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更新日:2021年4月1日
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目で視、心で味わい、手で確かめる。この展覧会は、近現代の京都画壇において格調高い花鳥画を描き続けた上村松篁の全容を回顧する展覧会として開催するものです。
上村松篁は明治35(1902)年、日本画家・上村松園の長男として京都市内に生まれました。大正10(1921)年、京都市立絵画専門学校に入学し西山翠嶂に師事します。同校在学中に第3回帝展で初入選し、昭和3(1928)年の第9回展では特選となるなど、戦前は、官展系展覧会を中心に活躍しました。ところが、戦後、官展の後継である第3回日展で審査員をつとめたところ、その旧態依然とした審査に失望し同展を脱退します。翌年には、奥村厚一、秋野不矩、吉岡堅二、山本丘人らと創造美術(新制作協会日本画部を経て現在創画会)を結成し、官展にも塾にも依らず、発表を続けました。伝統的な円山四条派の写生を活かしながら、近代的な構成を持つ新しい花鳥画として蘇らせた作品を生み出す一方、昭和11年から43年の定年退官まで母校の京都市立絵画専門学校(現・京都市立美術大学)で後進の指導にあたりました。58年に文化功労者となり、翌59年には、初めての母子二代での授与となる、文化勲章を受章しますが、平成13(2001)年惜しまれつつその生涯を閉じました。
本展では、初期から晩年に至る本画に素描を併せて展示し、母・松園同様、品があって香り高い芸術を花鳥画で追求し続けた、上村松篁の軌跡をたどります。
「杜若」昭和53(1978)年・神奈川県立近代美術館蔵
「朝」昭和28(1953)年・東京国立近代美術館蔵
「水魚二題」昭和4(1929)年・京都市美術館蔵
「母子の羊」昭和12(1937)年・松伯美術館蔵
「八仙花」昭和25(1950)年・松伯美術館蔵
「金鶏・銀鶏」大正15(1926)年・松伯美術館蔵
「熱国睡蓮」昭和35(1960)年・衆議院蔵
「竹鶴」昭和49(1974)年・福岡市美術館蔵
「樹下幽禽」昭和41(1966)年・日本芸術院蔵
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