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更新日:2021年3月30日
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郷倉和子は、大正3(1914)年に日本画家・郷倉千靱(日本芸術院会員・日本美術院同人、監事、富山県小杉町出身)と蔦子(富山県新湊市出身)の長女として生まれました。昭和10年、女子美術専門学校(現女子美術大学)を首席で卒業後、第23回院展に「八仙花」が初入選し、以降、安田靫彦に師事し画業に励みます。大胆な構図とカラフルな色彩が注目を浴び、昭和35年には日本美術院同人に推挙され、独自の画風を確立しますが、昭和50年に父が突然倒れ、作家としての混迷の度を深める十数年を戦うことになります。そして、その苦しみの中で出会った「梅樹、梅花、日本家屋の屋根瓦」など、自分の生活環境に根付いたテーマこそ描く対象にふさわしいと感じ、昭和60年頃から今日まで、感動を失わず同じ梅をテーマとして描き続けています。平成6年に日本美術院理事に選任、9年に日本芸術院会員に推挙され、昨年秋には文化功労者として顕彰されました。「自然の約束事を大切に」と言った安田靫彦や小倉遊亀の言葉の重みを実感しながら、和子画伯は「父千靱が一度も絵の事について教えてくれなかった意味をこれからも考え続けて行きたい。」と言います。61歳を過ぎてからの屈折は、自身にとってけっして順風な閨秀作家でいられるものではなかったにちがいありません。自問自答しながら歩み続けた18年の「梅花の調べ」を是非ご覧ください。
「寒中紅梅」平成7年
式年遷宮記念神宮美術館蔵
「春韻」平成4年
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