策定に向けた調査検討事業では、新たに法定の地域公共交通計画を策定するため、必要な調査・検討を実施してまいります。
また、公共交通による移動需要を喚起するため、アプリを採用・活用した公共機関の乗り継ぎの円滑化や観光施設等と連携した外出・移動のきっかけづくりなどに取り組んでまいります。
城端線・氷見線については、検討会を引き続き開催し、新しい交通体系についてさらなる調査・検討を実施してまいります。
次の資料をご覧ください。
令和の公共インフラ・ニューディール政策についてです。
公共事業は、15か月予算で国の公共事業関係費の前年度比94.6%と同等にあたる841億円を確保できる見込みとなっています。
また、主要県単独事業は、15か月予算で前年度の179億円を上回る183億円、これは対前年度比102.2%に当たりますが、これだけの額を計上しております。
これにより、1.河川の改修や農業用水利施設の更新整備などの治水・海岸・土砂災害対策、また、2.橋梁などインフラの定期点検や計画的な修繕・更新による老朽化対策、3.道路ネットワークの整備、港湾、漁港の機能の強化など、物流と生活を支える社会資本の整備を推進いたします。
これらの事業を行うことで、例えば、河川堤防等の整備や道路防災対策等の達成目標を1年前倒しで達成できるよう、引き続き県土強靱化を推進してまいります。
この他に次のページには、県内で整備予定の主な箇所を掲載させていただいておりますので、これもご参照いただければと存じます。
続きましては、令和4年度の組織の見直し等についてです。
組織の見直しや定員の管理のほか、令和4年度に行政改革として重点的に取り組んでいくものについて、ご説明申し上げます。
まず、令和4年度の組織・制度の見直しについて、成長戦略及び八十八の具体策を強力に推進をすること、交通施策の地域における総合的・戦略的な推進、こども関連施策を機動的かつ一体的に推進すること、これらをポイントに見直しを行いました。
知事政策局の成長戦略室に「ウェルビーイング推進課」を新設するとともに、官民連携・規制緩和推進課を改組して「民間活力導入・規制緩和推進課」を設置いたします。
ウェルビーイング推進課では、ウェルビーイング関連施策の取りまとめや、ブランディング・関係人口創出などの施策を担当し、庁内における成長戦略の推進役を担います。
少子高齢化やインフラの老朽化に加えまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、社会情勢が大きく変わる中で、持続可能な公共交通の構築に対応できるように、交通施策の推進体制を強化するために、地方創生局の交通部門を独立させ、「交通政策局」を新設したいと考えています。
交通政策局は、「交通戦略企画課」、「広域交通・新幹線政策課」、「航空政策課」の3課を設置することにしております。
経営管理部に「行政経営室」を新設いたしまして、民間目線の行政経営を推進するとともに、県政全体の企画調整機能を強化し、広域連携や行政改革などを推進したいと考えています。行政経営室には、「企画調整課」、「公民連携・行政改革課」の2課を設置いたします。
厚生部の子ども支援課を改組して、「こども家庭室」を設置し、国において令和5年度に設置される予定の「こども家庭庁」のカウンターパートとして、総合的なこども関連施策に取り組みたいと考えています。こども家庭室には、「子育て支援課」、「こども未来課」の2課を設置いたします。
富山・高岡の両児童相談所において、これまでの2課体制を5課体制に改組いたします。相談判定課を「相談支援第一課」、「相談支援第二課」、「心理相談課」、「地域支援・人材育成課」の4課に分割をし、相談支援機能及び市町村との連携体制の強化を図ります。
次、農林水産部に、「市場戦略推進課」を設置しまして、富山ならではの優れた食の魅力を発信し、県産農林水産物の輸出促進や、消費・販路の拡大を図ってまいります。この市場戦略推進課には、「輸出促進係」と「消費・販路拡大係」を設置いたします。
農林水産部水産漁港課の「漁政係」と「振興係」を統合して「水産班」に改組し、スマート水産業や水産物・加工品の輸出拡大のための漁業者等への体制づくりの支援、また改正漁業法に対応した水産資源の持続的な利用に一体的に取り組みたいと考えております。
令和4年度に向けた県庁の組織の活性化ということについて、次に説明を申し上げます。
成長戦略の策定にあたって、委員の方々からいただいたご意見や、若手職員からの提言なども踏まえまして、「人事異動サイクル」、「プロジェクトチームの設置」、「庁内複業制度の創設」、「ジョブチャレンジ制度の創設」、「職員研修の充実」に取り組んでいきたいと考えています。
まず、人事異動サイクルをライン職では、2~3年、非ライン職では4~5年を基本としたいと考えています。こうすることによって職員の専門性を高めるとともに、業務習熟による効率化や生産性の向上、時間外勤務の縮減、また、新たな課題への対応能力の強化にもつなげていけると考えております。
緊急性、重要性の高い課題を、既存の枠を超えて強力に推進するため、「プロジェクトチーム」を設置します。プロジェクトチームには、チームを統括する担当理事または参事、専門職員を配置いたします。
併せて、公募による庁内複業人材や外部の複業人材の活用も図りたいと考えています。
左の図はプロジェクトチームのイメージです。担当理事、あるいは参事のもと、関係課からメンバーが集まり、チームを編成してまいります。
令和4年度は一例として、
1.こども・子育てに関する施策の調整や、子育て支援施策体制の強化を図る「こども未来プロジェクトチーム」、
2.ブランディング戦略を検討する「ブランディング戦略プロジェクトチーム」、
3.ダイバーシティ&インクルージョンの推進を検討する「D&I推進プロジェクトチーム」などを設置し、部局横断的に施策の推進を図っていきたいと考えています。
これまでも、特定の課題について関係課から人を寄せまして、プロジェクトチームはありました。今回のプロジェクトチームは、組織人事制度にしっかりと位置付けた上で実施してまいります。
次に、庁内複業制度の創設についてご説明申し上げます。
職員の挑戦意欲にこたえるとともに、職員がこれまで培ってきた専門知識や業務のスキル、多彩なキャリアを有効に活用できるように、現在所属する部門に籍を置きながら、先ほど説明をいたしましたプロジェクトチーム、あるいは他の部門の事業などに従事できる「庁内複業制度」というものを創設いたします。
また、これまで各部門単位で実施をしていた従来の庁内公募を見直し、事業単位で意欲ある職員を公募する「ジョブチャレンジ制度」を実施いたします。これによって職員のさらなるやる気を引き出し、挑戦意欲にこたえていきたいと考えています。
職員研修の充実について説明いたします。
来年度から、部局横断的に分野ごとの専門知識等を習得するための「分野別研修」の区分を新設いたします。
また、研修所研修として、新たに、県と市町村の職員が一体となって課題の解決に取り組む「市町村とのワンチーム研修」も行います。
分野別研修について、来年度実施する主なものをご説明します。
一つ目として、県庁におけるDX施策を推進するための「幹部向けセミナー」、また、「DXリーダー育成プログラム」、「DX入門オンライン講座」などを実施します。
二つ目として、PPP・PFIなど、官民連携の多様なスキルを学ぶ実践的な研修に職員を派遣いたします。
三つ目として、官民協働事業レビューの意義、行政評価の必要性を学ぶ研修を実施いたします。
市町村とのワンチーム研修について、主なものをご説明申し上げます。
一つ目として、県と市町村の若手職員が地域住民や外部人材と連携して、地域課題の解決に取り組むフィールドワーク研修を実施します。これは、一般財団法人地域活性化センターとの連携協定に基づき実施をするもので、先月末から研修がすでにスタートしておりますが、新年度に入ってから、フィールドワークなどの活動が本格化する予定であります。本年度中からこの1~3月を使って、助走期間を設け、新年の4月から一気にスタートできるそのような準備をしているところです。
二つ目として、ファシリティマネジメントなど、特定の行政テーマについて、市町村の職員と一緒に研究する「テーマ別課題研修」を実施いたします。
三つ目として、「女性職員政策課題研究研修」を実施し、市町村と県の女性職員が、女性目線で政策課題研究を進めるとともに、意見交換やネットワークづくりを行ってまいります。
職員研修の充実についての説明は以上です。
次は、コンプライアンスの強化について説明を申し上げます。
先月24日に、公益通報に関する情報が漏えいする事案が、また、今月1日には、個人情報が漏えいする事案が相次いで発生したことを受け、職員のコンプライアンスの一層の向上を図るため、地方自治法に基づき実施をしております「内部統制」の充実強化を図りたいと考えます。
具体的には、従来の「財務に関する事務」に加えまして、「情報管理に関する事務」を内部統制の対象事務に追加をいたします。
また、外部通報の窓口を県庁内部に加えまして、弁護士の方などに依頼し、外部にも設置することを考えております。
次に、定員の管理についてご説明申し上げます。
一般行政部門については、平成31年の4月を基準とした3年間の定員管理計画となっています。これは、県政の重要課題や新たな行政需要に対し、事務事業の見直しなどにより、生み出した人員の範囲内で、必要性を厳選のうえ配置することを基本としています。
特に、新型コロナへの対応が必要な部門については、重点的に増員を行っており、現在の感染状況などを考えますと、増員した人員は当面、維持する必要があると考えています。
よって、令和4年4月時点で、平成31年4月の定員3,187人と同数を維持する計画としておりましたが、総合衛生学院の閉院や事業の見直し等による減員を行いましても、計画よりも24人増の見込みとなっております。
なお、定員管理計画の数値目標とは別に、災害派遣枠を設けております。これは、県外被災地等への中長期の派遣要員を確保するとともに、平時に技術職員が不足傾向にある県内市町村を支援するため、土木等の技術職員の増員を図るものです。今年度までの6人に加え、さらに4人増員することとしており、当初の目標通り令和4年4月には10人となる見込みです。
次に、教育部門について説明申し上げます。
教育部門については、教員を除く学校事務、実習助手等の職員を対象に、令和2年4月の定員を維持する3年間の計画となっています。令和4年4月は前年と同数となる見込みです。
次に警察部門です。
警察部門については、警察官や鑑識等の専門的業務従事者を除く職員数について、今年度、新たな定員管理計画を策定いたしました。県民の、安全・安心の基盤となる警察力を維持するため、令和3年4月の定員を維持する3年間の計画となっています。
次に、公営企業等についてご説明申し上げます。
公営企業等は独立採算制を原則としており、普通会計である「一般行政部門」、「教育部門」、「警察部門」とは取り扱いが異なりますが、他部門の取組みと同様、組織の効率化に努めますとともに、必要な部門には所要の人員を配置しています。
このうち中央病院につきましては、診療体制の強化のため、医師等を増員したことから、令和4年4月は9人増える見込みとなっています。
教員、警察官等を含めた全部門では、総合衛生学院の閉院や事業の見直しなどにより、減員を行う一方で、新型コロナ対応や病院の診療体制への強化、児童相談所の充実などについて増員を行い、差し引きでは、前年度より34人多くなる見込みです。
これにより、令和4年4月の職員数は15,354人となる見込みです。
次に、DX・働き方改革について説明いたします。
まず、行政手続きのオンライン化について説明申し上げます。
県民が時間や場所にとらわれず、利便性の高い行政サービスが受けられるよう、行政手続きの電子化をさらに推進をしてまいります。
具体的には、県への行政手続き約6,000件の約7割強にあたる、4,300件の行政手続きについて、令和4年度末までに、スマートフォンやパソコンで電子申請が可能となるよう、電子化を順次進めます。
また、現在収入証紙や、現金でしか納めることできない使用料や手数料について、可能なものから、電子納付の仕組みを導入します。
さらに、令和4年度中には、押印不要の電子契約の仕組みを導入し、事業者や県民の利便性向上につなげていきたいと考えております。
次は、AI・RPAの活用についてご説明申し上げます。
県民の利便性向上や庁内の生産性向上を図るため、AIやRPAの活用を推進します。具体的には、現在、自動車税や移住に関する業務に、試行的に導入準備を進めておりますAIチャットボットについて、県のホームページへの本格導入を進めますとともに、工業用水の管路の最適な更新計画の策定に、AIを活用することとしています。
また、簡易・定例的な支払書類の作成について、これもAIを活用して、紙の書類を解析し、データ化するAI-OCRとRPAを活用した自動作成化の検証を進めるほか、日々発生する税務システム収納事務へのRPA導入に取り組むこととしています。
今後とも、AIやRPAなどデジタルツールの活用を進め、県庁内業務の効率化・生産性向上を通じて、県庁業務の県民サービスの充実を図ってまいります。
次に、DX人材の育成・確保についてご説明申し上げます。
来年度は、DX・働き方改革の中核を担うDX人材確保に向け、職員採用上級試験に「デジタル」枠を新設するほか、今年度に引き続き、職務経験者(UIJターン)や、就職氷河期採用試験における「デジタル」枠での採用を行います。
また、DX施策を推進するため、職員研修を充実し、幹部職員向けセミナーや、DX推進の中心を担うリーダーを育成するプログラム、全職員対象のDX入門、オンライン講座などを実施いたします。
さらに、コンピューターサイエンスでアジアトップクラスのシンガポール国立大学との連携のもと、高度なDX施策を立案するための研修を実施することとしています。
今後とも、県庁におけるDX人材の育成確保に努め、行政のDX推進を図ってまいります。
次は、働き方改革の推進についてご説明いたします。
働き方改革の推進については、今年度、県庁の働き方改革に実験的・先進的に取り組むことを目的に設置しました『働き方改革ラボ』の活動拡充をし、業務の効率化や属人化の解消に向けた取組みを加速してまいります。
また、若手職員が中心となってデジタルツールを活用し、身近な業務の効率化に挑戦する、部門の垣根を越えた職員コミュニティを新たに設置することによって、働き方改革ラボの成果の横展開を図ってまいります。
次に、官民協働事業レビューの本格実施について説明申し上げます。
官民協働事業レビューにつきましては、令和4年度予算編成に向けて実施していた「事業の抜本的見直し・再構築」の一部の事業について、県民の皆様からも意見を伺い、よりよい見直しとなるよう、本年1月に試行的に実施をいたしました。試行では、3事業について実施をいたしましたが、委員の皆様には、大変建設的な議論をいただいたところです。
このため、令和4年度においては、事業数を20事業程度まで増やして本格実施をいたします。既存事業の改善を図るため、県民との協働により、事業見直しを行ってまいります。
最後に、公共施設マネジメントの推進についてご説明申し上げます。
現在、県有施設の老朽化が進んでおり、今後、順次、更新時期を迎えるわけですが、厳しい財政状況が続く中で、人口減少や県民ニーズの多様化、デジタル化の進展など社会経済情勢の変化を踏まえますと、公共施設などは、規模、配置等の見直しを検討する必要があると考えております。
このため、当面の取組みとして、県有施設について、利用状況などの現状や将来利用予測などを調査した上で、各施設について、更新、集約や複合化、廃止といったあり方の検討に着手してまいります。
そして、長期的な視野に立って公共施設の最適な配置、市町村施設との機能の役割分担を含めて調整をするとともに、官民連携を推進することで施設の整備などの費用の縮減や平準化を目指してまいります。
なお、ワンチーム富山連携推進本部にも、公共施設の情報共有のご提案をいただきましたことを踏まえまして、必要とする市町村とは、情報を共有するなど、連携を密にしていき、県全体に及ぶ問題につきましては、「ワンチームとやま」連携推進本部会議で報告、検討してまいりたいと考えております。
なお、お手元に資料として配布しておりますが、参考までに申し上げますと、富山県武道館及び高岡テクノドーム別館の整備につきまして、それぞれ民間活力導入可能性調査、今年度行ってまいりました、民間活力導入の方式を決定いたしました。これをご報告申し上げます。
富山県武道館につきましては、実施設計から民間活力を導入する「PFI-BTO方式」に、高岡テクノドーム別館につきましては、実施設計、建設までは県が行い、維持管理・運営から民間活力を導入する「PFI-O」方式とすることと決定をいたしました。
お手元に資料お配りしておりますので、詳細につきましては担当課にお問い合わせいただければと思います。
長くなりましたが、冒頭私からの発表は以上とさせていただきます。
<記者>
予算ですけれども、新田知事が従来おっしゃっていたウェルビーイングというのが一つ大きな柱になっていると思います。このウェルビーイングが何を指すのか。改めて、県民にわかりやすいように簡潔に、今一度説明いただければと思います。
<知事>
経済的な豊かさ、これはやはり大切なことだと思います。これまで一つの指標として、私たちはGDPという指標を活用してまいりました。これについては今後も大切なことだと思います。
ただ、経済的に豊かであれば幸せかというと、皆さんもご自分自身を振り返ってみれば思い当たることもあろうかと思いますが、経済的な豊かさだけでは、人間は幸せとは感じない。むしろ、それにプラスして必要なこと、身体的な健康、また精神的な健康、そして社会との繋がり、こんなことが満たされている、それらの総合的なことで、人間は幸せを感じるんだと思います。
これらのことを総称して、適切な日本語はなかなか思い当たらないので、ウェルビーイングという言葉で我々は表現をしています。この言葉は、我々が決めたわけじゃありません。言葉としては、福祉などではもう100年前から使われている言葉ですが、これを我々の目指すところにふさわしいのではないかと思い、このウェルビーイングという言葉で表現をしています。
チャレンジできているか、あるいは選択肢がいろいろある、そんな人生を送れているか、また人の役に立っているのかどうか、具体的にはいろんなことが考えられると思います。そんなことを感じることで、そんな状況を自らつくり出す、あるいは周りの協力を受けて作り出すことによって、人の幸福度ウェルビーイングというのは仕上がっていくと思います。これを、人それぞれの努力に、もちろんマスコミの役割も大きいのですけども、行政として様々な政策を打つことによって、これを促進していくことができると考えております。
チャレンジングな政策課題ではございますが、行っていきたいという意味で、このウェルビーイングというものを政策の柱に据えていくということ、そして、それに終わらないのが今回の私どもの成長戦略であります。昨年来の議論は、皆さんにも随時ご取材いただきましたし、報道もいただいてきたことですが、そのウェルビーイングを高めていく、そんな県民が、この富山県の幸せの状況をどんどん発信をしていく。それを見て、県外あるいは国外から、人材が富山県に集積していく。集積してくる人材と富山県の人材が、ある意味では化学反応を起こし、スパークをして、ここに新しい産業が生まれ、また新しいスタートアップも生まれてくる。そのようなことを通じて、経済の活性化にも繋がっていく。こういった経済社会活動の活性化と、県民のウェルビーイングの向上、この好循環をつくり出していくのが、今回の成長戦略の目的であります。ちょっと長くなりましたが、ウェルビーイングを語るとそういうふうに繋がってまいります。
<記者>
知事もおっしゃったように、そのウェルビーイングというのは、いろんな要素が複合的に絡んで県民個人個人が実感をするものだと思いますが、このウェルビーイング調査普及啓発事業の中の指標を定めるという内容がありまして、はたしてそれが可能なのか、また、その指標を定めること自体、今おっしゃったようなそのウェルビーイングを図るために適切なのか疑問があるのですけども、その点はどうお考えですか。
<知事>
可能だと思います。そして適切だと思います。
<記者>
具体的にどういった指標をイメージされてるんでしょうか。
<知事>
それは、これからいろいろと検討していくということで、ここで私が例示しますと一人歩きしてしまうので控えます。今これは日本中また世界中で、研究をされていますし、みんなが到達したいと考えているこの指標を作るということで、大きな目標だと思います。ですから、それを富山県としても、様々な人たちの力をお借りして、この指標を富山県独自に作り上げていきたいと考えています。それはやはり、政策の目標と置いた以上は、必要なことだと思います。税金が使われているウェルビーイングの向上のために、これが果たして適切であるかどうか、何らかの指標がないと、これは評価できないと考えております。ですからこれは必要なことです。
<記者>
もちろんその指標自体も、一つ何か決まりきったものではなくていろいろなものが考えられますし、おそらくそういったものを設定されると思うのですが、県民個人個人が実感しているものを、県の定めた指標に当てはめる、その点が可能なのか、適切なのか。断言はされますけれども、可能・適切と考える理由について、もう一度説明いただけますか。
<知事>
(指標を設定することは)可能だと思います。適切かどうかは、それは価値判断だと思います。県が、皆さんの税金を使ってウェルビーイングの向上ということを進めていこうというために、いろいろ政策を打つ以上、それは、成果は図られなければなりません。ですからこれは、適切と考えられるかどうか、お考え次第だと思いますが、私どもとしては必要だと考えてます。
<記者>
なぜ可能かというご説明いただけますか。
<知事>
それはチャレンジですよ。ものごとに挑戦する場合、可能かどうかを考えて挑戦する人もおられると思いますが、我々はそうではなく挑戦をしていきたいと、可能であると信じて挑戦していきたいと考えてます。これは人生の価値観でしょうね。
<記者>
そのウェルビーイングの指標を定めるにあたって、先行自治体の調査もされたと思うのですが(いかがでしょうか)。
<知事>
これから調査をしてまいります。
<記者>
これから調査をして指標を定めるということで、今可能とおっしゃったのは、その先行自治体があるとか、そういった(理由ですか。)
<知事>
みんなが取り組んでいます。今、いろんな自治体が、また企業も取り組んでいます。
<記者>
企業の取組み、その先行した取組みとして、例えばどういった指標が例になっているのか具体的に教えていただけませんか。
<知事>
それをここで例示しますと、それが一人歩きするので、今は予断を持たずに、ゼロベースで富山県なりのこの挑戦的なチャレンジでありますけれども、指標を考えていきたいと思っています。
<記者>
そうした指標というのは、来年度中に設定されるというスケジュールになるんでしょうか。
<知事>
そうですね。
<記者>
来年度の末までにということでしょうか。
<知事>
極力早い方がいいと思います。オンゴーイングで並行して事業も進めていくわけですから、我々がウェルビーイングの向上に資すると、我々が信じる施策をこれから打っていくわけです。ですから、それを評価すべき指標は、できるだけ早く必要になると思います。
<記者>
あともう1点、スタートアップの企業支援を重点的に行われると思うのですが、そういった企業だと支援や評価を、客観的にいろんな多角的な視点から行う必要があると思います。そういった評価の、何かシステムなどがどう構築されるのか伺えますでしょうか。
<知事>
それにつきまして明日、また成長戦略のことでお話できると思います。
<記者>
今回の予算にも盛り込んでいると思いますけれども、それについても明日、具体的な形が明らかになるということでしょうか。
<知事>
そうですね。
<記者>
今回予算と厳密には関わらないんですけれども、昨年12月以降ですね、県議会での横田副知事の答弁ですとか新田知事も、(パートナーシップ制度について)検討しますというご発言がありましたけれども、今回盛り込まれていないので、その見送った理由、あるいは今どういった段階なのかというのを教えていただけないでしょうか。
<知事>
予算措置は講じていないということです。決して後戻りしてるわけでありません。検討を続けていきます。
<記者>
組織再編について1点だけ伺います。組織再編が昨年度から進んでいますけれども、組織が細分化されていて、どうしても縦割りになってしまうのではないかと思ってしまうのですが、ここの風通しはどう確保されるんでしょうか。
<知事>
私も行政に関わってまだ1年あまりですけども、やはり税金を使って仕事をしようとする、そして103万の県民に対して責任を持ってやるということ、やはり責任体制の明確化ということが大切なことだというふうに理解をしています。ですから、明確にするために細分化していく、これはある意味では仕方のないことだと、この1年あまり関わってみて、トップとしてやってみてこれは理解をしています。
ただ、ご心配いただくように、それが細分化され過ぎて、縦割りの弊害、セクションとセクションのお隣の仕事を知らないみたいなことになったら、これは責任がはっきりする体制が、逆に硬直的な体制になってしまうわけです。これを常にどうブレークスルーしていくかは、民間企業でもそうですし、特にまたこうした行政の組織でも、すでに挑戦をしてきたことだというふうに思います。
そこにおいて例えば、今の組織で言いますと、知事政策局というもの、そういったもので横串を刺したり、さらに今回新たに制度として始めますプロジェクト制度、このようなもので横串をどんどん出していく、このようなことに挑戦していくことになると思います。それで、この責任体制をはっきりするという意味で、とてもよくできた組織でありますけども、それによる縦割りの弊害というものを極力薄めていこうという、なかなかこれは皆無にはできないと思います。でも、縦割りの弊害をなくすように進めていくというのが、私の大きな責任でもあると考えています。
<記者>
予算案のキャッチフレーズというのを、前回も伺っていまして、その時は「ビヨンドコロナのワクワクを目指して」という言葉だったと思いますが、今回の予算案にそういったフレーズをつけるとすると、どんなものになるのでしょうか。お考えがあれば教えてください。その理由もお願いします。
<知事>
令和4年度の当初予算は、「ワクワク富山実現予算」。「ワクワク」はカタカナ「富山」は漢字、実現予算としたいと思います。
<記者>
その理由というか、それは言葉の通りでしょうか。
<知事>
そうですね。昨年は、「ビヨンドコロナのワクワクを目指して」というキャッチフレーズにいたしました。そのためにいろいろ種をまきました。引き続き種まきが必要ですが、そろそろそのまいた種の果実も、顕在化をさせていきたいと思います。そのために実現を順番にさせていきたい、そんな気持ちを込めてそう呼びたいと思います。
<記者>
今回の予算案を見ますと、調査ですとか実証実験、そういったメニューが結構多い印象を受けました。新しいことや、高い目標のものを、綿密な調査なり、それは当然大事だろうと思いますが、一方で、今おっしゃったように、目に見える成果というものも見たいなという思いがあります。調査・実証実験が、成果なり県民の幸せ、知事が今目指す幸せみたいなことに繋がっていくと、なかなか見えにくいところもあります。その辺は知事、可能性を信じてという言葉に尽きるのかもしれませんが、どんなふうに説明をされますか。
<知事>
確かに調査・実証、そういったものもたくさんありますが、何百本ある中のいくつかでありまして、多くのものは、具体的な成果を生み出してくる。もうすでに、生み出しつつあるものもあると思いますし、令和4年度に実績成果が顕在化してくるものも多くあると思います。種をまいたり、あるいはそれをより深掘りしていくということで、調査とか実証実験というのは、常にある程度必要なものだと思います。調査・実験をする一方で、成果を生み出していく。そしてまた、うまくいかないものもあるでしょう。こういったものはPDCAをまわしていく。こういうことの繰り返しだと思っています。
<記者>
税金を使ってやられる以上、なるべく調査倒れ、実証実験倒れに終わらないようにしていただきたいということがありますので。
あと、事業見直しをかなり今回、前回より増して力を入れられたと思うんですが、とやま起業未来塾ですけども、このいただいている資料の中にはないのですが、取材をすると、今年も休止ということで予算化はしていないということです。これ(について、)知事はどうされるのでしょうか。新しいものに組みかえるのか、もう止めるということなのか。どうでしょうか。
<知事>
17年前にこの事業が始まったので、本当に連綿と続いてきて、多くの卒業生を送り出し、また、その方々の7割近くが起業されたということで、本当に大きな成果を上げてきたと思います。ただ、17年前と状況も変わりまして、いろんな民間でもそういうことが始まっています。それから、市町村でも多くの自治体で、こういったことに取り組んでおられます。ですから、17年前には本県においてとても新鮮だったと思いますが、富山県がファーストペンギンとしてやる役割を果たしたのだと思います。そういう意味で今、休止とさせていただいているところです。
<記者>
今回の事業の参考表に入っていないということは、今回は特に見直した事業に入っていないということなんですかね。そうじゃなくて、もうすでに休止しているから入れてないっていうだけなんですか。
<知事>
先般の官民協働事業レビューの題材としては、取り上げました。
<記者>
22年度も一応新たな内容を今検討されているので休止を続けるという理解でよろしいんでしょうか。
<知事>
そうですね。はい。
<知事(訂正発言)>
1つ私から訂正をお願いします。大変申し訳ありません。とやま起業未来塾ですが、この事業は、先ほども大きな役割を果たしてくれたと申し上げましたが、今後ですね、先ほど申し上げた民間事業者でも、インキュベーション施設がいろいろあるということ、市町村でも様々な取組みが行われているということ、また、来年度蓮町に起業支援の施設ができるということ、これらをもって、このとやま起業未来塾という事業は廃止をするということにさせていただきたいと考えます。先ほどは休止と言いましたが、訂正をお願いいたします。
<記者>
事業の見直し・再構築についてお聞きしたいと思います。知事は、今回行政が厳しい中でも2回目の予算案を組まれまして、マイナスシーリングを廃止し、ゼロベースですべて見直したというふうにお聞きしております。さらにその中で、特に廃止・再構築に関しまして316件と、ここ直近で5年間の平均でも5・6倍近い件数になっております。改めて、まず事業を知事がどのように見直しされたかという思いを確認させていただきたいと同時に、この廃止・再構築の316件という数字を、どういうふうに見ているかということを聞かせていただいてよろしいでしょうか。
<知事>
昨年の秋に、そういう方針で令和4年度の予算に取り組んでくださいということを、予算編成方針で申し上げました。これは昭和の時代から続いていた、本当に職員の皆さんが長年慣れ親しんできた、当たり前と思ってきた、多分、入庁以来ずっと続いてきたことを、新しいやり方でやってくださいということですから、これはとても驚きを持って受けとめられたと思っています。しかし、その理由も縷々説明をして、いわゆるカンナで削るという言い方をしますが、カンナで削ったり、あるいはチーズをスライスするという言い方もされますが、そういったマイナスシーリングというやり方では、そろそろ立ち行かない状況にあるということをご理解いただいて、横に薄くスライスするんじゃなくて、事業を縦に見て、そして組み替える、あるいは見直す、廃止をする、これを大胆にやっていただきたいと説明し、やってきたところです。
そして、12月にはヒアリングを全部門から行い、やっぱり駄目ですと、駄目出しをしたものもあります。そういうことならば、これを続けましょうかということで残ったものもあります。そんなプロセスを通じて、結果的に、316本が廃止・再構築ということになりました。
昨年度までの平均が63件でしたから、それは大幅に増えたと思ってます。一方で、特徴的なのは、昨年度までのシュリンク(縮減)というものの平均が219件ありました。これが一気に減りました。46件になりました。やはりマイナスシーリングでは、シュリンク(縮減)というものが、多くなっていたんだと思います。そこにも、皆さん発想を切り換えていただき、真剣に取り組んでいただいた、大変に辛い作業だったと思います。無駄なことをやってきたわけでありませんし、自分が仕事として手がけてきた事業は愛着もありますし、当然良いと思ってやってることですから、それに切り込んでくださいというのは、大変に酷なことだったのかもしれませんが、私としては、皆さんの税金を使ってやっていることだということ、ここにおいて、やはり譲れないことは譲れない、そんな思いでやってまいりました。
その次は成果のことだと思います。昨年が、一生懸命見直していただいた結果、10億円ぐらいの削減、今回は18.2億円の削減となりました。金額としてほぼ倍増したわけですから、これは大きな成果があったと考えています。また、これには終点はないということも、引き続き、職員の皆さんには申し上げているところです。そのためにも、先ほど申し上げました「官民協働事業レビュー」、あくまで先般やったことは試行でございました。どんなものなのか体験してみる。今度からは、職員の皆さんにも研修を受けていただいた上で、レビューを行うことにします。それから、今回はギャラリーがあまりおられませんでしたが、やはり多くの県民の皆さんがぜひ見守られる中で、行いたいと考えています。そして、その場でのアンケートなども実施する。そうやって、より実効性のあるものに、これも県民が主役の富山県に繋がることだと思います。そんなことで、事業の見直しの成果が、私はあったと思っていますし、ただこれは不断の努力を続けていくということであります。令和4年度にふさわしいと思ってやった事業も、環境が変わればすぐに陳腐化する、あるいは不要になることだと。ですから、これは常に問題意識として持って、かつ継続が必要だと考えております。
<記者>
2点目は、富山八策の進捗状況についてです。知事は昨年の新年度予算案の時に、何年ごとに進捗で何%を目途にというようなものを出していたと記憶にありますが、現時点で、知事が個別に関係した富山八策、この進捗状況について、どう思われるか教えていただけますか。
<知事>
私は、職員の皆さんの大変なご努力で、また県議会の当局の皆さんのご理解で順調に進んでいると考えています。これはホームページでロードマップをアップデートしておりますので、具体的な進捗状況をご覧いただければと思います。
<記者>
知事自身が実感的にどうかなという、順調にというお話もありましたが、改めて、よろしければ知事の言葉でお聞かせいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
<知事>
この件は、昨年11月に就任1周年の時に、たくさんご質問いただいてお話したことであります。次は2周年でしっかりとしたものを出したいと思いますが、今の足元の時点での進捗ということでは、順調に進んでいると思って、昨年11月9日時点でも同じように申し上げたと思います。
<記者>
今回、過去2番目規模の積極型予算となりました。改めて、こうした大型予算を組み込まれた背景、そして知事の思い、お聞かせいただけますか。
<知事>
まずは、私が今ここに立っておりますのは、選挙で選んでいただいたから、その時に県民の皆様に公約としてお約束した八つの重点政策、そして八十八の具体策、これを引き続き実現していく。これが、令和4年度の当初予算編成においても大きな目的でございます。
同時に、これは八十八の具体策の中の一つなのですが、成長戦略を描くということもありました。昨年、有識者の会議を経て、それを県が取りまとめて、パブリックコメント、ビジョンセッションやワーキンググループを経て、成長戦略の案というものにした。ですから、八十八の具体策の、子どもといいますか、それが生まれたわけであります。今度はその子どもを育てていくということにも、令和4年度では取り組んでいくということであります。それが、冒頭に申し上げた、新規重点の部分であります。ただ、もちろん忘れてはいけないことは、コロナへの対応であります。金額的には、これがやはり大変に大きな割合を占めることになります。このコロナとの戦い、またさらに変異していく、変化していく相手との戦いということになります。これも3年目に入るわけでありますけれども、引き続きこれにはしっかりと取り組んでいく必要がある。県民の皆様の暮らし、命、財産、これを守るために、このコロナとの戦いをしっかりと継続していく。その一方で、ポストCOVID-19、いわゆるビヨンドコロナを見据えて、富山県の新しいビジョンを描き、そしてその実現に向けて進めていく、そのようなことでこの今回の予算ができていると考えています。
<記者>
成長戦略についてお伺いいたします。いろいろこの1年間、議論してきた中身が事業化されてきたのかなと思います。今後は、成長戦略会議の中でも議論がありましたが、実効性のあるものといいますか、本当にこの事業を、例えば、スタートアップを増やすとか、県民の幸福度を上げるとかそういったものを本当に実現するためには、実効性あるものにしていく必要があるかと思います。今後、県がこの予算を執行していくにあたって、実効性を上げていくために、どういったことをしていきたいかというのはありますでしょうか。
<知事>
今回の予算に本当に多くの、この成長戦略に関わる事業も盛り込んであります。ですから、これを着実に実行していく、そして、その事業の効果を1日も早く発現をさせていく努力を続ける、今これがトータルとして成長戦略の実現に近づけていくことに繋がると考えてます。
<記者>
いろいろ成長戦略の事業がありますけれども、知事の中で、特に思い入れのある事業というか、これは、知事として実現したいという、思い入れのある事業はありますでしょうか。
<知事>
答えづらいご質問です。六つの柱に基づいて、様々な事業が編成されていますけれども、その六つの柱いずれもなくてはならないものばかりです。その中であえてということだと思いますが、まずはスタートアップの支援ですね。富山県には、本当に過去、新しい企業ができ、そしてその企業が成長する過程で、地域も引っ張られて、それから産出額も増え、域外からの収入も増え、地域も成長してきた、私は富山県の歴史というのは、そういったことだと思ってます。
ただ、残念ながらここのところ、そのような次の時代の富山県を引っ張っていってくれるような、そんな新しい企業、元気な企業が、生まれてきていないんじゃないかという心配がありました。ですから、このようなことを柱の一つにしているわけであります。これがうまく功を奏して、スタートアップについては数年で、成果が出るかどうかわかりませんが、でも必ず、次の世代には、明るい富山をもたらすような、そんな企業が生まれてくるように、今の私たちの責任として、スタートアップが生まれるような環境を作って、そして、数社はそういったものを実現していきたいと考えています。
<記者>
先ほど話の中で、数年で成果が出るかわからないという話もありましたけれども、確かにこのスタートアップやウェルビーイングの向上というのは、中長期で見なければいけない政策なのかと思いますけれど、任期というのがありまして、1期4年ということで残り3年、2年半ぐらいだと思います。ここで実現できるのか、それとも2期目というのも見据えて考えていらっしゃるのか、この辺はいかがでしょう。
<知事>
スタートアップですか。
<記者>
全体的にですね、成長戦略も含めて知事のやりたい政策です。
<知事>
これは八十八策のロードマップも示してありますように、進展はしていますから、着実に、ロードマップに従って進捗率を上げていきたい。4年目の時点で、極力、満点を目指していきたいと考えています。
<記者>
ビヨンドコロナ補助金、10億円ということで盛り込まれていますけれども、一部10億円分は、2月補正に前倒しされているというところで、そこのねらいを改めてお願いできますでしょうか。
<知事>
まず、本年度創設しまして、大変多くの事業者さんからご応募いただき、ご活用いただきましたリバイバル補助金、またミニリバイバル補助金があります。そして、さらにIoTやAIが進んでいる企業もある、中ぐらいの企業もある、入門編の企業もある、それぞれに向けた、そんなきめ細かい助成をしようという補助金、IoT・AIの補助金もあります。これらを、三つ合わせまして、今回ビヨンドコロナ補助金というものを創設しました。現在、コロナ禍が大変長引いておりまして、苦境に立っておられる企業、だけれども何とか変身をしたい、あるいはDX化を進めたい。あるいは、新しい分野に挑戦をしたい。あるいは、そのような前向きな投資を、資金が欲しい企業が苦しい中でもたくさんおられます。そんな企業に、少しでも年度内に対応できないかということを、最近、大変に大きな議論にもなっております。飲食店の皆様も大変に苦しんでおられると思います。そんな飲食店の皆さんをはじめ、その事業者の皆さんに、お使いいただけるような補助金等を少しでも前倒しということで、20億円の枠のうちの10億円については、今回この当初予算案と一緒に議会にご提案をして、補正という形で、より早くお届けできるよう考えているということです。
<記者>
武道館についてですけれども、調査結果を説明いただきまして、コストの縮減効果が5.27%ということで、採用する手法ですね、完成年度については令和9年度ということですが、この調査結果全般について知事はどういうふうに評価されて、この手法に至ったということでしょうか。
<知事>
武道館の方ですか。5.27%というのは、私は結構VFM(バリュー・フォー・マネー)が出たなと理解をしています。それとともに、それがこのやり方を選んだ一つの理由ですが、もう一つは、資金調達を特定目的会社(SPC)でやることになっておりまして、ですから関連する企業が仮に経営が不振になったとしてもSPCは続くということ、これがもう一つの大きな利点だと理解します。また、金融機関がモニタリングを常にしています。もちろん我々もしっかりと見ていくつもりでございますが、金融機関の目がまた入るということ、これもこの方式の利点だと理解をしております。そういったことですね。それが今回PFI-BTOを選んだ理由になります。
ただ、懸念される点としては、基本設計まで決まってるじゃないかということもよく議論になったところですが、先般自民党会派からも、これは見直しすることもあっていいのではないかというご提言をいただきましたので、これは基本的な形は大きく変えない範囲内で、ある程度見直しは受注するところに許容することで、少しでもこの民間が、より多く工夫できるように、道は開いていきたいと考えています。
<記者>
武道館とテクノドーム、全般的なんですけれども、今年度の調査が終わって、新年度、いよいよそれを活用して事業者選定に入っていくということで、本格的にこの大型施設建設、大きなプロジェクトが動き出すと思うのですが、民間活力を導入して行われていくということへの、知事の期待というか、どういう施設にしていきたいかというところを改めてお願いします。
<知事>
整備をするやり方については、今回そういう方式をとらせていただいたわけですが、やはり結局は県民の皆様あるいは国民の皆さんの税金を使って整備をすることになるわけですから、やはりより皆さんの使い勝手がいいように、また頻繁に利用されるように、そして、かつ喜ばれるような施設にしたいと思います。その上で、従来的なやり方もこれも一生懸命、本県は取り組んできたわけでありますけれども、今回はより厳しい状況の中で、さらに、かつ巨大な金額のものになるわけでありますから、より民間の知恵や工夫、あるいは資金も導入することで、よりよいものにしていくことにつなげていければと考えています。
<記者>
組織改編で1点お伺いします。交通政策局を独立させた意図について伺いたいんですけども、少子高齢化やコロナによって、社会情勢の変化というものの中、この後の富山の地域交通のビジョンをどう描いていくのかということも、大きな考えていく柱になるのではないかと思っているのですが、改めてこの独立させた意図について教えてください。
<知事>
コロナ禍の影響もあり、県内の公共交通機関、大変にそれぞれ大奮闘いただいているのですが、経営的に厳しい状況が続いています。コロナによるものもあるとはもちろん思いますが、ただ、この人口減少社会による構造的なこともあるのではないかと。個々の会社の経営のことですからそれ以上は踏み込みませんが、推察はできます。また一方で、高齢化は進んでいくわけでありまして、今、富山県は様々なことが、マイカーが前提で長くやってきましたし、それはそれでうまく機能してきたのですが、高齢化社会が進むことによって、必ずしもマイカーでの移動を前提にできない時代にもなりつつあるというふうに思います。そうなるとやはり、より公共交通機関の役割というのが大切になる。だけど人口は減っていくということ、大変に悩ましい状況にある、そこに来たこのコロナであります。
この中でやはり抜本的に公共交通機関のあり方を考える時期に私は来ていると思います。それは、やはり15市町村全部を通っているものはないわけですが、でも広域的に移動手段として使われている機関は多いわけでありまして、これはやはり県の役目として、こういった公共交通機関のあり方、あるいは今後将来の計画について考えることが必要だという、これは県の役目だと理解をしています。そこにおいて、国の方でも、法律に基づいた計画を作りましょうということになります。それを受けてですね、今回法定計画に着手をするということにしております。そのような意味で、やはりこれは大変に重要なテーマです。この公共交通部門を独立させて、より密度の濃い、また、意思決定も早い、そんな組織にする必要があると思い、今回、地方創生局から外出しにして独立したということです。もちろんこれは、海のこともそれから航空のこともカバーをする局になります。
<記者>
組織再編の方ですが、ウェルビーイング(推進)課を新しく設置するということで(組織再編を)されたと思うんですけど、実際この課の方は一体どういうことをするのかが具体的にわからなかったので、もしこういう業務をしてもらおうということを、今のうちに考えていたら教えてください。
<知事>
これまでも報道いただきましたが、成長戦略を考えていきまして、そのうえで6つの柱を立て、それぞれにワーキンググループができ、それぞれのワーキンググループからご報告もいただいたところでございます。その6つのワーキンググループ、それぞれ責任を持って部門を作ろうということでやっております。ウェルビーイング推進課が受け持つのは、ウェルビーイング戦略とブランディング戦略、この二つについて、ウェルビーイング推進課で担当するということにしております。
<記者>
(業務内容について)少しイメージがしづらいんですけども、何か具体的にいかがでしょうか。
<知事>
先ほど縷々ご質問いただいた指標の調査研究ですよね。それから啓発活動、まだ(ウェルビーイングという言葉を)ご存知の方が5.4%という調査がありましたから、それを啓発していくためのフォーラムやサミットを、あるいは企業を巻き込んだ取組みをやっていくということ。
それからブランディングの方ですと、ブランディングをして発信すること。関係人口の創出というのは大きなテーマで、幸せ人口1,000万を目指す、これもこのウェルビーイング推進課で担当します。そういう意味だと、とても重たい仕事ばかりだというふうに考えています。
<記者>
個別の事業のことですけれども、いただいたこの説明の資料で44ページの電気自動車と電動自転車の導入というのがあるんですけれども、これに4,000万ほど経費計上されてますが、個人的な考えで、これは本当に必要なのかというのを、どういう形で計上されていて、どういうふうな使われ方を想定してるのかというところを教えていただきたいです。
<知事>
県庁に、共用で使う車がたくさんあります。公務で使う、仕事に使う、それを一定程度電動化していくということですね。カーボンニュートラルに向けた1つの具体策は、乗り物電動化と言われていますが、それに取り組んでいくということであります。
<記者>
自動車に関してですけれども、この共用車の方は、増えた7台分はもう手放されるという理解でよろしいでしょうか。
<知事>
それは全体で必要台数管理をしていますから、私は今、何台増車が必要なのか、あるいは必要ないのかそこまでは把握していないので、それは担当課に聞いて欲しいと思いますが、新規の部分の一部を電動にしようということです。
<記者>
新規の部分にしぼってということですか。
<知事>
新規というか、入れ替えなのか、要するに入れ替えしても増車しても購入するわけですから、その全数ではないと思います。
<記者>
自転車が必要なのかということはいかがでしょうか。
<知事>
これはやはり近場などは自転車の方が便利なことありますよね。
<記者>
電動アシストである必要についてはいかがでしょうか。
<知事>
今、電動自転車の普及がすごい進んでるのはご存知だと思いますが、やはり実感するためにも検討して取り込んでいこうということ。そう違和感はないと思います。
<記者>
県予算を使ってやる必要があるのかというところはいかがでしょうか。
<知事>
それは、判断が分かれるところではないでしょうか。
<記者>
先ほどもずっと価値観でとお話をされていて、その言葉をおっしゃっていると思うのですが、結局、知事含め県の方の価値観で決められていくことになりませんか。
<知事>
決められていくといいますか、私どもは、最後は決断をしてやっている。もちろん、その過程で、議会の議決をいただくことになります。どこら辺がご心配ですかね。スピードは少なくともアップするわけで、足こぎの自転車よりも、かつ快適に移動できて、その分仕事のクオリティが上がるとすれば、県民の皆さんからは、ぜいたくだとは言われないような気がいたします。ご理解をいただける範囲じゃないかと思います。
<記者>
小児医療の提供体制についてお伺いします。検討会の1年間の議論を終えて、提言がかなり反映された内容になってると思うのですが、こども病院の構想の策定を抱える経緯も踏まえて、事業への思いをお聞かせください。
<知事>
これも何度かこういう場で申し上げたと思いますが、ハコモノとしての病院を絶対作ろうという意図はありませんでした。公約の段階で。そして、実際就任をいたしまして様々な状況も調査をいたしました。一般的に、子供小児科単科病院として成立する、いわゆる県の規模ではないということがわかりました。ですから、ハコモノとしての単独の新設のこども病院というものが、現在の富山県ではちょっと難しいのではないかと。
ただ、一方で、少子化とは言いながら、子どもを取り巻く状況、本当に多様化複雑化しており、かつ少子化と反比例するように、課題は多くなっています。特にお子さんたちの健康、身体にまつわること、心にまつわること、これも本当に多様化しています。ですから、この小児医療提供体制について、しっかりと考えるということは必要だということで、昨年6月から、小児医療提供体制の検討会を立ち上げて、有識者の皆さんにご意見を、議論を重ねてきていただいたところでございます。その場でも子どもの医療について光を当ててくれたことは大変ありがたいことだと、委員の皆さんからは、大変にご評価をいただいて、議論も活発に進んできたことでございます。かつ、議論は、子どもの心のこと体のこと、2つの分科会に分けて、議論も進んできたところであります。それらの議論の成果を経てですね、今回この令和4年の予算にやるべきことを盛り込んでいるということでございます。
1つは圧倒的にこの子どもの心のことについて、ケアできるお医者さんがまだまだ足りないということですから、富山大学の方に、寄附講座をやる、明日の役に立たないかもしれませんが、近い将来の生まれてくる子供たちのケアには役立つであろうということ。また、今は、県のリハビリテーション病院こども支援センター、これが富山県において、もちろん高岡にもう一つきずなという施設がありますが、かなりこのリハ病も混雑をしています。それだけ課題を持たれたお子さんが多いということですが、大変に待ち時間が多いということになっています。ですから、リハ病だけでは今後立ち行かない。やっぱり、これを横展開していくことが必要だと。医師の育成は、さっき言ったような富山大学の寄附講座をやるってことで取り組みますが、一方で、現在各病院におられる小児科の先生方にも、やはりOJTで学んでいっていただきたい。そんなことで、リハ病の先生方が、地域の病院に出向き、サテライトとして、お子さんたちの治療や、お母さん、保護者の相談に乗る、それを一緒に体験していただくことによって、そういった病院にも小児医療、精神医療のことをできる先生方を増やしていきたい、そんな事業も盛り込んでいます。もちろん、その県リハこども支援センター自体の体制の強化も盛り込みました。さらに言うと、オンラインでの小児医療の相談事業も盛り込んでいます。また、引き続きこの検討会議はまだ決着をしておりませんので、引き続きこの検討会議を回すための経費も盛り込んでいる。そんなことで、今回の予算に反映をさせているということです。
<記者>
公共施設マネジメントの推進のことでまずお聞きします。将来利用予測と調査について、当面の取組みとして挙げられていますが、どのようなスケジュール感で取り組まれるのか教えていただいてもよろしいでしょうか。
<知事>
これはもう、毎年更新の時期が来るものが本当に目白押しです。私も、実際やってみてこんなたくさんあるのだと思って、かつ、それぞれ費用がかかるものです。例えば、高校の体育館を一つ補修すると、すぐに2億3億かかるのですね。そんなことですから、スケジュール感といっては「待ったなし」と、できることからどんどん取り組んでいきたいと考えています。
<記者>
サンドボックス予算ですけれども、今年度取り組まれたものが、非常に成果があったということで、新年度予算の方にも9割以上予算化されているということですが、各部局に1000万円という予算規模というのは変わらないと思います。成果があったということで、一方で増額したり、そういう選択肢もあったと思いますが、その額を抑えたことについて、まずお考えを聞かせていただいてよろしいでしょうか。
<知事>
トータルで7割の執行がなされました。1億1000万のうち、実は100%使われた部局もあります。でもそうじゃない部局もあったので、今の時点で、ニーズはあったということはよくわかったのですが、それはありがたいことだと思いますが、増額まではいいのかなと思いました。
本年度は11部局×1,000万で1億1,000万でした。実は、出納局という局に配布しなかったのですね。出納局の仕事は比較的静的な仕事なので、いらないかなと思ったのは全く私の不勉強でして、反省をしております。出納局でも、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入とか、新しい提案がどんどんあります。やっぱりサンドボックス予算があって十分使ってもらえるということがよくわかったので、今回、11プラス出納局で12、プラス外だしした交通局で13の1億3,000万円ということになりました。
<記者>
先ほど思い入れのある予算ということでご質問があったのですけれども、今回その「ワクワク富山実現予算」ということで、知事自身、あえて一つ挙げるとしたら、一番知事自身がワクワクするものとして期待している事業があれば教えてください。
<知事>
さっきの質問と違いますか。
<記者>
ちょっと似ているんですけれども、新年度予算がつけられたものの中で、一番知事が予算をつけてよかったっていうようなものがあれば聞かせてください。
<知事>
さっき申し上げたように八十八の具体策、これを一つずつ具体的に、結果を出しながら進めていくということが大切だと思っています。特に私は経済界出身ですから、経済の活性化あるいは弱っている事業者さんに、また元気になってもらいたい。そんな気持ちはとても強いのです。本年度、大変にご活用いただいた中小企業リバイバル補助金、これをさらに仕立て直し、より間口を広くして、かつこれは会議の場でいろんなメニューはたくさんあるのはわかるけど、多すぎるじゃないかということもご指摘いただいたので、その反省にも立って、三つを一つにして、かつ新しい役割も担わせて作ったビヨンドコロナ中小企業補助金、これが役に立って欲しいなと思っていますね。
<記者>
農林水産物の輸出促進についてです。担当課に聞くと、今年度から予算がほぼ倍増しているということでかなり力を入れておられるのかなと思うのですが、改めてこの県の農林水産業の振興の中での輸出促進という事業の位置付けについて、知事はどのように認識しておられるかということをお聞かせください。
<知事>
日本国全体としての農林産物の輸出が1兆円を超えたというとてもエポックメイキングなニュースがあったところです。この流れに富山県としてもしっかりと食いついていかなければならないと思っています。人口減少、高齢化ということもありですね、国内の市場はやはり、縮減せざるをえないということが1つあります。特にお米は、需要が減少しています。ですから、大変に長年真面目に、お米を作ってこられた農家さんには、心苦しいことなんですが、別の作物に変えていただけないか、あるいはお米の中でも飼料米とかそういうものに変えていただけないかという、そんなお願いを毎年していることなんです。そういう状況にありますから、やはり新しいマーケットを求めていくかあるいは新しい品種、新しい商品を作っていくかということ、そういったことがソリューションになると考えています。その1つが輸出でありました。これを伸ばしていくということが大切(だと考えています)。国の方もですね、1兆円で決して満足されているわけじゃなくて、これからもうすぐ2兆、5兆という計画がありますから、やはり富山県でも、このトレンドにしっかりと乗って、輸出を増やすことによって、県内の農家さんの経営をよりよいものにしていく。
また、農業というのはちょっとシュリンク(縮減)する産業と見られがちなんですが、輸出に取り組むことによって、成長産業に変えることができると思いますので、それを加速していくためにも、輸出の販路拡大、やっぱり何事も物を作って、アウトプットが大切ですから、これに力を入れてるのは当然のことだと思います。
検討会議も、有識者に集まっていただいておりますが、その場でも、ちょっと富山県の目標が低いんじゃないかという大変なお叱りを受けたので、改めて今より意欲的な目標を作り、輸出を伸ばしてきたいと考えています。
また、もう1つのニュースとしては、先般のワンチーム連携推進本部会議の場におきまして、直近実施したところですが、令和4年度、共同で取り組む項目についての話し合いをしました。本年度から2つ、デジタル化と、カーボンニュートラル、これについては、本年度から令和4年に継続となりました。新たな1項目加えたのは、この農林水産物の輸出のことであります。
ですから、県だけでやるんじゃなくて、それぞれ市町村の独自の取組みもあります。砺波で玉ねぎと里芋とか、あるいは氷見のハトムギといろんなことがあります。それらも一緒にですね、それから地酒も各地にあります。市町村にきめ細かい対応も、ご意見も聞きながら、県トータルで輸出を伸ばしていく、そんな体制づくりをしていきたいと考えています。
【資料1】令和4年度当初予算のポイント(PDF:1,189KB)
【資料2】富山県成長戦略に基づく主な事業について(PDF:775KB)
【資料3】重点政策別の主な事業について(PDF:3,112KB)
【資料4】令和4年度の組織の見直し等について(PDF:405KB)
(※)関連ファイル(PDFファイル)をご覧になるには、Adobe社の「Adobe Reader」が必要です。Adobe Readerがパソコンにインストールされていない方は、下記のAdobe社のダウンロードページよりダウンロード(無償)してご覧ください。
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