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更新日:2024年12月24日

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定例記者会見[令和6年12月25日(水曜日)]

  • 日時:令和6年12月25日(水曜日)15時00分~
  • 場所:4階大会議室

1.知事からの説明事項・質疑応答

(※)配布資料は「関連ファイル」からご確認ください

内容 動画

<説明事項>

  1. 富山県インド経済訪問団について
  2. 富山湾岸サイクリング2025のエントリー開始について
  3. 年末年始の感染対策について

【令和6年12月25日(水曜日)15時00分~】知事定例記者会見(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

<質疑応答>

  1. 富山県インド経済訪問団について
  2. 1年間を振り返って
  3. 北陸新幹線の敦賀以西について

2.記者会見録

( )内は、発言内容を分かりやすくするため補足した部分です。(※)は、発言内容を訂正した部分です。

1.知事からの説明事項

会見写真1

1.富山県インド経済訪問団について

 先週の19日から昨日24日まで行ってまいりました富山県インド経済訪問団、これについて報告をさせていただきます。

 まず初めに、この訪問を通じて感じたインドという国、私は初めてだったものですから、この国の持つ魅力と可能性について少しだけお話ししたいと思います。

 インドは、古代から仏教発祥の地として文化的にも歴史的にも日本と深い縁を持つ国です。また、現在では人口は14億人を超え世界一、それから世界第5位の経済規模として、製造業やデジタル産業が急速に発展しています。それだけではなくて、地政学的にも重要な位置を占めておられるというふうに考えています。

 初めて訪れたわけですけれども、そのエネルギーと多様性、そして急成長を遂げる活気ある姿に感銘を受けて戻ってまいりました。なので、富山県とインドが協力して築く未来への大きな可能性を肌で感じてきたところでございます。

 今回の訪問では、既に進出している企業の視察、あるいはものづくりを中心としたインド企業との交流セミナーのほか、教育関係者や政府機関などとの交流、観光PRの分野で多くの成果を上げることができたと思っております。参加された皆さんは、現地合流を含めて29名です。日程と参加者名簿は、お配りした資料をご覧ください。

 それでは、具体的な話をしますが、まずチェンナイというところ、チェンナイでは在チェンナイ日本国総領事館を訪問し、髙橋宗生総領事とお会いし、タミルナドゥ州やアンドラプラデシュ(AP)州の現地情勢のブリーフィングを受けました。

 次に、タミルナドゥ州、チェンナイがここの州の州都でありますけれども、ここのラジャ工業相と会談をいたしました。インドは、産業割合の中で製造業の割合がまだ低いことから、雇用の創出と貿易赤字削減のため、国として製造業の振興を進めておられます。発展を目指す国としては、最初の形だというふうに思っています。

 そのような中にあって、タミルナドゥ州はインドで有数の製造業が盛んな州と言われています。富山県は日本海側屈指の工業集積地でありますけれども、なので富山県との共通点が多く、世界をリードする技術を有する富山県企業、今回も何社も行っていただきましたけれども、一緒に。これらの企業と多くの優秀な人材を有し、世界からの企業集積が進んでいるタミルナドゥ州との今後の経済交流について意見交換し、例えば製薬やライフサイエンス、エレクトロニクス分野での連携について提案をいろいろといただきました。

 また、州内の高度人材を富山県の企業ニーズに応じて送り出したいという意見もいただきました。その後、富山県とチェンナイ周辺に拠点を置く現地企業と相互にプレゼンテーションによるPRを行い、相互理解を図りました。そのセミナーの後には、企業間の商談や関係者間での情報交換会を行ったところです。

 AP州では、州政府を表敬訪問し、ユヴァラジ長官や州政府の高官とお会いし、交流・協力に関する覚書(MOU)を締結するとともに、今後の交流について懇談をいたしました。AP州とは、2015年に最初のMOUを締結しており、今回は再度の締結ということになりました。

 MOUには、今後交流を実施する分野として、経済交流、文化交流、人的及び学術交流、そしてデジタル分野での人材交流、医薬品分野に関する交流を盛り込んでいます。このうちデジタル分野での人材交流は、今回新たに追加した項目です。

 続いて、州内の大学関係者の方々と懇談をしました。3つの大学から代表の方に来ていただきました。学術分野における交流について情報交換をしたところです。懇談では、富山県立大学の山本理事長からアンドラ大学のダナムジャヤ・ラオ代表に下山学長からの親書を手交し、学術交流協定の締結に向けた協議の促進を確認いたしました。県としては、両大学の学術交流が若い世代の交流へとつながり、富山県とAP州の交流のかけ橋になることを大いに期待をしております。

 なお、我々のこの訪問に先立って、県立大学では事前に向こうに行かれて、アンドラ大学とも意見交換を既にされているということも申し添えさせていただきます。

 次、デリーですが、デリーにおいては、まず在インド日本国大使館を訪問しまして、小野啓一大使を表敬いたしました。小野大使には、昨年、富山県で開催しましたG7教育大臣会合、これの誘致に当たって大変にいろいろなアドバイスをいただいたところであります。それからの再会でした。現地情報や日印関係について情報提供いただいたほか、今後の富山県との交流やインドの人材について意見交換をいたしました。大使からは、日印観光交流年を記念した天皇誕生日祝賀レセプション、来年の2月に行われる予定ですけれども、その天皇誕生日祝賀レセプションで、富山県のブース出展を出したらどうかという、そんなご提案をいただきました。

 また、インド商工省投資促進局、略してDPIITといいますが、そのバティア長官を表敬いたしました。インドでは、国を挙げてメイク・イン・インディアの名のもと、製造業の振興を重要政策として取り組んでおり、この長官がその責任者であるわけであります。

 今回、長官からは、グローバル展開を図る拠点としてインドは適しているところであるなどの意見をいただくとともに、優れた技術を持つ中小企業に進出をいただいて、国内に強いエコシステムをつくりたいなど経済交流の提案がありました。

 また、富山県からは来年開催予定の、隔年で開催しておりますが、富山県ものづくり総合見本市2025、T-Messeといっておりますが、T-Messeへのインド側からの参加を要請するため、招待状をお渡ししてきたところでございます。

 そして、それに続いて、今度は現地旅行会社、メディアなど、33社、約60名の方々にご参加いただき、日本政府観光局(JNTO)のデリー事務所から文野所長をお迎えして、観光説明会を開催しました。私からも立山黒部アルペンルート、黒部峡谷などの本県ならではの観光資源のほか、本県がインド映画のロケ地ともなっていることを紹介し、今後の富山への旅行商品の造成に旅行会社の皆さんに役立てていただきたいと申しあげました。

 また、開催に当たって、日本政府観光局(JNTO)デリー事務所、そして全日本空輸のデリー支店の全面的な協力をいただきますとともに、本県の魅力を一緒にPRしていただいた立山黒部観光株式会社、黒部峡谷鉄道株式会社の皆様には、この場を借りて感謝を申しあげたいと存じます。

 今回の訪問団には、多くの経済関係者の方にもご参加いただきました。できれば全ての訪問先を私も回りたかったのですが、限られた日数でより効果を上げようということで、知事本団と経済団の2団に分かれての行動も多くありました。なので、経済関係者の皆様には、一部行程で別々に行動もいただいたところでございます。なので、私が行っていないところもあるので、それを行ったような口調でしゃべるかもしれませんが、ご理解ください。

 まず、AP州最大規模の工業団地でありますスリシティ工業団地を訪問し、団地の概要、インフラの状況、進出に当たっての支援策などについて説明を受けました。そのほか、2011年に進出して自動車部品製造などを行っている愛三工業さんを視察し、操業、雇用環境をはじめ、会社運営での心構えなどについて意見をいただきました。

 また、チェンナイでは、既に進出された日系企業との情報交換会を行い、今後を見据え、インドの拠点性はより高まっていくなどの意見をいただきました。インドそのものも十分広いんですが、さらにインドからインドでつくって、物をアフリカに送る、そのような場所としても最適であるということも皆さんおっしゃいました。

 それから、デリーにおいてですが、健康分野や人材育成での日系企業の取組みについて視察いたしました。まず、健康分野では、富山県にもご縁のある富士フイルムさんが取り組まれる健康診断施設NURAを視察しました。また、まだ健康診断が定着していないインドですが、同社の高い技術によるがん、あるいは生活習慣病検診などへの関心は高く、この施設には私も参りましたが、今後のさらなる成長に大きな期待を感じたところでございます。

 次に、デンソーのものづくり学校を訪問し、現地労働者の育成状況を視察しました。インドには日印両政府が連携し、インドに進出した日系企業が工場の既存施設などを用いて、日本式ものづくりのコンセプトや技能を習得させ、将来の製造現場のリーダーを育成するという制度がありまして、その現場について視察をしたところです。

 今回の経済訪問団の成果と今後の取組みについて申しあげます。

 今回の訪問では、現地インド企業のニーズや先行して進出した日系企業の取組みを確認できましたほか、ビジネスにおいて、人とのつながりを大切にする多くのインド企業と対面で交流することができました。具体的には、チェンナイでの現地企業とのセミナー、情報交換会に現地の製造業を中心に46社、55人の参加がありました。実はこの半分ぐらい、20社の想定をしておりましたが、うれしい悲鳴でございました。

 今後、県では、今回団員として訪問された企業のフォローを実施してまいりますとともに、インドへの進出や取引を始めるに当たり、現地情報が入手しにくいことを踏まえて、ジェトロ富山の事務所内に相談対応、情報収集などを行う富山県インド経済デスクを来春から設置をすることを検討しております。

 また、今回の訪問では、海外との経済交流を所管するインド商工省投資促進局やタミルナドゥ州政府工業省のそれぞれのトップの方と直接話をすることができ、企業進出への支援や各政府と県との交流を進めていくことについて確認をいたしました。

 今後の取組みとして、インド政府関係者が多く参加する在インド日本大使館主催の天皇誕生日祝賀レセプションでの富山県ブースの出展、2月14日ですね。2月14日のこのブースの出展、ものづくり総合見本市、これは来年の10月30日から11月1日開催予定です。ここへのインド関係者の参加。また、タミルナドゥ州やAP州をエリアとするジェトロチェンナイへ県職員の派遣を検討しております。AP州では新たな項目を盛り込んでMOUを再締結しました。

 今後、州政府と密に連携しながら、より一層の交流を深めていくことを目指してまいります。

 人材育成の面では、富山県立大学とアンドラ大学が学術交流に向けて協議をされております。アンドラ大学は、インド国内においても教育、研究開発力が高く評価されている州立の大学です。科学技術、工学、薬学など県立大学の教育内容と共通する学部も多いことから、早期の協定締結に向けて実務協議を進めていくことにしております。

 また、人材確保の面ですが、富山県でのインドからの高度外国人材の受入れを進めていくためにシフトを1つ変えました。富山外国人活用支援デスクというもの、これは今もありますが、そこの連携企業、今まで5社ありますが、これに1社、インド人材に強みを持つ会社を追加しました。インドシフトということでございます。インドでは初の開催となります今回の観光説明会の開催を契機として、今後現地旅行会社に対して、本県への旅行商品造成のための具体的な提案やPRを行うなど、インドからのさらなる誘客に努めてまいります。

 実は、先ほども申しあげましたが、本当にこれも想定を超える60名の方においでいただきました。皆さん、立山黒部アルペンルートの説明などしますと、何でこんないいところをもっと早く知らせなかったのかと、お叱りに近いような期待の高まりを感じたところでございます。

 今回、各訪問先では大変に温かく迎えていただきました。また、県主催のイベントでは、大変熱心に富山の情報に耳を傾けていただきました。また、お会いした皆様からは、私自身も大変多くのエネルギーをいただきました。

 最後ですが、今回の訪問で現地での調整や随行いただいた在インド日本国大使館、在チェンナイ日本国総領事館、そして日本貿易振興会ジェトロ、日本政府観光局(JNTO)ほか、在日本インド大使館やインド政府、各州政府など多くの関係の皆様方にご協力をいただき、感謝申しあげます。あわせて、経済団団長を引き受けていただきました経済同友会代表幹事の麦野英順さんはじめ、県内経済界の皆様、県議会各団体や大学関係者の皆様、年末の忙しいところにご参加いただき、この場を借りて心からお礼を申しあげたいと思います。

 インド経済訪問団の報告は以上です。

2.富山湾岸サイクリング2025のエントリー開始について

 2番目は、富山湾岸サイクリング2025エントリー開始についてです。

 今回の大会は、「ナショナルサイクルルートと、春の味を楽しもう!」を開催テーマに掲げて、射水市の海王丸パークをスタート、ゴール会場として、令和7年4月20日日曜日に開催することとしています。参加募集人数は、4つのコースで合計1,500名の定員としています。

 富山湾岸サイクリングについては、2015年4月に第1回大会を開催して以来、今年が10回目、そして来年の大会で11回目の開催となります。射水市海王丸パークがスタート、ゴール会場となるのは、第1回大会以来10年ぶりということになります。前回、第10回の記念大会は、今年ですが、能登半島地震の影響から開催も危ぶまれたところでしたが、募集開始を延期するなどの対応も行い、県内外から1,225名のサイクリストに参加申込みをいただきました。

 富山湾沿岸は震災の影響も大きく、いまだに復興のさなかです。こうしたイベントを通して、復興支援や地域の活性化につなげていければと考えております。

 今回大会へのエントリー開始は、年明け令和7年1月11日土曜日を予定しています。

 引き続き皆様に一層楽しんでいただける大会となるよう、実行委員会中心に全力を挙げて準備を進めてまいりますので、ぜひ多くの皆様にご参加いただきますよう、マスコミの皆様からも報道をしていただければと思います。

 湾岸サイクリングは以上です。

3.年末年始の感染対策と初期救急医療体制について

 発表項目3件目、年末年始の感染対策と初期救急医療体制についてご説明申しあげます。

 今年の第51週となる12月16日月曜日から22日日曜日、この第51週の本県の定点医療機関からの患者報告数は、季節性インフルエンザが1定点当たり13.36人となりまして、注意報レベルの目安としている10人を超えました。また、新型コロナは1定点当たり4.21人となり、4週連続増加しています。昨年も12月から年明けに感染が拡大をしました。

 県民の皆様には、手洗い、換気、適切なマスクの着用、体調不良の場合は外出を控えるなど、予防対策の徹底をお願いいたします。特にご高齢の方、あるいは基礎疾患のある方が感染されますと、重症化リスクが高まります。通院や高齢者施設を訪問される際は、感染予防としてマスクの着用が効果的とされています。また、帰省などで富山に戻られて、高齢の方と会う場合、あるいは大人数で集まられる場合は、感染予防を心がけ、体調を整えるようにしていただきたいと思います。2年前、3年前には、よく言っていたこと、デジャブ感がありますが、今またコロナだけではなくて季節性インフルエンザについてもこのようなこと、対策はほぼ一緒です。これをお願いしたいと存じます。

 年末年始の期間中は、例年、医療機関の多くが休診となります。もしもに備えて解熱剤などの常備薬や国承認の検査キットをご準備されたら安心かと思います。また、救急外来が混雑しないよう、症状が軽い場合は、年末年始以外の昼間の受診をご検討ください。そして、重症化リスクが低い方は、検査キットによる自己検査と陽性の場合は、自宅療養をお勧めいたします。

 そして、医療機関に行くべきか救急車を呼ぶべきか迷われた場合は、救急医療電話相談#7119、あるいは子ども医療電話相談#8000へお電話いただければと思います。看護師などの相談員が医療機関の受診の必要性や対処方法などをアドバイスいたします。

 次に、年末年始の初期救急医療体制についてです。

 医療従事者のご尽力により、急に症状が発生したり、けがをされた際に受診いただける休日・夜間急患センターが各地域で運営をされます。診療時間や取り扱っている診療科目は、各センターで異なっています。県民の皆様には、県のホームページに掲載しております救急受診ハンドブックをご確認いただくなど、急な体調不良やけがへの事前の備えをお願いをいたします。

 年末年始の感染対策と初期救急医療体制についての説明は以上となります。

2.質疑応答

会見写真2

【記者】

 インドの経済訪問団のことについて、まず何点かお伺いしたいんですけれども、富山県のインド経済デスクのところで、先ほどちょっと聞き漏らしたかもしれないんですけれども、早ければいつから設置したいというふうにお考えであるかということと、人員体制ですとか、改めて設置される狙いも含めてお願いします。

【知事】

 少し整理しますと、このジェトロ関係で今申しあげたことは2つあります。

 1つが、どちらもジェトロさんのお力をお借りして連携してやるということなんですが、まず富山のジェトロ事務所、ジェトロ富山に相談の対応、あるいは情報収集などを行うインド経済デスク、まだ仮称ということですけれども、これを設置します。インドに5つあるジェトロ現地事務所と富山のジェトロ富山が連携をし、進出や取引拡大を検討しているインド、富山双方の企業からの相談を受け付け、お答えをします。そして、現地での情報収集やオンラインなどでのマッチング業務を行うことを想定しております。これはジェトロさんに委託をするということになります。

 次に、先ほど申しあげたタミルナドゥ州、これの州都がチェンナイという街です。それから、2015年にMOUを締結して、今回再締結したアンドラプラデシュ州、この両州を活動エリアとされているジェトロチェンナイに富山県の職員を派遣することを検討しております。これは人を出すということです。できれば来年2025年から1年間研修をして、そして26年から派遣できればというふうに考えております。

 インドとの経済交流の活性化に向けて県職員の知識、技能の習得、現地との関係構築に取り組んでいただきたいと思います。そのようなことをジェトロさんと連携して行っていきたいと考えております。

【記者】

 1点、今の質問で確認ですけれども、インド経済デスクは来年からというふうに先ほどおっしゃられましたでしょうか。

【知事】

 そうですね。新年度ということで今、検討しています。

【記者】

 続きまして、今回初めてのご訪問ということも先ほどおっしゃられましたけれども、インドに抱いておられた印象、どのように変わったかということと、先ほどインドの方々が観光面で立山黒部に非常に関心を持っていらっしゃったというご説明もありましたけれども、インドの方々が富山に対して、どういう印象を持っておられて、今回の訪問で何か変わったのか。その辺お感じになられたことがあればお願いします。

【知事】

 ありがとうございます。

 まず、ちょっとおさらいですが、今回何で行ったかということなんですが、2015年からAP州とは交流をしてまいりました。ただその後、新型コロナのことや、あるいは向こうの政治体制もあったりしまして、少し疎遠になっていたのは事実であります。今、アフターコロナということで世界的に人流が回復をしてきました。そんなところに昨年、駐日インド大使のシビ・ジョージ閣下から、訪印をしたらどうかという提案をいただきました。それを受けて、今回の企画をしたところでございます。

 先月には、インド大使の東京の公邸で食事もさせていただきながら、さらに今回に備えて意見交換をしてきたところでございます。まず、インドは高い経済成長率を引き続き連続的にやっておられます。また、人口は中国を抜いて世界最大。GDPも来年、日本を上回るのではないかとも言われています。そして、平均年齢が28歳、20代ですね。労働力も豊富。

 そして、これは日本ではほかの地域同様、少子高齢化が進んでいる。そして、人口減少局面に入っている富山県にとっては、今後の企業進出や取引拡大、インバウンドの誘致、人材の確保、育成など、これからインドの交流促進には大きな期待ができると思っています。どう考えてもマクロとして、インドと日本は本当にすっぽりと補完関係ができるんじゃないかと思います。ただ、具体的にミクロ的にはやっぱりいろいろなやり方もあるでしょうし、調整も必要だというふうに思います。ただ大きなマクロ的な方向としては、全く正しい方向だというふうに思って帰ってまいりました。

 これをどう設計をして、実際に富山県企業に、また富山県の活力を高める、それからもちろんインドのためにもなるようなウィン・ウィンの関係にしていくか、よりこれから詳細に検討していければというふうに考えております。そんなところですかね。

【記者】

 続きまして、今日の発表の添付資料の中に、今年1年の県政の主な出来事という形で一覧表が添付されているんですけれども、改めて、今日が最後の定例会見ということもありまして、1年間を振り返られて、地震ですとか人口の100万人割れとか、知事選もありましたけれども、1年間を振り返って、今年1年の県政の成果なり、あるいは課題なり、どうお感じになられたかということと、あと来年は特にどういうことにまた取り組んでいきたいかも含めてよろしくお願いします。

【知事】

 ありがとうございます。

 役所ですので、4月、3月の年度で物事を考えておりますが、さりながら、やっぱりカレンダーイヤーでは今日が最後ということですので、その感想ということだというふうに思います。

 暦年でいいますと、今年は1月1日に地震という本当に誰一人想像もしていないし、願ってもいないことが起きました。2万2,000棟を超える住家が被害を受けました。被害もいろいろな大きさがありますけれども、すぐにもう家には住めなくなられた方も多数おられ、今も賃貸型応急住宅や、あるいは公営住宅などで仮住まいをして日常を取り戻しておられない方々もおられます。これに対して、3月に復旧・復興のロードマップをまとめまして、そのような被災者の生活の立て直し、また傷ついた企業もたくさんおられますので、それらの企業のなりわいの再建、またインフラの一日も早い復旧、これについてはもうじき災害査定も終わりますので、より本格的に、もちろん応急的なことは既に進めてきておりますが、より本格的な復旧・復興に向けての歩みを加速できるというふうに考えております。

 そして、これらの上では本当に多くの皆様方のご協力のもとにこれらのことをここまで進めてきたところでございます。また、県内外から多くのボランティアの皆様にもお手伝いに入っていただきました。これについては本当に心から感謝を申しあげたいと思います。

 また、本県も被災地でありますけれども、やっぱりお隣の石川県を放ってはおけない。何かお力添えをしたいという、もちろん県外避難者やあるいは患者さんや高齢者、こういった方々を積極的に受け入れました。さらにお隣の石川県へもボランティアで多くの方に富山県民が行っていただきました。このようなことでここまで歩んできました。

 特に富山県では1年の節目のセレモニーというものは計画をしておりませんが、明日、第7回目になりますか、復旧・復興本部員会議を開催して、1年の取りまとめ、それから来年へ向けての課題の確認、情報共有を行いたいというふうに考えております。地震だけでもこれだけの長さになってしまっているんですが、ただ地震対応はもちろんやりながらも、ほかのことも進めた1年でございました。

 ウエルビーイング向上の政策、これについては令和6年度も実施計画をさらに増やして、強力に進めているところでございます。認知度も高まり、そして認知度が高まることよりも、それによって富山県により多くの人が入ってくる、来ていただく。そして、そんな方々と富山に住む人たちとの化学反応、あるいはコラボレーションがどんどん起きていって、それが富山県の活力になる、そんな作戦ですから、それも大いに進んだことだというふうに思っております。

 それから、新幹線が3月には福井、敦賀まで延伸をいたしました。もちろん福井への人流がとても大きなものになっていますが、あわせて富山県にもこの効果はもちろん波及をしてきておりまして、それに合わせてJRさんのデスティネーションキャンペーンなどもあり、富山県にも本当にこの延伸効果が出ておりますし、しっかりとそれをつかんでいるということも言えるというふうに思っております。

 それから、県政については、私も2期目に入りました、11月から。引き続き新たな公約も県民の皆様にお約束をしました。これらを中心に富山県をさらに前へ進める、人口減少の抑制、それから人口減少社会への適応、このために未来に向けた人づくり、そして新しい社会経済システム、これらをしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。年末に当たって、一言申しあげさせていただきました。

【記者】

 その他で1点お伺いしたいんですけれども、北陸新幹線の敦賀以西のことについて、先日、与党の整備委員会が詳細なルート3案のうちの1案が年内に決まらず、2025年度中の着工を事実上断念という形になりましたけれども、これに対する受け止めと早期着工に向けて、県として今後どのように要望なり活動していかれるかを含めてお願いします。

【知事】

 ありがとうございます。

 年内を目標にみんなで動いてきた敦賀・新大阪間の詳細な駅の位置、あるいはルートの決定が見送られたことは、私も大変に残念なことだというふうに考えております。北陸新幹線の整備効果は、言うまでもなく大阪まで全線開業してこそ、最大限発揮をされるものです。リダンダンシーという面でもそうだと思います。早期に全線整備を実現することが重要です。

 国においては、沿線の自治体、地域の方々の懸念や不安を払拭するため、情報提供や丁寧な説明など、最善を尽くしていただき、施工上の課題や着工5条件の早期解決に向けて議論を進めていただきたい。我々も石川県とともにこの動きを、富山県、石川県は既に工事が終わっているわけでありますけれども、こちらサイドから西に向けて押していきたいというふうに考えております。

【記者】

 インドの訪問団の件で1点お伺いします。

 AP州との覚書の内容で、デジタル分野での人材交流を2015年から追加されたということで説明がありました。インドはこういうことには強いということと、あと富山県も県立大にデータサイエンス学科を作ったり力を入れている分野だと思いますけれども、こちらを追加した狙いだとか理由について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

【知事】

 ありがとうございます。

 今、日本、それから富山県としては、人口減少の局面に入っているわけであります。それに伴って、人口も右肩上がりで設計された多くの社会経済システムがなかなか立ち行かなくなってきているところであります。ここに、これを解決して道を切り拓いていくには、私はこのデジタルによる変革、デジタルを使い倒していく、これが大切だというふうに思っています。

 そのような考えから、富山県立大学に本年4月に情報工学部を開設して、かつそこに新しい学科であるデータサイエンス学科を設立し、まだこれからですけれども、デジタル分野のエキスパートを育成することを始めたわけであります。

 一方で、このインドのアンドラプラデシュ州が位置するインド南部のほうは、IT産業がとても盛んということなので、デジタル分野の発展というのは、本県それからAP州両方共通の関心事項と言えると思います。データサイエンスやITといったデジタル分野における人材交流を推進することで、両県州のこの分野における人材育成が進み、同じデジタルといっても、それぞれの国の強みや弱みもあるんだというふうに思います。そんなことをまずやってみなきゃ分からないので、交流を進めていこうと。

 そして、お互いにプラスになるようにお互いを利用し合っていこうと、そんなウィン・ウィンの関係をつくり出すために、今回このデジタル交流ということを新たに、デジタル分野における人材交流を追加したところでございます。お互い狙いはデジタルというキーワードは一緒ですけれども、狙うところは違うのかもしれません。でも、お互いをうまくいい意味で利用し合うということ、そんなことができないかと思い、これを新しい分野にしたところでございます。

 具体的には、これから県立大学とアンドラ大学がデータサイエンスなどに関する共同研究に向けて準備をしておられます。そして、学術交流から始まり、それがまたデジタルのビジネスへの活用などにも進んでいければというふうに思っております。

【知事】

 そうしましたら、感染症対策の件、本当に年末年始、どうしてもやっぱり増えます。いろんな会合も多い、それから県外から帰省される、帰省はいいことなんですけれども、ご高齢者、おじいちゃん、おばあちゃんに会おうという方も多いと思います。そのあたりコロナの時期を思い出して、ぜひ基本的な感染対策をしっかりして自分も守る。それからご家族、あるいは久しぶりに会われる方々も守る。そのようなことでお願いしたいと思いますし、報道の皆様には、それをぜひ一人でも多くの方の目に触れるようにご報道いただければ、大変にありがたく思います。

3.関連ファイルのダウンロード

【資料1】富山県インド経済訪問団について(PDF:861KB)

【資料2】富山湾岸サイクリング2025のエントリー開始について(PDF:514KB)

【資料3】年末年始の感染対策について(PDF:196KB)

 

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所属課室:知事政策局広報・ブランディング推進室広報課企画・報道担当

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁本館2階

電話番号:076-444-3133

ファックス番号:076-444-3478

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