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更新日:2021年4月1日
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日本初のノーベル文学賞を受賞した文豪・川端康成(明治32-昭和47年)は、美術にも深い造詣を持ち、独自の審美眼で、日本の伝統文化、とりわけ永遠の美に傾倒しました。書画や茶器、工芸品など多数の美術品を蒐集しました。中でも池大雅(いけのたいが)と与謝蕪村(よさぶそん)の合作《十便図十宜図》と浦上玉堂《凍雲篩雪図》(とううんしせつず)は、後に国宝へと指定され、川端の審美眼を象徴する名品といえます。
昭和を代表する日本画家・東山魁夷(明治41-平成11年)もまた、美術品に積極的に関心を寄せました。これは、昭和30年に始まった川端との交流が大きく影響を与えています。東山の蒐集は洋の東西を問わず多岐にわたり、古きもの、良きものは、何よりも制作の源泉になりました。
川端は、東山作品を身近に置き、画集にも序文を寄せています。17年間にわたる交流の中で、川端が「東山さんは日本民族古今に貴寵の風景画家と仰がれるであらう」と讃えたことは、東山の才能を認めた証でした。中堅画家の東山にとって、どれほど勇気を与えられたことでしょう。
本展は、二人の巨匠のコレクションや交流を示す書簡に、新たに発見された川端愛用の硯や筆などの文具や闊達な書も紹介します。二大コレクションの競演をご堪能いただければ幸いです。
[国宝]釣便「十便図」より
池大雅
(会期中、場面を入れ替えます。前期:4月12日~4月29日/後期:4月30日~5月12日)
埴輪「乙女頭部」
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